1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

72歳で急逝した父。生前に「財産を全てあげる」と言われていました。預金は全額「私の口座」に移しても問題ないでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月21日 5時10分

72歳で急逝した父。生前に「財産を全てあげる」と言われていました。預金は全額「私の口座」に移しても問題ないでしょうか?

72歳で父が急逝してしまった人の中には、生前に「財産はすべてあなたに」と言われていた人がいるかもしれません。このことから、銀行にある父の貯金を自分の口座へ移動して問題ないか気になる人もいるでしょう。   今回は父の貯金を自分の口座へ移動する行為が問題ないかとあわせて、起こりうるトラブルや相続の種類についてまとめました。

相続の種類はおもに2つある

遺産の相続方法は「法定相続」と「遺言相続」の2種類があるようです。それぞれどのような内容なのかを、詳しく見ていきましょう。
 

法定相続

法定相続とは、民法に定められた相続人の範囲や順位にのっとって相続を進めることです。民法によって定められた相続人を「法定相続人」と呼び、亡くなった人の配偶者と一定の血縁関係がある人が該当します。
 
なお、法定相続の場合は、どのくらいの割合で相続するかも定められていることが特徴です。相続人同士の遺産分割の話し合いで合意が取れなかった場合は、表1の割合で相続されることも覚えておきましょう。
 
表1

相続人 相続する割合
配偶者のみ 配偶者:全部
配偶者と子 配偶者:2分の1、子(全員で):2分の1
配偶者と父母 配偶者:3分の2、父母(全員で):3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者:4分の3、兄弟姉妹(全員で):4分の1

出典:政府広報オンライン「知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】」を基に筆者作成
 
遺言書がない限りは法定相続のルールが適用されます。そのため、今回のケースで遺言書に相当するものがなく、配偶者(一人娘の母)がいる場合は、残された遺産は半分ずつ分配されると考えられるでしょう。
 

遺言相続

遺言相続は、亡くなった人(被相続人)が生前に作成した遺言書の内容に沿って遺産を分配する方法です。法定相続のルールでは不利益が生じる場合などに用いられる方法となっており、以下のようなメリットがあると考えられています。
 

・本来相続人に該当しない人に遺産を分けられる(内縁関係や血縁関係にない人・団体など)
・特定の遺産を特定の相続人に相続させられる
・自分の意思で遺産の分配を決められる
・相続人同士の争いを避けられる

 
なお、遺言書の種類は「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類に分類されます。
 
遺言相続で注意したい点として、相続には「遺留分」と呼ばれる、法定相続人が相続分を請求できる権利があることがあげられます。今回のケースでいうと「財産はすべてあなたに」と記載があっても、法定相続人は裁判所で遺留分の請求が可能です。
 
たとえば自身の母が存命の場合、遺言書で金額が指定されていたとしても、全額受け取れない可能性がある点は覚えておきましょう。
 

銀行に預けている父の貯金を自分の口座に移すのは問題ない?

結論、銀行に預けている父の貯金を自分の口座へ移動させられるかは、以下の2点を確認する必要があります。
 

・公的に認められた遺言書があるか
・ほかに法定相続人(今回は母)がいるか

 
遺言書がある場合、相続先が指定されていれば問題はないと考えられるでしょう。対して遺言書がない場合は、法定相続に従うもしくは遺産分割協議書で配分を決める必要があるため、勝手に全額引き出すのは難しいと考えられます。
 
ただし、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を活用することで、遺産分割が終了する前でも、当面の生活費や葬儀費用の支払いなどの目的で一定額の引き出しが可能です。
 

銀行に預けている父の貯金を口座に移すことで起こりうるトラブル

銀行に預けている父の貯金を口座に移すことで起こりうるトラブルとして考えられるのは、相続放棄ができなくなることがあげられるでしょう。勝手にお金を引き出してしまうと、単純承認とみなされ、すべての遺産を引き継ぐことになる可能性があります。
 
遺産が預貯金だけであれば問題はないかもしれませんが、仮に借金があった場合は、それらもすべて相続人に引き継がれてしまいます。もちろん、この場合は相続を放棄できなくなるでしょう。
 
このことから、自分の口座へ移動すること自体は問題ないと考えられるものの、あまり推奨されない行為である点には十分注意しましょう。
 

銀行に預けている父の貯金を自分の口座へ移動する行為は特に問題ないと考えられる

銀行に預けている父の貯金を自分の口座へ移動する行為自体は、特に問題のない行為と考えられるでしょう。今回のケースであれば、ほかに相続人がいない場合、公的に認められる遺言書があれば遺言相続に分類されることから、トラブルにつながるリスクも低いと想定できます。
 
ただし、相続放棄ができなくなるリスクについても理解しておきましょう。仮に借金やそのほかの負債があっても、父の口座から自分の口座へお金を移動した時点で単純承認と判断されてしまい、すべての負債を背負うこととなる可能性があります。
 

出典

政府広報オンライン 知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください