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母校が「甲子園に出場」することになり寄付金の依頼がきました。相場はどのくらいなのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月22日 23時0分

母校が「甲子園に出場」することになり寄付金の依頼がきました。相場はどのくらいなのでしょうか?

甲子園に出場するという知らせは、卒業生や地域住民にとっても特別な瞬間です。しかし、その裏で遠征費として多額の費用が必要なことはあまり知られていません。   この記事では、甲子園出場に伴う遠征費や寄付金の相場、そして寄付によって得られる税制上のメリットについて詳しく解説します。

念願の甲子園出場!遠征費は1億円!?

毎年、甲子園で行われる高校野球の全国大会がテレビ中継されます。地区予選を勝ち抜いた全国の高校球児が大阪の甲子園球場に集いますが、その遠征費はいくらになるのでしょうか?
 
本州最北端の青森県にある八戸学院光星高校の場合、1試合に必要な遠征費は、なんと約2000万円かかります。さらに、勝ち進んで滞在期間が長くなるほど費用は膨らみ、決勝戦まで勝ち進むと総額で約1億円が必要になる見込みです。
 
大会主催者からは、ベンチ入り選手や監督、担当教員に対して旅費と宿泊費が支給されますが、ベンチ入りできなかった選手や応援に駆けつける生徒の移動費・宿泊費は学校側が負担しなければなりません。
 
このため、多くの高校ではWebサイトやクラウドファンディングを通して遠征費の支援を呼びかけています。大谷翔平選手の母校、花巻東高校も第106回大会に向けてクラウドファンディングで寄付を募り、その返礼品として花巻東高校公式グッズを提供しています。
 
2024年春の大会では、出場校の3分の1以上がクラウドファンディングを活用しています。
 

母校の甲子園出場に伴う寄付金の相場は?

甲子園への出場が決まると、卒業生や地域住民に寄付をお願いすることがあります。その際の寄付金の相場は、一口あたり数千円から1万円程度が一般的ですが、中には10万円以上の寄付が行われることもあります。
 
例えば、大阪桐蔭高校では一口1万円と設定されており、仙台育英高校では、寄付者が自由に金額を決められますが、学校側としては一口5000円を希望しています。
 
寄付額に明確な決まりはなく、学校側としては複数口の寄付を歓迎しています。野球部OBや学校関係者からは、数万円単位での寄付が見られることもありますが、一般的には一口分、または5000円前後の寄付が多いようです。
 

甲子園出場支援の寄付金には税制上の優遇措置も

甲子園出場支援の寄付を行うと、「所得税」や「住民税」において減税措置が受けられる可能性があります。この優遇措置を受けるには、寄付金額が年間2000円を超えていること、さらに寄付先の学校が文部科学省に認可された「特定公益増進法人」であることが条件です。
 

(1)所得税控除

「所得控除」と「税額控除」の2種類の控除があり、どちらを選択するかは、確定申告時に選択します。それぞれ計算式が異なり、減税額の大きさは所得税率や寄付金額によって異なります。
 
〈所得控除の場合〉

減税額 = (寄付金額 − 2000円)× 所得税の税率

※ 寄付金の合計額は、総所得金額の40%が上限

〈税額控除の場合〉

減税額 = (寄付金額 − 2000円)× 40%

※ 控除額の上限は、所得税額の25%

所得に対して寄付金が大きい場合や、所得税率が高い高所得者の場合は、「所得控除」を選択した方が節税効果は高くなる可能性があります。一方、寄付額が少ない場合や所得税率が低い場合は「税額控除」を選ぶ方がメリットがあります。
 

(2)住民税控除

住民税に対しても寄付金控除が適用されます。この場合、控除額の上限は総所得金額の30%です。計算式は以下の通りです。

減税額 = (寄付金額 − 2000円)× 10%※

※都道府県が条例で指定した寄附金の場合は都道府県民税分4%(指定都市に住所を有する場合は2%)、市区町村が条例で指定した寄附金の場合は市区町村民税6%(同8%)、都道府県と市区町村どちらも条例で指定した寄附金の場合は10%となります。

例えば、寄付金額が1万円の場合、住民税控除は800円となります。
 
控除を受けるためには、以下の書類をそろえて確定申告を行う必要があります。
 

(1)寄付金領収書
(2)税額控除に係る証明書
(3)特定公益増進法人であることの証明書

この際、控除を受ける本人の住所と氏名が記載された領収書が必要です。寄付をする際は、必ず控除を受ける本人の情報で手続きを行いましょう。
 

まとめ

甲子園でベンチ入りできる選手は20人ですが、野球部全体の部員数はその何倍にもなります。特に強豪校は部員数が多く、100人を超えることも珍しくありません。少子化の影響で生徒数が減少している今、学校が全ての遠征費を負担するのは難しくなっています。
 
母校の甲子園出場を応援する寄付は、単なる支援にとどまらず、税制優遇を受けられるという大きなメリットがあります。子供たちが夢を追い続けられる環境を、無理のない範囲で支援しましょう。
 

出典

文部科学省 文部科学省寄附ポータルサイト 個人が寄附した場合の税制上の優遇措置
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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