災害に備え「3万円」の防災セットを購入したいけど、夫に「そこまでお金かけなくても…」と言われた! これって無駄な出費なの? 自分でできる“防災対策”もあわせて解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月17日 4時40分
今夏は、猛暑とともに台風や地震といった災害に悩まされた季節でもありました。近年では線状降水帯が発生する回数が増えており、台風でなくても猛烈な雨が頻繁に降り、農作物や道路などに被害がおよんでいます。 こうした状況を考慮して、防災セットの購入を検討する人もいるでしょう。しかし、家族間では「普段から使わないものにお金をかけたくない」と意見が食い違う場合もあるかもしれません。 本記事では、防災リスクに備える支出の必要性や、防災セットを購入する代わりに自分で用意できる防災対策などを解説します。今後の防災意識を高めたい人は、ぜひ参考にしてください。
防災セットの価格
防災セットにはさまざまなものがあり、価格帯も商品によって異なります。シートやブランケット、綿棒、什器といったものを中心に構成されている防災セットは、5000円程度のものをはじめ1万円以下で購入できるものもあります。
一方で、コンパクトラジオやシュラフ、モバイルバッテリーといったものが備わっている防災セットは、2万円程度のものをはじめ数万円かかる場合があります。
また、何人用のセットなのかを確認しておくことも大切です。1人暮らしなら1人用でじゅうぶんですが、家族がいる場合は2人用や家族用のセットを購入したり、複数個の防災セットを購入したりする必要があります。家族構成によっても、防災セットにかかる費用は変わってくるのです。
防災セットは買っておくべき?
防災セットは、必要であれば購入しておくと安心です。特に災害のリスクがあるような海沿いの地域の人や、避難対象になりやすい地域に住んでいる人は、備えを用意しておいたほうが安心でしょう。
ただし、防災セットでなくても自身で日頃から備えを用意しているのであれば、別途購入する必要はないでしょう。日頃から備えているものに加えて防災セットを購入すると、避難時に余計な荷物が増える可能性があります。
また、防災セットは「もしものとき」に備えるものです。大量に買って用意しておくものではありません。日常生活を通じて災害への備えができているのであれば、わざわざ防災セットにお金をかけなくてもいいのです。
自分でできる防災対策とは?
「防災セットを購入せずに、自分で対策をするほうが安上がり」と考える人もいるでしょう。自分でできる防災対策として「非常用カバンの自作」が挙げられます。
防災セットの代わりに、非常用持ち出しカバンを自分で作成すると、家にあるものなどで防災用品をそろえることができ、支出を減らせる可能性があります。例えば、下着類や歯ブラシ、マスクといったものは、予備のものが家にあるという家庭は多く、いつでも用意できます。
また、懐中電灯やポータブルラジオなどが家にあれば、非常用カバンに入れておくだけで、いざ災害が起きたときに探さなくて済みます。
足りないもの、必要なものだけを購入すればよいため、防災セットを丸ごと買うのに比べて費用を大きく抑えられるでしょう。
このほか、家族内で災害が起きた際のルールを決めておいたり、避難経路を確認したりといった、防災意識を高める取り組みをしておくことも重要です。
被害に遭ったときのための備え
万一、災害の被害に遭った際に、何も補償が受けられないと、生活が大きく変化してしまいます。そのため、生命保険や火災保険の確認や見直しをしておくとよいでしょう。災害によってけがをした場合には、生命保険の保険金が下りる可能性があります。台風などで家の屋根や壁が壊れた場合は、火災保険の補償を受けられる場合もあります。
保険補償が開始されるシチュエーションや補償額などを確認し、現状に対して適切な補償となっていない場合は見直しを検討しましょう。特に、地震による被害は一般的に火災保険では補償対象外となるため、必要に応じて地震保険の契約も検討するとよいでしょう。その際は、保険料負担が増えることもあるので、家計とのバランスを考慮しましょう。
防災への備えは「もったいない」とは限らない
防災セットや防災への備えは、日頃定期的に使うものではないため、もったいないと感じる人もいるでしょう。
しかし、日本は地震や台風が多い国です。また、近年ではゲリラ豪雨が頻発しており、いつどこで冠水や地盤の緩みが起こるか分かりません。リスクに備えることにお金をかけることは大変重要です。防災準備への支出は、命を守ることにつながります。家族や地域の災害リスクに合わせた適切な準備をして、もしものときに備えましょう。
出典
内閣府 災害が起きる前にできること
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP
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