「卵が50円安いから」と、妻が20km離れた“隣町”まで車で買い物に行きます。ガソリン代を考えるとむしろ「損」な気がしますが、実際どうなのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月10日 4時30分
物価高が続く昨今においては、少しでも日用品の購入費用を安く抑えたいという人は多いでしょう。「物価の優等生」と言われた卵も価格の上昇が続いており、2019年は1キログラム当たりの平均金額が173円だったのが、2022年は215円、2023年は306円、2024年は少し下がっているものの200円以上です(JA全農たまごM基準値 東京)。 物価高が続く中、少しでも食費を抑えようと、普通に買うよりも50円安い卵を求めて20キロメートル離れた隣町まで車で買い物に行くようなこともあるかもしれません。確かにリーズナブルですが、ガソリン代を考慮すると本当に得なのでしょうか? 本記事で解説します。
20キロメートル離れた隣町までの往復のガソリン代はいくらかかる?
20キロメートル離れた隣町までのガソリン代がいくらかかるのかは、ガソリン価格や燃費などによって異なりますが、今回の前提は次の通りとします。
●ガソリン価格:1リットル当たり174.5円(2024年8月26日時点のレギュラーガソリン代全国平均)
●燃費:20キロメートル/リットル
今回の前提において、1キロメートル走るのに必要なガソリン代は次の通りです。
174.5円÷20キロメートル=8.725円
隣町までは20キロメートルありますので、往復40キロメートルで計算すると、ガソリン代は349円必要です。卵を50円安く買うためのガソリン代が349円では、差し引きで301円の損になってしまいます。
20キロメートルの距離を運転するのには時間や手間もかかる
直接お金は出ていきませんが、隣町まで運転するのには時間や手間もかかります。そのため、この手間分も費用換算してみましょう。
往復40キロメートルを車で走った場合、信号の数や運転速度などにもよりますが、一般的には1時間程度はかかります。朝夕の通勤時間などの混雑時においては、さらに時間がかかる場合もあるでしょう。
厚生労働省によると、2023年度の最低賃金の全国平均は1004円です。そのため、運転する時間と手間を費用換算した場合、少なくとも1004円以上はかかると考えられます。卵50円のために片道20キロメートル離れた隣町まで車で行くのは、ガソリン代と卵の差以上に損をし得ると考えられるでしょう。
損だとしても無理やりやめさせる必要性はない
お金や手間を考えると、今回のケースでわざわざ車を運転するのは金銭的に損だと言えそうです。とはいえ、妻に無理やり隣町までの車による買い物をやめさせるのが良いかというと、必ずしもそうではありません。
確かにお金の面では損かもしれませんが、ドライブが趣味だったり、少しでも安く買い物をすることに対して幸せを感じていたりするかもしれません。ショッピングや旅行、推し活など、ほかにお金がかかる趣味は数多くあります。頻度も少ない隣町への買い物がストレス発散になるのであれば、ガソリン代はむしろ安いという考え方もできるでしょう。
また、もしかすると卵以外のお買い得品を効率的に購入し、今回のシミュレーションよりはガソリン代との価格差を埋めている可能性もあります。
妻の様子を窺いながら、隣町への買い物を楽しそうにしているのであれば、無理にやめさせずに好きにしてもらえば良いでしょう。
出典
JA全農たまご株式会社 相場情報
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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