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子どもの通帳に10年間で「600万円」貯めました。大学卒業時に渡したいのですが、一度に渡すと“贈与税”がかかるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月15日 2時20分

子どもの通帳に10年間で「600万円」貯めました。大学卒業時に渡したいのですが、一度に渡すと“贈与税”がかかるでしょうか?

子どものために毎月少しずつ貯金をして、大学卒業などを機に一気にお金を渡そうと考えている人もいるかもしれません。しかし、これは場合によっては贈与税がかかる可能性があるため、渡し方には注意が必要です。   本記事では、まとまった金額を一気に渡した際に贈与税がかかるかなどについて解説するので、気になる人は参考にしてみてください。

1年間の贈与額が110万円を超えると贈与税の対象

贈与税とは個人から個人に財産を渡したときに発生する税金であり、毎年1月1日から12月31日までの期間が対象です。この期間中に受け取った財産が基礎控除額である「110万円を超えた場合」に贈与税が発生して納税をしなければなりません。
 
このようなケースを避けるには、年間贈与額を110万円以内に抑える、贈与税がかからない財産として渡す方法などが挙げられます。
 

子ども用口座が名義預金と見られる可能性がある

「名義預金」とは、口座の名義人以外の人が実質的なお金の持ち主である預金のことです。子どもの名義で口座を開設し、口座名義人ではない親などが口座管理をしている今回のケースのような口座のことです。
 
子ども名義で貯金していても、名義預金と判断されると金額次第では贈与税が大きく発生する可能性があります。
 
名義預金と判断されるのを防ぐ方法としては、「子どもが自身で口座開設をする」「子どもが通帳やキャッシュカードを管理する」などが挙げられます。
 
ただし、金額にもよりますが、子どもの年齢が中学生や高校生以上なら口座管理はじゅうぶんできると判断できても、小学生までは実際は親が管理していると判断される可能性があります。
 

600万円の通帳を渡すと名義預金と判断されて贈与税がかかる?

600万円の通帳を渡すと、名義預金と判断されて贈与税がかかるリスクがあるため、ほかの方法を検討したほうがよいでしょう。例えば、大学進学時に学費として渡したり、一人暮らしをするなら生活費として渡したりする方法があります。
 
親から子どもに生活費や教育費に充てるために渡した財産は、「通常必要と認められるもの」の範囲内であれば、年間贈与額が110万円を超えても贈与税の対象になりません。大学進学時などに状況に応じて支払いをする方法は有効です。
  
ほかにも、教育資金や住宅取得資金であればまとまった費用を非課税で贈与できる制度もあるため、さまざまな方法を検討してみてください。
 

子ども名義ではなく親名義で貯金するのもおすすめ

子ども名義の口座で貯金をしても名義預金と判断される可能性があることを考えると、最初から親名義で貯金するのもおすすめです。親名義の口座から必要に応じて振込などをする方法もあります。
 
前記のように、通常必要と認められるものの範囲なら非課税なので、状況に合わせながら親名義の口座から支払いをしても大丈夫です。預金管理のやりやすさなども考えれば、子ども名義の口座に預金しないほうがよいかもしれません。
 
ある程度の金額をどうしても贈与したいなら、年間110万円以下に抑える工夫をしましょう。
 

まとめ

子どものために少しずつ貯めた預金でも、状況次第では贈与税がかかるため、渡す前にほかの方法がないか検討することは大切です。また、これから口座を開設しようと考えているなら、親名義で貯金して適切なタイミングで教育費や生活費として使う方法がおすすめです。
 
贈与税がかからない方法はいくつかありますから、それぞれの家庭に合った方法を調べて利用してください。
 

出典

国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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