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「月の途中」から”派遣社員”として働くと手取りが少なくなる!?「月収20万円」で入社した場合どうなる?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月4日 4時10分

「月の途中」から”派遣社員”として働くと手取りが少なくなる!?「月収20万円」で入社した場合どうなる?

派遣社員として働いている方のなかには、月初めではなく月の途中から入社するケースもあるでしょう。月の途中からだとその月の収入は固定給通りではなく、働いた日数に応じて受け取ることになります。   しかし、給料から引かれる社会保険料は月収を満額受け取ったときと大きな差がないケースも少なくありません。今回は、月の途中で入社したときの社会保険料についてご紹介します。

月途中から入社すると天引きされる割合が増える?

月の途中で入社したときに天引きされる割合が多い理由は、社会保険料が基本的に標準報酬月額を基に計算されるためです。
 
全国健康保険協会によると、「月給・週給など一定の期間によって定められている報酬については、その報酬の額を月額に換算した額」とされています。そのため、月の途中で入社しても基準額は固定給の金額です。
 
また、日本年金機構によると、月途中から入社したケースでも、厚生年金保険の資格を有した月から1ヶ月単位で保険料が発生します。健康保険料も同様で、その月に何日働いたかは関係なく、1ヶ月分の支払いが必要です。そのため、働いた日数によっては、手取りがほとんどない可能性もあります。
 
ただし、雇用保険料は例外です。厚生労働省大阪労働局によれば、雇用保険料は労働者へ支払う賃金を基に計算するため、月の途中で入社した場合は実際に受け取った金額によって保険料が変わります。
 

月収20万円で入社したときの社会保険料の差

今回は、以下の条件で月の初めに入社した場合と月の途中で入社した場合の差を求めましょう。

●月収20万円
●賞与はない
●ほかの諸手当も考慮しない
●東京都在住の22歳
●健康保険は協会けんぽ
●月の所定労働日数を22日とし、月の途中で入社した場合の入社月の勤務日数は7日間
●厚生労働省「令和6年度の雇用保険料率」より、雇用保険料率は6/1000

なお、賞与はないため、標準報酬月額は20万円です。また、22歳なので介護保険料は発生しません。
 

月の初めから入社した場合

協会けんぽに加入している場合、「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」より、標準報酬月額が20万円だと健康保険料は月に9980円、厚生年金保険料は月に1万8300円です。雇用保険料も1ヶ月分なので「20万円×6/1000」となり月に1200円なので、社会保険料を合計2万9480円支払う必要があります。
 
給料から社会保険料を引くと、残額は「20万円-2万9480円」で17万520円です。
 

月の途中で入社した場合

条件の通りだと、健康保険料と厚生年金保険料の合計は月の最初に入ったときと変わらず合計2万8280円です。
 
しかし、雇用保険料は支払ってもらった給料を求める必要があります。所定労働日数22日のうち7日間働いたときの支払額は「20万円×7日/22日」となり、月の途中で入社したときの給料は約6万3600円です。
 
この金額から雇用保険料を求めると「6万3600円×6/1000」で約382円になります。健康保険料および厚生年金保険料と合計すると、2万8662円です。
 
支払われる給料から社会保険料を引くと、残額は「6万3600円-2万8662円」で約3万4938円の計算になります。
 
さらに、給料からは所得税や住民税も引かれます。前年度や当月の所得に応じて変動し、実際の手取り額は異なるため注意が必要です。
 

社会保険料の多くは月の途中入社でも1ヶ月単位で計算される

社会保険料は、雇用保険料を除いて入社した月に働いた日数とは関係なく保険料が決められます。もし月の後半などでその月に働いた日数が少ないと、収入に対して社会保険料が多く天引きされるケースもあるでしょう。
 
特に、固定給が高い職場で月の途中から入社すると、標準報酬月額が高くなるため引かれる社会保険料額がかなり多くなる可能性もあります。もし可能であれば、入社日を月の初めにしておいたほうが収入に対して引かれる割合も低くなるでしょう。月の途中から入社となる場合、派遣元の会社と入社日の相談をしてみるのがおすすめです。
 

出典

全国健康保険協会ホームページ
日本年金機構 年金Q&A(厚生年金の加入(被保険者)) 月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。
厚生労働省OSAKA 大阪労働局 労働保険料の計算方法
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク 令和6年度の雇用保険料率について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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