「友達のFPに保険の見直しは年末年始が一番!と言われたが本当?嘘?」
ファイナンシャルフィールド / 2018年12月30日 3時0分
![「友達のFPに保険の見直しは年末年始が一番!と言われたが本当?嘘?」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_32157_0-small.jpg)
万が一の時に役に立つのが保険です。しかし、自分や家族がどんな保険に加入しているのか理解していない方が多くいらっしゃいます。 時期を決めて定期的に保険の確認と見直しをするのは、出費を抑えるうえでも有効です。とくに、年末年始は効果的に保険の見直しができる時期です。
生命保険料控除証明書を活用
年末年始になると話題になる、年末調整と確定申告。
その際、提出書類に必要事項を記入して添付すると、税金の控除を受けられるのが「生命保険料控除証明書」です。
毎年10月くらいに、各保険会社や共済組合から郵送されます。多くの場合、9月までに支払い済みの保険料総額と、12月まで支払った場合の年間保険料予定額が記載されています。
保険料は自動引き落としなどでなんとなく支払うことが多いため、年末調整の際に各保険会社に支払っている生命保険料の総額を計算してみて、「こんなに払っているけれども無駄はないのでしょうか」と、保険の見直しを相談しにいらっしゃる方が多くいます。
年末の喪中ハガキや里帰りでリスクを知る
年末にかけて、喪中ハガキが届く年もあるでしょう。それを見て、友人知人の家族がその年に亡くなっていた事実を知ることもあると思います。
葬儀に出席した場合でも、喪中ハガキが届いて、改めて人の死について考えたという方もいるかもしれません。年末年始に里帰りして、親から「小学校で同級生だった〇〇君のお父さん亡くなったのよ」といった話を聞くこともあるでしょう。
死亡時に役に立つ生命保険の必要性についてはまたの機会に譲って、今回は医療保険について考えてみたいと思います。
今の日本人はどのくらいの日数、入院をしているのでしょうか。厚生労働省の調査によると、入院日数は短期化しています。
平成2年には病院で47.4日、一般診療所で28.2日だったのが、24年後の平成26年には病院で33.2日、一般診療所で17.4日となっています。24年でいずれも10日以上短期化しているのです。
これはあくまで平均化されたデータですが、身近に人生を終えた方がいたとしたら、考えてみてください。その方はどのような入院をしていたでしょうか。長期間入院していたのか、それとも短期間だったのか。
何歳までに何回くらい入院したか、合計何日くらいの入院だったか、手術はしたのか、想像も合わせながらで構いません。
もし自分が加入している医療保険にその人が加入していたら、いくらの保険金を受け取れたのか計算してみてください。そしてそれが、生涯で支払うであろう保険料の合計額に見合ったものかを考えてみてください。きっと、保険の見直しをしたくなるでしょう。
もし身近に亡くなった方がいなかったとしても、年末にかけて各メディアでよく「今年亡くなった有名人」の特集が組まれます。その方たちの闘病生活を知り、自分が加入している医療保険なら、どのくらい保険金が支払われたのかを考えてみてもいいでしょう。
年内に解約等をした保険契約は要注意
このように年末年始は保険を見直すのに良いタイミングなのですが、注意が必要です。
保険料を減らすために11月や12月に解約、減額をした場合、タイミングによっては一旦支払った保険料が後日返金されます。
解約後の保険の効力がない期間についての保険料は、生命保険料控除の対象になりません。そのため、すでに年間保険料予定額として12月まで支払った前提で生命保険料控除額を算出し年末調整をしている場合は、数字を修正する必要があります。
勤務先が修正に応じてくれればいいですが、事務手続きの都合上受け付けてくれない可能性もあります。その場合は自分で確定申告をして、未納税額が生じた場合は納税しなくてはいけません。年末にかけての保険解約は思わぬ手間が生じる可能性がありますので注意が必要です。
年末にかけて生命保険料控除証明書、実際の闘病ケースを参考に、保険をじっくり見直してみましょう。そして、年始になったらすぐに新たな保険契約や解約手続きをする。
これがもっとも手間がかからずにすむ賢いやり方です。
参照・出典
厚生労働省:平成26年患者調査の概況(退院患者の平均在院日数等)
Text:西村和敏(にしむらかずとし)
ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
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