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エアコンを日中は「冷房」、夜間は「ドライ」にしています。ドライなら電気代の“節約”になりますよね? 9月に入っても暑いので、エアコンを消せません…

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月12日 2時20分

エアコンを日中は「冷房」、夜間は「ドライ」にしています。ドライなら電気代の“節約”になりますよね? 9月に入っても暑いので、エアコンを消せません…

まだまだ酷暑が続いています。9月に入っても一日中エアコンをつけっぱなしの人も多いのではないでしょうか。しかし、気になるのは電気代です。電気代を少しでも節約するために、「冷房」「ドライ」などを使い分けている人もいるでしょう。   本記事では冷房とドライの違いや、ドライで本当に節約になるのか、冷房とドライの使い分け方を解説します。

冷房とドライの仕組み

まず、冷房とドライはどのような仕組みなのかを簡単に説明します。
 

冷房の仕組み

冷房は熱をもっている部屋の空気を集めて熱交換器で温度を下げ、冷えた空気を部屋に戻します。熱交換器で空気から集められた熱は冷媒によって室外機に運ばれ、外に放出される仕組みです。
 

ドライの仕組み

ドライも部屋の空気を集めて熱交換器で温度を下げます。温度を下げると空気中に存在できる水の量が減るため、その分、除湿ができるわけです。
 
除湿をイメージするには冷たい水を入れたコップを想像してみてください。コップに冷たい水を入れていると周りに水滴がつきます。これは冷たいコップが周囲の空気を冷やして、空気中に存在できなくなった水がコップに付着したものです。
 
ドライのこの仕組みは「弱冷房除湿方式」と呼ばれています。ドライには、弱冷房除湿方式で冷えた空気をもう一度暖めてから部屋に戻す「再熱除湿方式」が採用されている機種もあります。
 

冷房とドライは同じなのでは?

冷房とドライの仕組みを見ると、どちらも部屋の空気を集めて熱交換器で温度を下げており、基本的な仕組みはどちらも同じです。ただし、冷房のほうがより強力に温度を下げる力がある点が異なります。
 
先ほどのコップの例にあてはめると、冷房は氷水で強力に冷やそうとするのに対して、ドライは氷のない水で冷やすイメージです。
 

冷房とドライの電気代の違い

冷房のほうがドライよりも強力に空気を冷やすのであれば、電気代も冷房のほうがかかりそうに思えます。しかし、メーカーのカタログなどにはドライの電気代がどのくらいかかるのかが明記されていません。
 
2002年に東京電力ホールディングス株式会社が実施したテストでは、1時間当たりの電気代はドライ(弱冷房除湿)が4.1円、冷房が11.0円、ドライ(再熱除湿)が14.9円でした。当時と今とでは、エアコンの性能や電気代の単価が異なるため、現在もこの金額がそのままあてはまるわけではありません。
 
しかし、電気代はドライ(弱冷房除湿)<冷房<ドライ(再熱除湿)の順に高くなることは今でも変わらないと考えられます。
 

冷房とドライはどのように使い分けるべき?

弱冷房除湿方式のドライであれば、冷房よりも電気代は安くなります。そのため、ドライを使ったほうが節約になると思うでしょう。しかし、冷房代わりにドライを使うことはおすすめしません。
 
ドライは湿度を基準に運転しています。そのため、温度が高い場合でも設定湿度になっていれば運転が止まる場合があります。また、逆に予想以上に温度が下がることもあるでしょう。したがって、部屋の温度を下げたいのであれば、冷房を使ったほうが快適に過ごせます。
 

まとめ

冷房とドライの電気代は、ドライ(弱冷房除湿)<冷房<ドライ(再熱除湿)の順に高くなります。ただし、ドライを冷房代わりにすると、部屋の温度が思うように下がらなかったり、逆に下がりすぎたりする可能性があります。また、再熱除湿方式のドライでは冷房よりも電気代が高くなるため注意が必要です。
 
部屋の温度を下げるときは冷房、湿度を下げたいときにドライを使うと快適に過ごせるでしょう。
 

出典

東京電力ホールディングス株式会社 『エアコンの「冷房」と「除湿」の上手な使い方』について
 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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