あなたの家のバランスシートを年に1回は見直した方がいい理由
ファイナンシャルフィールド / 2018年12月30日 10時30分
![あなたの家のバランスシートを年に1回は見直した方がいい理由](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_32207_0-small.jpg)
年末年始は大掃除や帰省など慌ただしい時期ではありますが、家計のバランスシートを見直すのにもちょうどいい時期です。 普段から家計簿をつけている人は、その成果をバランスシートで総点検することができますし、つけていない人でもバランスシートを作ってみることで、家計の状況を知ることができます。 改めて、バランスシートがどのようなものであるか見ていきたいと思います。
バランスシートとは
バランスシートとは、会社で使われている財務諸表のひとつで「貸借対照表」と呼ばれているものです。これは決算書の一部でもあり、会社のある時点の「資産」と「負債」を確認して、会社の安全性、健全性を見ることができます。
これを家計にも応用して、ある時点での家計状況を知り、我が家の家計の安全性、健全性を見ていきます。
下図がバランスシートの例です。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2018/12/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-31.jpg)
こちらのバランスシートは日本FP協会のホームページから、誰でもダウンロードして利用することができます。※
年末時点の資産と負債を洗い出し、シートに金額を記入していきます。(少なくとも年に1回なので、年末でなくでも3月末などでもかまいません。ただし、毎回同じ時期に見直すことが大切です)。
資産の欄の普通預金や定期預金などは、通帳の年末時点の数字を転記すれば問題ありません。ただし、株式や投資信託などの投資性商品、住宅などは、そのときに売れた場合の時価で計算します。貯蓄性のある保険であれば、その時点で解約した場合の解約返戻金で計算します。
株式や投資信託の時価、保険の解約返戻金は、証券会社や保険会社に問い合わせれば簡単に知ることができます。住宅の時価を調べるのは少しハードルが高いかもしれません。
しかし、概算数字であれば、土地・家屋の広さや形状、築年数、場所の情報を提供することで、付近の市場相場からだいたいの数字を、不動産会社によって教えてもらうことができます。
負債の欄の住宅ローンや自動車ローンなども、年末時点のローン残高に記入します。ローンの残高は返済表があれば、そこから知ることができると思いますが、手元に見つからないときはやはり各ローン会社に問い合わせして確認しましょう。
純資産は上記で洗い出した資産の合計から、負債の合計を引いた数字です。この純資産こそが、その時点での本当の資産と言えます。
バランスシートで家計の状況を見るポイント
バランスシートで家計の状況を見るポイントは以下の2つです。
(1)資産から負債を引いた純資産がプラスであるかどうか(安全性)
純資産がマイナスということは、その時点ですべての資産を売り払って負債(借金)の返済に充てても、まだ借金が残るということです。短期的な視点では、この純資産をプラスに維持できれば、少なくとも借金だけが残るという事態は避けられるかと思います。
(2)前年と比較して純資産が増えているかどうか(健全性)
純資産は、資産を増やすか負債を減らすこと、またはその両方で増えていきます。長期的な視点では、この純資産を増やしていくことが将来の生活の備え(老後資金など)のために重要なこととなります。そのために、少なくとも年に1度はバランスシートを見直し、前年と比べてその増減を確認することが大切です。
純資産を減らさないために
純資産が減るということは、資産が減ったか、負債が増えたということです。また、資産が増えていても、それ以上に負債が増えている場合は、純資産が減ることになります。
純資産が減ってしまう主なケースと、そうならないために見直しすべきポイントを、いくつか挙げてみます。
(1)貯蓄ができず、収支がマイナスで資産が減っている
見直しポイント → 毎月の支出が収入を上回っていないか。
抑えられる固定支出はないか。
(2)投資性商品の時価が下がり資産が減っている
見直しポイント → 資産全体に対する投資性商品の割合が高すぎないか。
価格変動の大きい商品へのリスクを取りすぎていないか。
(3)資産(例えば住宅)購入により資産は増えるが、ローンにより負債もそれ以上増える
見直しポイント → 新築住宅は購入した時点で価値が下がると言われているため、購入後に純資産がどれくらいマイナスとなっているか。資産購入にかかる手数料などの諸費用コストも考慮しているか。
(4)キャッシングにより負債が増えている
見直しポイント→教育費など将来のためのローンならともかく、資産を伴わない浪費のためのローンは負債しか残らない。そのようなローンで負債が増えていないか。
家計簿を日々つけて家計管理をすることは難しくても、年に一度くらいはバランスシートを作成して、家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか?
Text:小山 英斗(こやま ひでと)
CFP(日本FP協会認定会員)
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