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「老後2000万円」では足りないというのは本当ですか。 老後資金はどのように準備したらよいですか。

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月11日 8時0分

「老後2000万円」では足りないというのは本当ですか。 老後資金はどのように準備したらよいですか。

少し前に、「老後2000万円問題」が話題となりました。特に最近では、円安や物価高の影響を受けて、「老後に必要なお金はいくらくらいなのか」と不安に感じている方もいるかもしれません。今回は、自分に必要な老後資金の計算方法や、物価上昇と老後資金の関係について、詳しく紹介します。

老後に必要なお金の計算方法

2019年に金融庁が発表した資料に「老後資金として2000万円の貯蓄が必要」という内容が掲載されました。これが、「老後2000万円問題」です。しかし、実際に老後に必要となるお金は、人によって大きく異なります。
 
例えば、老後は現役時代よりも倹約し、無駄なお金を使わないように生活すれば、2000万円貯蓄がなくてもよいケースもあります。一方で、「老後は旅行に出掛けたい」「趣味を楽しみたい」などお金を使う予定がある方や、「食事や住居など日ごろの生活水準を落としたくない」と考えている方は、2000万円では足りなくなる可能性があります。
 
ここでは、具体的に必要となる老後資金の計算方法を確認していきましょう。計算に必要となる数字は、「老後の毎月の支出額」と「もらえる毎月の年金額」です。
 

<老後に倹約生活を送る場合>

毎月の支出額:22万円
もらえる年金額:20万円
→必要な貯蓄額:720万円

 
この場合、老後は毎月2万円の赤字となります。月2万円を切り崩す場合、30年間で720万円(2万円×12ヶ月×30年)の貯蓄が必要です。
 

<老後に趣味や旅行を楽しみたい場合>

毎月の支出額 :40万円
もらえる年金額:20万円
→必要な貯蓄額:7200万円

 
この場合、老後は毎月20万円の赤字となるため、貯蓄を大きく切り崩す必要があります。月20万円を切り崩す場合、30年間で7200万円(20万円×12ヶ月×30年)の貯蓄が必要です。
 
倹約生活を送る場合と、経済的に豊かな老後を送る場合とで比較すると、必要なお金が大きく違うことが分かります。
 
老後に2000万円の貯蓄をするというのは、ひとつの参考金額です。必要となるお金は人によって大きく異なるので、自分たちが老後にどのような生活を送りたいのか、また、必要となるお金はいくらなのか、事前に確認しておくことが大切です。
 

物価が上がると、必要なお金はいくらになる?

ここ数年、日本では物価が大きく上がっています。このまま物価高が続くと、必要となる老後資金も増えるのではないかと、心配になっている方もいるかもしれません。
 
例えば、2024年5月の物価を見てみましょう。2020年の物価を100とした場合、2024年5月の物価は108.1となっており、約4年の間に、8.1%も物価が上がったことになります。2020年に毎月20万円で生活していた人は、同じ生活を送るために、今は約1万6000円も多くかかります。つまり、物価が上がれば、必要になる老後資金も上昇します。
 
この物価上昇リスク(インフレリスク)に対応するためには、資産運用が有効です。お金をタンス預金として現金で持っていたり、普通預金の口座にお金を預けたままにしておいたりすると、物価上昇に追い付けません。
 
物価上昇と同じか、それ以上にお金を殖やしていくために、資産運用を行いましょう。リスクが比較的少ない投資信託などでよいので、老後資金をためながら殖やしていくことが大切です。
 

まとめ

自分たちの老後にはいくらお金が必要か、事前に計算して把握しておくと、お金に対する漠然とした不安を解消することができます。今回紹介した内容を参考にしながら、「老後資金を計算し、資産運用で物価高に対応する」というポイントをぜひ実践していきましょう。
 

出典

総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)7月分(2024年8月23日公表)
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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