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結婚するなら配偶者は年下のほうが「年金」を多くもらえてお得だよ、と上司からアドバイスを受けました。どういう意味ですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月12日 21時0分

結婚するなら配偶者は年下のほうが「年金」を多くもらえてお得だよ、と上司からアドバイスを受けました。どういう意味ですか?

扶養している配偶者が年下だと、老齢厚生年金に「加給年金」が加算される場合があります。加給年金を受け取れる条件と注意点を解説します。

老齢厚生年金の加給年金とは

加給年金とは扶養手当のようなものです。老齢厚生年金・障害厚生年金の受給権発生当時に生計を維持する配偶者・子がいる場合に、加給年金が加算されます。
 
厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上あり、65歳で老齢厚生年金を受け取るとき(加給年金支給開始時点)に、生計を維持している65歳未満の妻、18歳未満の子または1・2級の障害のある20歳未満の子がいることが加給年金の支給条件です。
 
生計を維持しているとは、受給権者と生計を同じくしている者で、将来にわたって年収850万円以上(所得655万5000円)の収入を得られない者をいいます。
 
加給年金が加算される年齢に夫が達した時に、生計を維持している妻が65歳に達しているときは加算されません。夫が加給年金受給開始時点で妻が65歳以上の場合、加給年金はありませんが、「振替加算」はもらえます。
 

加給年金の額(令和6年度)

加給年金の額は、配偶者と1人目・2人目の子についてはそれぞれ23万4800円で、3人目以降の子は1人につき7万8300円と決められています。
 
晩婚で子どもが小さい場合、配偶者の分と子の分の両方をもらえる可能性があります。また、配偶者の加給年金の額には、老齢厚生年金の受給者の生年月日に応じて特別加算があります。昭和18年4月2日以後に生まれた方の特別加算額は17万3300円です。加給年金額の合計額は40万8100円です。
 

振替加算とは

加給年金は、老齢厚生年金に加入している方の配偶者が65歳になると打ち切りになります。その代わりに、昭和41年4月1日以前の配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」という加算が上乗せされます。
 
振替加算の金額は、大正15年4月2日から昭和2年4月1日生まれの方については23万4100円と最も多く、それ以後年齢が若くなるごとに減額していき、昭和41年4月2日以後生まれの方はゼロとなります。
 

注意点

加算対象の配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間20年以上の老齢厚生年金等を受給することができる場合には、年金保障上十分な金額を確保しているので、扶養の意味合いがある加給年金額の加算は停止されます。
 
2022年4月以降、在職による全額支給停止等により配偶者自身が年金を受け取っていなくとも、配偶者が老齢厚生年金を受け取る権利があるとき、または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます(経過措置あり)。
 
加給年金をもらえる方が厚生年金の繰下げをすると、繰下げ期間中は加給年金が支給停止になります。また、加給年金を受給後に離婚をすると、加給年金は支給されなくなります。配偶者が65歳になっても振替加算がつかなくなります。
 
振替加算がついてから離婚すると、離婚後も振替加算は継続します。加給年金は「ねんきん定期便」には記載されていません。申請忘れに注意しましょう。
 

まとめ

加給年金は妻(夫)が65歳になるまで、夫(妻)の老齢厚生年金に加算されます。したがって、妻(夫)が若いほど加給年金を多くもらえます。逆に妻(夫)が年上の場合は支給されません。
 
つまり、年金だけ考えたら妻(夫)は年下で年齢差が大きいほど加給年金をもらえる期間が長くなるのでお得です。ただし、昭和41年4月2日以降生まれの妻(夫)には振替加算はつきませんので留意しましょう。
 

出典

日本年金機構 加給年金額と振替加算
厚生労働省 年金局 加給年金制度
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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