実家に「月5万円」入れていましたが、母が「使ってなかった」と結婚資金として渡してくれました。400万円近くありますが、税金は払わなくて大丈夫でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月14日 4時30分
社会人になっても実家で生活を続けている場合、実家で生活するのに必要となる食事代や水光熱費を「生活費」として親に渡している人も多いでしょう。しかし実際には親は使わず、子どものために貯めていて、「結婚資金」として渡してくれたといったケースもよく耳にします。 このようにまとまった財産を結婚資金としてもらう場合、税金はかからないのでしょうか。本記事では、結婚資金の贈与における税金について解説していきます。
年間110万円を超える金銭の授与は贈与税の対象
年間で110万円を超える贈与は、贈与税の対象となります。
これは「暦年課税」と呼ばれる課税方式で、1月1日から12月31日までの1年間で、この期間内に110万円を超える贈与があると受け取った人が贈与税を支払わなければならなくなります。
この贈与税は親から子ども、あるいは子どもから親といった家族間でも適用されます。また贈与税は1年間で受けた財産の合計金額に税率を乗じて税額を計算します。
親から子に渡す「結婚資金」に税金はかかる?
年間110万円を超える贈与があった場合は基本的に贈与税の対象となりますが、その贈与の目的が「祝儀金、弔慰金など社会通念上妥当である」場合には贈与税の例外となります。
今回のように結婚のお祝いとして渡される「結婚資金」で受け取るご祝儀は、贈与税の例外のひとつである「祝物」にあたるため、社会通念上相当であれば贈与税はかからないのです。
400万円は社会通念上相当なのか
「社会通念上相当」とは具体的にどのくらいの金額をいうのかと疑問に思う人もいるでしょう。しかし社会通念上相当に値する金額は、法律上で明記されていません。ここでは「結婚における社会通念上相当」について考えてみましょう。
ゼクシィによると、婚約から結婚、新婚旅行までの結婚全体にかかる費用の平均総額は約415万円という調査結果が出ています。これをもとに考えると、結婚資金としての400万円は高額すぎる金額ではなく、社会通念上相当額内におさまるのではないかと推察できるでしょう。
結婚資金となった「生活費」は?
次に子どもが家に入れていた毎月5万円の生活費に注目してみましょう。生活費として親に渡す財産は「生活費」であれば贈与税の対象外となります。ただし子どもが「生活費」として実家に入れているつもりでも、親がそれを目的外、つまり生活費として使用していない場合は贈与税免除とはなりません。
今回のように「預金」にしていた場合は「生活費」として認められず、贈与税の対象となるのです。ただし今回のケースでは毎月5万円で、年間では60万円の金額なので、他に贈与にあたる財産がなければ、年間110万円以下の贈与となり、いずれにしても贈与税の対象となりません。
まとめ
親から子どもへ400万円の結婚資金を渡すことは、その使い道にもよりますが、社会通念上相当額と判断され、贈与税の対象となることはないと考えられます。
しかしその結婚資金が子どもから親へ渡された生活費を資源としている場合は、年間110万円を超えていると「生活費」の名目で渡していても目的外使用として贈与税免除の対象外となるので注意しましょう。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
ゼクシィ 【結婚式のお金はいくら?】相場や項目別平均費用などまるっと解説!
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
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