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27歳の会社員です。地方公務員なら「退職金も多く老後が安泰」と聞き、転職したいのですが、退職金ってどれくらいですか? ほかに地方公務員になる“メリット・デメリット”はあるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月26日 2時30分

27歳の会社員です。地方公務員なら「退職金も多く老後が安泰」と聞き、転職したいのですが、退職金ってどれくらいですか? ほかに地方公務員になる“メリット・デメリット”はあるでしょうか?

会社員として民間企業で働き始めてしばらくたつと、給与などの条件が気になり、「地方公務員は退職金が多い」といった情報を聞いて、転職したいと考える人もいるのではないでしょうか。   そこで本記事では、地方公務員の退職金の支給額や、退職金以外のメリット・デメリットを解説します。元地方公務員である筆者の体験談を交えてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

地方公務員は退職金をどれくらいもらっているのか?

地方公務員の退職金は、実際にどれくらい支給されているのか、総務省が公表している「給与・定員等の調査結果等」で見てみましょう。
 
調査結果を見ると、図表1のとおり、都道府県職員の場合、令和4年度の60歳定年退職者において、退職金受給額は概ね2100万円から2200万円程度です。政令指定都市についても同様の金額であり、東京・大阪といった都市圏と地方圏を比べても大きな差はありません。
 
図表1

全職種 一般行政職職員
自治体名 全退職者の平均支給額 60歳定年退職者の
平均支給額
全退職者の平均支給額 60歳定年退職者の
平均支給額
秋田県 1511万3000円 2173万2000円 1873万8000円 2180万4000円
東京都 1023万1000円 2218万5000円 1228万3000円 2273万1000円
大阪府 1071万1000円 2179万4000円 1650万円 2204万6000円
宮崎県 1290万3000円 2187万9000円 1513万8000円 2145万3000円
札幌市 1375万7000円 2146万3000円 1560万9000円 2234万4000円
福岡市 1166万2000円 2175万4000円 1661万3000円 2259万6000円

自治体ごとの退職手当支給状況 総務省 給与・定員等の調査結果等 退職手当の支給状況より抜粋
 
このように地方公務員は、定年まで勤めるなど長く働き続ければ、民間の大企業と同程度となる2000万円以上の退職金を受給可能です。勤続年数などによって受給額が変わるため一概には言えませんが、多額の退職金を老後資金として活用できるのは、地方公務員に転職するメリットの1つと考えられます。
 

退職金以外に、地方公務員になるメリット・デメリットは?

退職金以外に、地方公務員になるメリット・デメリットは何でしょうか。それぞれについて元地方公務員だった筆者の所見もふまえて解説します。
 

地方公務員になるメリット

地方公務員になる最大のメリットは、何と言っても経済的な生活基盤の安定です。民間の大企業には劣るかもしれませんが、地方公務員の給与やボーナスは安定しており、とくに地方圏で働く人の中では高い給与水準と言えるでしょう。また、失業のリスクはほとんどなく、飲酒運転などの不祥事を起こさない限り、解雇されることはほぼありません。
 
福利厚生も手厚く、さまざまな制度が整っています。例えば、産休・育休制度などは共働きの家庭には魅力的だと思います。さらに勤務地域が限られる点もメリットと言えます。
 
市区町村、政令指定都市、離島がなく県土の小さい都道府県の職員などは、転勤時も引っ越しの必要がほぼないでしょう。また、社会的な信用度が高く、例えば住宅ローンなどの借り入れを、比較的簡単にできる点もメリットの1つです。
 

地方公務員になるデメリット

一方で、昇進・昇給などは、比較的年功序列が根強く、デメリットに感じる人もいるでしょう。昇進に関しては「20代でいきなり課長になる」といったことはほとんどなく、昇給も若い頃は勤務年数による部分が多いため、どんなに優秀でも給与が一気に上がることはないでしょう。
 
また、何かと民間企業以上に批判の対象になったり、クレーム対応を強いられたりすることも少なくありません。職員個人にも「職務専念義務」があるため、副業ができないなど、民間企業以上に色んな制約があります。
 
仕事の内容を見ても、公務の性質上、予算執行にも手続きや制約が多く、民間企業と比べるとスピード感は劣ります。執行後の監査など事後の作業もあり、手間がかかると感じることも多いでしょう。
 

筆者の経験から

上記のメリット・デメリット以外に、筆者が在職時に感じていたのは、重要な仕事を数多くこなしている人と、あまり仕事をしていない人でも、処遇に大きな差がないということです。
 
民間企業でも、多かれ少なかれあることかもしれませんが、逆に優秀な職員ほど負担は大きい印象がありました。いい意味でも悪い意味でも「身分が保障されている」公務員であるがゆえに、起こりがちな現象かもしれませんが、そのことに不満を抱く職員も多かったように記憶しています。
 
また「公務員はノルマがなくて仕事が楽」といったイメージを持っている人もいることでしょう。しかし、現在は年々求められることが多様化するとともに、職場環境も厳しさを増しており、「仕事が楽だろう」といった理由で地方公務員を目指すのは、あまりお勧めできません。
 

まとめ

地方公務員は、2000万円規模の退職金に加え、失業の心配がないことや、安定した処遇、充実した福利厚生などが大きな魅力です。一方で、民間企業との比較では、年功序列の色合いが強く、公務員であるがゆえの業務や制約も数多く存在します。
 
ただ、個々人のライフスタイルや働き方によって、何をメリットやデメリットに感じるかには違いがあるでしょう。地方公務員への転職を考える場合は、できれば実際に勤めている人に話を聞いて、地方公務員の特性もふまえながら検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

総務省 総務省 給与・定員等の調査結果等
 
執筆者:松尾知真
FP2級

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