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定年後に両親が「平屋」を建てると言っていますが、資金面で可能なのでしょうか? 退職金はあるそうですが老後資金が不安です。

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月23日 1時50分

定年後に両親が「平屋」を建てると言っていますが、資金面で可能なのでしょうか? 退職金はあるそうですが老後資金が不安です。

定年後を機に、生活環境を変えようと考えている高齢者の方は少なくありません。そのなかには、これまで頑張って働いてきて稼いだお金や退職金を使って、住みやすいとされる平屋を建築しようと考える方もいるでしょう。   しかし退職後は収入が限られるため、お金の使い道には注意しなければなりません。そこで本記事では、平屋の建築にかかる費用と退職金で平屋の費用を賄えるのかについて解説します。

平屋の建築にかかる費用はどれくらい?

一般的に平屋の新築にかかる費用は、木造で坪単価60万円前後が相場といわれます。平屋は2階、3階建て住宅よりも敷地面積が必要で、2人暮らしの場合には、床面積だけで22坪程度が目安とされるそうです。その場合の建築費用は1320万円以上かかるとみてよいでしょう。
 
ただし、住宅の価格は間取り・敷地面積・使用する建材・設備のグレードといった要素により、金額が大幅に変動します。上記はあくまで、目安である点にご注意ください。
 
また、上記は建築費用のみの金額です。土地代が別途かかるため、土地を間借りする借地権ではなく購入して所有権を持つなら、費用はもっとかかるでしょう。
 
敷地面積のうち住宅で使っていい割合(建ぺい率)は平均で60%といわれており、仮に22坪の住宅を建てるなら、およそ36坪以上の土地を購入しなければなりません。例えば、坪単価36万円の土地の場合、36坪の土地代だけで1296万円かかります。
 
建築費用と合わせると、合計金額は2616万円です。もしも老後の趣味として敷地内で広い畑や庭を造るなら、坪数はもっと必要でしょう。場合によっては3000万円以上の費用も視野に入ります。
 

延床面積が同じなら2階建てより平屋のほうが費用は高い傾向

平屋は、2階建ての住宅よりも費用が高いといわれます。その理由の一つに挙げられるのが、前述の必要な土地の面積です。2階建てなら狭い敷地面積でも上と下に部屋を設けられますが、平屋ではそれができません。ゆえに、広い敷地が必要になるため、土地代が多くかかってしまいます。
 
また、平屋は建築費用においても屋根や基礎の面積が大きくなるため、2階建てよりも材料費がかかります。そのため、建築時の工事費用も高くなるでしょう。
 

高齢者に平屋がおすすめの理由

通常の2階建て住居より費用のかかる平屋ですが、平屋には定年後の高齢者生活にうれしい特徴が数多く存在します。高齢者に平屋がおすすめである理由は、以下の通りです。
 

バリアフリー

第1に挙げられるのが、バリアフリー性能の高さです。全体が平面で作られる平屋は、高齢者にとってつらい2階への昇り降りがありません。体力の衰えとともに1階のみで過ごす家庭も珍しくないため、将来2階を使わなくなるなら平屋にしたほうがよいといえるでしょう。
 
また、平屋はワンフロアにすべての部屋や機能が備わっている分、自宅内の動線がシンプルです。コンパクトな動きで生活できるため、余計な体力を使わずに済みます。
 

地震に強い

第2に挙げられるのが、耐震性能です。平屋は2階部分を1階が支える構造になっていないため、万が一大きな地震がきたとしても倒壊の可能性は低いといえます。また下に広がる構造をしている分、強風の影響も受けにくい点も魅力です。
 

退職金で平屋は建てられる?

厚生労働省が毎年実施する「令和5年就労条件総合調査」によると、大学・大学院卒の退職金の平均額は1896万円でした。
 
仮に平屋の建築費用が前述通りの2616万円なら、730万円足りない計算です。坪数や建築費用を抑えれば1896万円以内に収まる可能性もありますが、平均通りの退職金のみで平屋を建築するのは難しいでしょう。ただし、夫婦共働きで両方に退職金がある場合は別です。
 

定年退職後の住宅購入は老後の資金も考慮しよう

ある程度貯蓄していれば、単独の退職金にプラスして平屋を建てることは可能ですが、老後は収入が年金のみとなるため、貯蓄の扱いには注意しなければなりません。また年齢的にローンを組むのは難しいと予想されるため、購入するには現金一括払いを選択しなければならないでしょう。
 
老後は病気や介護のリスクもあがるため、万が一のとき貯蓄を用意しておく必要があります。住宅を建てる際は、費用を払った後の貯蓄額と年金で十分暮らしていけるか、しっかりとシミュレーションしましょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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