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父が「退職金をもらったら、すぐ新NISAに預ける」と言っています。2000万円も投資すれば、結構増えますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月6日 8時0分

父が「退職金をもらったら、すぐ新NISAに預ける」と言っています。2000万円も投資すれば、結構増えますか?

「退職金をもらったら、NISA口座で資産運用をしよう」とお考えの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。NISA口座で得た利益は非課税になるため、この制度を活用しようと思われることは、自然な流れだと思います。   本記事では、退職金2000万円をNISA口座で運用しようと考えている方を想定して、利益のシミュレーションと、退職金をNISA口座で運用するときの注意点について解説します。近い将来、退職金を受け取る予定の方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。

NISAには年間投資枠や非課税保有限度額がある

NISAには、「年間投資枠」が設定されています。年間投資枠とは、1年間で投資できる限度額のことです。NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、それぞれの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。
 
つみたて投資枠と成長投資枠は併用できますが、それでも合計の年間投資枠の上限は360万円です。
 
したがって、1年目に投資できるのは360万円までとなり、2年目も360万円まで、3年目も360万円までとなります。つまり、退職金2000万円を受け取って、すぐNISA口座に預けたとしても、初年に2000万円全額を運用することはできないということです。
 
また、NISAには非課税保有限度額が設定されており、投資できるのは総枠(つみたて投資枠と成長投資枠の合計額)で1800万円まで(このうち、成長投資枠で投資できるのは1200万円まで)です。つまり、退職金2000万円のうち、総枠の1800万円を超える200万円については、NISA口座で運用することができません。
 
退職金2000万円をNISAに預けるとした場合、この年間投資枠と非課税保有限度額をどう使うかを検討する必要があります。例えば、「つみたて投資枠と成長投資枠を利用して、毎年360万円ずつ、5年間かけて1800万円を投資する」というプランもあれば、「つみたて投資枠のみを利用して、毎年120万円ずつ、15年間かけて1800万円を投資する」というプランもあります。
 
どのようなプランにするのか、また、どのような商品で運用するのかは、投資する方の投資の目的やリスク許容度によって異なります。
 

つみたて投資枠で利率(年率)1%、成長投資枠で利率(年率)2%の複利運用ができれば5年間で61万円増える

以下で、先述の「つみたて投資枠と成長投資枠を利用して、毎年360万円ずつ、5年間かけて1800万円を投資する」プランについて、運用成果をシミュレーションしてみます。条件として、つみたて投資枠では利率(年率)1%、成長投資枠では利率(年率)2%で複利運用できたと仮定します。
 
このシミュレーションを行うに当たり、「年金終価係数」という係数を使って計算します。つみたて投資枠のシミュレーションに使う年金終価係数は「5.101」、成長投資枠のシミュレーションに使う年金終価係数は「5.204」です。
 
すると、5年間の運用成果は、以下のようになります(年利率はつみたて投資枠1%、成長投資枠2%)。


・つみたて投資枠:612万1200円(=120万円×5.101)
・成長投資枠:1248万9600円(=240万円×5.204)

その結果、合計金額は1861万800円となり、5年間で61万800円増えたことになります。ただし、この結果はあくまでシミュレーションです。
 
投資にはリスクが伴うため、資金が増えることもあれば減ることもあります。利率(年率)を高くしてシミュレーションすれば、当然、増える金額は大きくなりますが、反面、リスクも大きくなるという点には注意が必要です。
 
退職金は、一般に、老後資金に充てられます。このため、退職金を運用する際は、安全性や流動性(換金のしやすさ)を重視し、収益性はあまり求めないほうが無難です。
 

まとめ

本記事では、退職金2000万円をNISA口座で運用しようと考えている方を想定して、利益のシミュレーションと、退職金をNISA口座で運用するときの注意点について解説しました。
 
NISAには、年間投資枠や非課税保有限度額が設定されており、それに基づいて運用しなければなりません。例えば、年間投資枠は、つみたて投資枠なら120万円まで、成長投資枠なら240万円までと決められています。非課税保有限度額は1800万円(このうち、成長投資枠は1200円)までと決められています。
 
退職金を上手に運用できれば、老後の生活は楽になるでしょう。しかし、投資にはリスクが伴います。本記事でのシミュレーションは、つみたて投資枠が利率(年率)1%、成長投資枠が利率(年率)2%を想定しましたが、必ずしも資金が増えるとは限りません。
 
退職金は、老後資金に充てることが想定されます。リスクを取って目減りしてしまっては元も子もありません。退職金の運用については、どのくらいのリスクに耐えられるのかも考慮して、行っていただきたいと思います。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブ
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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