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賃貸暮らしで老後を迎えます。年金では「家賃」の支払いがきついので、「都営住宅」への入居は可能でしょうか? 収入が“年金のみ”でも問題ありませんか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月9日 5時40分

賃貸暮らしで老後を迎えます。年金では「家賃」の支払いがきついので、「都営住宅」への入居は可能でしょうか? 収入が“年金のみ”でも問題ありませんか?

老後を迎えるにあたって、家計を支える収入源が年金だけとなると、家計に占める住居費の負担が大きく感じられるかもしれません。特に賃貸暮らしでは、家賃の支払いが年金生活に重くのしかかる場合もあります。そのような状況で、都営住宅への入居は一つの選択肢となり得るでしょう。   本記事では、都営住宅に関する基本情報や入居条件、年金生活者が入居可能かどうかについて解説します。

都営住宅とは? 公営住宅との違いは?

公営住宅法等に基づき、都道府県や市区町村などが整備し、管理、運営している低所得者向けの賃貸住宅を「公営住宅」といいます。そのうち、東京都が管理するものが「都営住宅」です。
 
都営住宅は、低所得者など住居確保に困っている人を対象としており、低額な家賃で借りられることが特徴です。その他、よく似ているものに「UR住宅」「公社住宅」などがあります。
 
それぞれ管理・運営の団体が異なっており、都市再生機構が運営するものがUR住宅、住宅供給公社が運営するものが公社住宅です。UR住宅、公社住宅はいずれも低所得向けではなく、高級物件も多く取り扱われています。
 

都営住宅の入居条件は?

都営住宅は希望すれば誰でも入居できるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。以下でそれぞれ見ていきましょう。なお、入居に際しては抽選で決定することがほとんどで、多くの住居で数倍から数十倍の倍率となるほど高い人気となっています。
 

東京都内に住んでいること

都営住宅は東京都が運営しているため、都内在住者以外は入居できません。単身の場合は、3年以上居住していることという条件もあります。そのため、他の地域に住んでいる人は、それぞれの道府県にある公営住宅を探すことになります。
 

所得が決められた基準に収まること

同居する家族の人数により、所得基準が決まっています。
 
例えば、単身であれば、年間の所得金額合計が189万6000円までである必要があります。また、二人家族だと227万6000円まで、三人家族は265万6000円までの範囲でなければなりません。
 
ただし、心身障害者を含む世帯、60歳以上の世帯、高校修了期までの子どもがいる世帯に該当する場合は、特別区分における判断となるため、単身なら256万8000円、二人家族だと294万8000円と、所得基準が緩和されます。
 
いずれも年金暮らしであれば、課税証明書で所得金額を確認することができます。
 

住宅に困っていること

現在、住宅を確保することが難しい状況であることが求められます。
 

申込者や同居者が暴力団員でないこと

申込者や同居親族が暴力団員でないことが求められます。なお、暴力団員であるかどうかの確認のため、警視庁へ照会する場合があります。
 

都営住宅の家賃は?

都営住宅の家賃は、民間の賃貸住宅と比べると低いです。その目安は、民間賃貸の2分の1~3分の1程度と言われていますが、実際には物件や収入によっても異なってきます。
 
なお、2016年の東京都住宅政策本部の発表資料によると、民間賃貸の平均家賃8万9600円と比べて、都営住宅の平均家賃は約2万3000円とかなり安いことが分かります。
 

年金生活者は都営住宅に入れる?

都営住宅は、収入の少ない方をサポートするための公営住宅です。入居条件を満たしていれば年金で生活している方も、もちろん入居が可能です。
 
現役時代に会社員だった方は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて、夫婦二人で平均月額23万483円が支給されます。年収にすると276万5796円となりますが、60歳以上は都営住宅入居の条件である所得基準が緩和されるため、標準的な年金収入であれば入居できる可能性が高いでしょう。
 
総務省時計局の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの世帯の平均的な住居費は1万6827円とされています。都営住宅の平均家賃約2万3000円よりもさらに低いことから、できるだけ住居費は抑えるようにしたいところです。固定費の中で多くを占めるのが住居費ですが、都営住宅に住み続けることができれば、無理なく長期的な節約につながります。
 

まとめ

老後の生活において、住居費を低く抑えることはとても大切です。年金生活を支えるために、低家賃で住める都営住宅は有効な選択肢となるでしょう。
 
ただし、都営住宅の入居には厳しい条件があり、倍率が高いことも念頭に置いておかなければなりません。民間の安い物件も同時に探しながら、自分に合った住まいを見つけることが重要です。
 

出典

JKK東京 都営住宅募集情報
東京都住宅政策本部 参考資料-2都営住宅の現状【資料集】(第1回企画部会配付資料)
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査報告家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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