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親から「仕事を辞めるので扶養に入れてほしい」と連絡が。親とは一緒に暮らしていないのですが、扶養に入れることはできるのでしょうか?条件やメリットデメリットを教えてください。

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月31日 1時0分

親から「仕事を辞めるので扶養に入れてほしい」と連絡が。親とは一緒に暮らしていないのですが、扶養に入れることはできるのでしょうか?条件やメリットデメリットを教えてください。

日本では少子高齢化に伴い、全人口のうち高齢者が占める割合は増えてきています。   そのような中、親御さんから「仕事を辞めるので扶養に入れてほしい」と相談があったとのこと。突然のことで驚かれたかもしれませんね。親と同居していなくても扶養に入れることは可能ですが、いくつかの条件や注意点があります。   そこで今回は、親を扶養家族にする場合、どのようなメリットやデメリットがあるかを紹介します。扶養家族にする条件や、覚えておきたい注意点についても、確認していきましょう。

親を扶養家族にするメリット・デメリット

親を自分の扶養家族にすると、大きく分けて2つのメリットがあります。
 

<親を扶養家族にするメリット>

・扶養者(子ども)の税負担が軽くなる
・親の健康保険料の負担がなくなることがある

 
親を扶養に入れて、生計を一にした場合 、扶養者(この場合は子ども)の所得税や住民税の負担が軽くなります。例えば、所得税の控除額は、70歳以上の同居老親等の場合、58万円です。
 
また、加入している保険組合によっては、親が今支払っている健康保険の保険料を節約できることがあります。そして親は、自分で保険料を支払わなくても、保険給付を受けることが可能となります。
 

<親を扶養家族にするデメリット>

・生計を一にすることで、出費が増え、家計負担が大きくなることがある
・親の高額療養費制度の自己負担額が増える可能性がある
・介護保険料の負担が増える可能性がある

 
親を扶養家族にするためには、生計を一にする必要があります。単純に「親を1人養うには、食費などの生活費が必要となるので負担が増える」と考えられます。
 
また高額療養費制度は、扶養者(この場合は子ども)の収入が基準となるので、親の高額療養費がアップする可能性があります。また、介護保険料も世帯年収の額で決まるので、金額が増えてしまうことがあります。
 
このように、親を扶養家族にすると、メリット以上に負担が大きくなる可能性があることを覚えておきましょう。
 

親を扶養家族にするためには

親を扶養家族にする場合、いくつかの条件を満たす必要があります。
 
まず、前述のとおり親と生計を一にしている必要があります。また、親の所得や年齢に注意しましょう。税法上と健康保険上 で、「扶養家族」とする条件が異なります。
 

<税法上の条件>

・親と生計を一にしている
・親の合計所得金額 が48万円以下(給与のみの収入で103万円以下、年金収入は65歳未満で108万円以下、65歳以上で158万円以下)
・親が青色申告者の事業専従者として給与をもらっていない、白色申告者の事業専従者でない

 

<健康保険上の条件>協会けんぽの場合

・被保険者の収入で暮らす親で、75歳未満
同居の場合:
親の年収130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)で、被保険者の年収の2分の1未満(収入が被保険者の収入の半分以上でも認められることがある)
別居の場合:
親の年収130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)で、被保険者の仕送り額より少ない

 
つまり、税法上と健康保険上、両方の扶養に入れるためには、以下の条件を満たす必要があります。
 

<税法上と健康保険上の両方の扶養に入るための条件>

親の年齢:75歳未満
親の年収:108万円以下(65歳未満の場合)、130万円未満(65歳以上の場合)

 
そして、親を扶養家族にするためには、扶養者(この場合は子ども)が勤めている会社に申請するなどの手続きが必要となります。
 

まとめ

親を扶養に入れることは、経済的なサポートだけでなく、精神的な支えにもなります。また、税金や健康保険の保険料が節約できる可能性があります。
 
すでに、親と生計を一にしている方や、仕送りをしている方は、扶養家族にしたほうがお得かもしれません。今回紹介した内容を参考にしながら、自分たちは条件を満たすことができるのか、デメリットは大きくないか、などのことを確認し、親を扶養家族にすることを検討してみましょう。
 

出典

国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 高齢者と税(年金と税)
全国健康保険協会 協会けんぽ 被扶養者とは?
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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