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医学部を卒業した息子。高年収だと思いきや「ポスドクだからまだまだ」らしい…とはいっても会社員より年収は高いですよね?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月25日 2時30分

医学部を卒業した息子。高年収だと思いきや「ポスドクだからまだまだ」らしい…とはいっても会社員より年収は高いですよね?

博士号を取得し、大学などで研究を続ける「ポスドク」と呼ばれる研究者がいます。ポスドクは正規のポストではないため、不安定な立場で研究を続けなければならないようです。   正規のポストは限られているにもかかわらず、ポスドクの数が増加していることや、契約が短期であることが多く、次の契約をすぐに探さなければならないことが多いなど、ポスドクには課題もあります。   今回はポスドクについて、概要と収入面、について調べてみました。

ポスドク(ポストドクター)とは?

ポスドクとは「博士研究員」とも呼ばれる研究者のことです。正規のポストではなく博士号取得後の一時的な職位で、期限付きで大学や研究機関で研究を行います。
 
ポスドクの任期は、1年~5年程度とさまざまで、研究の進行状況やプロジェクトによってはさらに長期になることもあります。ポスドク期間は、大学教授や企業の研究職のキャリアを積んでいくために、研究能力を高める重要な機会です。
 
博士号を取得した後、大学に残ってキャリアアップする場合、講師となって講義を行い、助教、准教授を経て教授を目指すというコースが一般的です。しかし、ポスドクはこうしたコースを選択せず、研究を続ける職位とみていいでしょう。
 
ポスドクと講師や助教との違いは、研究に加えて講義も行うか、行わないかにあります。
 

ポスドクの収入はどのぐらい?

文部科学省による「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2021年度実績)」(2024年公表)によると、ポスドクの収入(月額)は、35万円以上40万円未満が16.8%、30万円以上35万円未満が16.4%、15万円未満が12.2%で「給与なし」の回答も16.9%ありました。
 
この回答から年収を計算すると、年収360万円~480万円前後のポスドクが全体の3割程度を占めていることが分かります。また、ポスドクにはボーナスがないことも少なくないようです。
 
「令和5年賃金構造基本統計調査」による年代別の平均年収を見てみると、大学院卒の25歳~29歳の平均月収は34万1800円であり、年収にすると約410万円、ボーナスを含めると約510万円です。
 
この結果を見る限り、ポスドクで仮に月収が30万円台の場合、大学院卒の同年代の平均収入よりも低めであるといえるでしょう。
 
また、同調査による25歳~29歳全体の平均月収は28万9800円で、年収にすると約348万円、ボーナスを含めると約414万円です。大学院卒に限らず、同年代の年収と比較すると同程度といえます。
 

ポスドク問題とは

「ポスドク問題」とは、ポスドクが期限付きで不安定な雇用形態であることが多い現状を指します。前述にある文部科学省の同調査によると、ポスドクの任期は、1年未満、あるいは1年と短いことが多い結果でした。契約期間が終了すると再度職を探さなければならないでしょう。
 
大学や研究機関の正規のポストは限られており、多くの博士課程修了者がポスドクとなっていることが問題視されています。
 

ポスドクの年収は会社員の平均と比較すると高いとは言い切れないが、研究活動として重要な期間

ポスドクの収入は、同世代の平均と比較すると同じくらいで、大学院卒の同年代の平均と比べると低いことがめずらしくありません。ポスドクの現状は決して恵まれたものではなく、ポスドクの雇用の不安定さや待遇の悪さなどが課題となっています。ポスドク問題の解決には、多方面からのアプローチが必要です。
 
しかし、将来的なキャリアの可能性を考えると、ポスドクの期間は研究者として重要な投資の時期であり、研究実績を積んで最終的にはより高い地位や収入につながる可能性があります。
博士号を持つ研究者として大学教授や研究所の上級職などに就く可能性があり、その場合は高収入が期待できます。長期的な視点で見ることが大切だといえるでしょう。
 

出典

文部科学省 ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2021年度実績)(10、14ページ)
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 表番号1
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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