家族が集まるお正月! だからこそ話し合っておきたい【親の今後について】
ファイナンシャルフィールド / 2018年12月27日 23時0分
![家族が集まるお正月! だからこそ話し合っておきたい【親の今後について】](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_31935_0-small.jpg)
年末年始を迎えると、実家に帰省することが多くなります。そのときに、普段はなかなか話せない介護や相続について、親戚一同、団らんしながら話してみるのは、親にとっても子どもにとっても意味のあることです。
口に出す勇気がなく、切り出し方がわかりません
日本人にとってお金の話はタブー視される傾向にあります。特に、子どもから親にお金の話(介護や相続の話を含む)をするのは無理難題です。では、どのような切り出し方が良いのか。やはり親戚が集まる年末年始やお盆の時期というのが、一番切り出しやすいタイミングです。
親戚が集まり「年を取った」「最近体調が良くない」「今年初めて手術をした」といった会話が出ることがあります。そのときがチャンスです。「ところでお金の準備ってできているの?」「介護費用とか葬儀費用とか、結構かかるらしいよ」といった感じで切り出します。
親に気づいてもらうことが大切です
親にお金の話をする前に、事前の準備は必要です。その準備とは、「あなたが不安に思っていることの整理」です。不安のひとつは、「親はお金を残しているのか」ではないでしょうか。
公益財団法人生命保険文化センターによると、老後に必要なお金について、具体的な金額が記されていました。
・老後の最低日常生活費の月額平均は22.0万円
・老後のゆとりある生活費の月額平均は34.9万円
・介護費用の一時的な費用の平均は69万円
・介護費用の月額費用の平均は7.8万円
こういった具体的な金額を提示し、そのために親はお金を残しているのか、という確認をするのもひとつの手です。それにより、親自身も現状の預貯金額と必要な金額の確認ができます。つまり、親に具体的な金額の「気づき」を与えるのです。
延命措置をするかしないかという親の意思確認があなたに安らぎを与える
お金の話ができれば、その流れで確認しておきたいことがあります。「延命措置をするかしないか」です。
延命措置とは、快復の見込みがなく死期の迫った患者に、人工呼吸器や心肺蘇生装置をつけたり、点滴で栄養補給をするなどして、生命を維持する治療をすることです。
この措置をするかしないかの確認を、親が元気なうちにしてください。「もしこのような状況になったとき、この措置をとってもらいたいか」と。そして「子どもである私に親の命の最期を決めさせないで」とも、言ってください。
親が万一の状況になったとき、あなたは医者から「延命措置はされますか」と聞かれます。なぜなら、その時点で親が意思表示をできないからです。そうなったとき、あなたは親の命を延ばすか延ばさないかの選択を迫られます。
親の意思を聞いていれば、親が「○○だと言っていたので、○○でお願いします」と答えられます。なにより、あなた自身が親の命の最期を決めたのではない、という安らぎにもつながります。
そのためにも、親に自分の命の最期をどうして欲しいのか、延命措置をしてほしいのかの確認はしておきましょう。
財産に対する親の思いに耳を傾ける
こうした話をしていくと、親の思いが聞けます。
例えば、
「この家は○○に継いでほしい」
「この家を○○にあげたいから□□にはこの預貯金をもらってほしい」
「お墓はいらない」
「お葬式は家族だけでやって」
「財産はないけど子どもらでケンカしないで」
などです。
こうした話を親戚が集まっているときにすることで、親戚が納得したうえで財産分与の話を進めることができます。また、相続の際に起こりがちな争いを避けるための第一歩を踏み出すことができるのです
家族会議のすすめ
親とお金の話をするのは勇気がいります。
しかし、ダブルケア(育児と介護の同時進行)が叫ばれているなか、お金の話を避けて通ることは、あなた自身の生活を苦しめることにもつながります。それはつまり、あなた自身の将来のお金に関する計画が狂うことを意味します。
帰省時、親と会うときは楽しい話をするのはもちろんですが、話しにくい話題を避けることなく、まじめに話すことも大切です。
出典
公益財団法人生命保険文化センター:平成28年度「生活保障に関する調査」速報版PDFファイル
平成30年度「生命保険に関する全国実態調査(速報版)」
Text:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
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