いま「50代」の人は要注意!? 年金を“満額”もらえない可能性が? 大学生のときに「国民年金」に加入していないと、年金額はどれだけ差が出る?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月21日 5時0分
日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」には、自身の年金保険の納付実績や将来年金をいくら受給できるか、という情報が記載されています。 ただ、50代の人のなかには、22歳で就職してからの厚生年金の加入月数は記載されているけど、国民年金の加入月数は0ヶ月になっていた、という人もいます。 国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人であれば、全員が加入し保険料を支払う義務があるはずなのに、大学生のときに支払っていなかったということです。 20歳以降に年金を支払っていない期間があると、老齢基礎年金を満額もらえない可能性があります。本記事では、どう対処すればいいか解説します。
大学生のときに国民年金を払っていたか確認しよう
ねんきん定期便をよく見て、老齢基礎年金や老齢厚生年金の見込額がいくらになっているか、きちんと確認しておきましょう。
例えば、現在57歳になる筆者のねんきん定期便には、老齢基礎年金の見込額として76万5000円と記載されています。ただ、本来、2024年度の老齢基礎年金の満額は年額81万6000円なので、5万1000円も少ない記載になっています。国民年金加入期間も0ヶ月でした。
調べてみたところ、1991年3月まで学生は国民年金に任意加入だったことが分かりました。20歳になっても学生であれば現在のように強制加入ではなく、希望者のみが支払えばよいという任意加入の制度だったのです。
筆者の場合、1986年10月の誕生日で20歳になったのですが、まだ大学生だったため1989年4月に就職するまで、国民年金を納めていませんでした。国民年金は20歳から60歳まで40年間(480ヶ月)保険料を納付すると、満額の老齢基礎年金81万6000円を受給できます。
未納がある場合の老齢基礎年金受給額は、81万6000円×納付月数÷480ヶ月 で計算できるため、この式に当てはめてみると、81万6000円×450ヶ月÷480ヶ月=76万5000円となります。筆者は20歳になった1986年10月から、就職する1989年3月までの30ヶ月分が未納だったため、5万1000円も少なくなっていたのです。
昔の30ヶ月の未納分を追納することはもうできませんが、別の方法で年金を増やすことはできないか考えてみましょう。
満額もらえない場合はどうする?
国民年金には、過去の免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けた期間分をさかのぼって支払うことができる「追納」という制度がありますが、10年以上経過している場合は利用できません。ただ別の方法で、将来の年金給付額を増やすことは可能です。
国民年金の任意加入制度を使う
自営業者や無職の人であれば、国民年金の任意加入制度を活用できます。任意加入制度とは、未納分がある人に対して、60歳以上 65歳未満の5年間のあいだに納付月数480ヶ月になるまで、国民年金保険料を追加で納めることができる制度です。
これを使うことで、受け取れる老齢基礎年金を増やすことができます。2024年度の国民年金保険料は、月額1万6980円となっています。実際の手続きは、住んでいる市役所(区役所)、または町村役場(国民年金担当)、年金事務所で確認してください。
60歳以降も厚生年金への加入を続ける
会社員の場合、国民年金の任意加入制度は使えませんが、60歳以降も働き続ける人が多いのではないでしょうか。
その場合、厚生年金に継続して加入することで、年金額が増えることが期待できます。厳密に言うと、老齢基礎年金が増えるわけではありませんが、老齢厚生年金を増やすことにつながります。これを、老齢厚生年金の「経過的加算」といいます。
65歳まで仕事を続け、厚生年金も継続して加入し保険料を支払う場合は、その分、経過的加算額が増え、結果的に厚生年金保険の年金額を増やすことができます。
まとめ
1991年3月まで、学生の場合20歳を過ぎていても国民年金は任意加入だったため、保険料を支払っていなくてもよかったのです。ただ、そのままだと老齢基礎年金を満額受給することはできません。
任意加入制度を活用するか、60歳を過ぎても厚生年金に加入を続け、少しでも年金受給を増やすことを考えましょう。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 あなたも国民年金を増やしませんか?(任意加入制度のご案内)
日本年金機構 か行 経過的加算
日本年金機構 平成3年4月前から学生であったにもかかわらず、平成3年4月から国民年金の保険料免除期間とされているのはどうしてですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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