「ご飯の早炊き」は通常と比べてどれだけはやく炊けるの? 早い分、電気代の節約になる?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月17日 5時40分
みなさんの中には、ご飯の普通炊きと比べて、早炊きモードがどれだけ時間を短縮できるのか、そしてどれだけ電気代の節約になるのか、気になる方がいるかもしれません。 そこで今回は、炊飯器の早炊きと普通炊きの違いや電気代の差などをご紹介します。
早炊きと普通炊きの違い
炊飯器でお米を炊く主な工程は「お米に水を吸水させる」「加熱させて炊き上げる」「蒸らす」の3つです。炊飯器で炊き始める前にお米に吸水させる方法はよく知られていますが、実は吸水も炊飯器の工程に含まれているため別途行う必要はないといわれています。
普通炊きの場合、トータル45~60分で炊き上げますが、早炊きモードでは「吸水」「蒸らし」の工程を短縮・省くことで時間を短縮しているとされています。
吸水時間と蒸らし時間が短いため硬めのご飯に仕上がり、ご飯の表面に水分が残って少し水っぽくなるのが早炊きモードの特徴です。
普通炊きとの短縮時間の違い
早炊きモードは「吸水」「蒸らし」の時間を短縮または省いているため、普通炊きよりも約20~30分短い時間で炊き上げることができるようです。例えば、タイガー魔法瓶株式会社の「圧力IH炊飯ジャー<炊きたて>」(JPC型)なら、お米1合を最速17分で炊き上げます。
また、象印マホービン株式会社の圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」(NW-KB10)なら、1合を約15分で炊くことが可能だとされています。
最新の炊飯器は圧力センサーによる圧力調整や熱伝導率と蓄熱性が高い内鍋が採用されています。早炊きで吸水・蒸らしが減っても、さまざまな機能で効率を高めて調整されているため、比較的おいしいご飯が炊き上がるようです。
電気代の違い
早炊きモードの場合、普通炊きモードよりも炊飯に使う時間が短いため、電気代が若干安くなる可能性があります。ただし、「吸水」「蒸らし」の時間は電力消費が少ないため、電気代に大きな差はないようです。
また、早炊きモードでは高火力で一気に沸騰させて炊き上げる機種もあるため、普通炊きよりも電気代が高くなるケースもあります。
炊飯器の種類別の消費電力量と電気料金の違いは下記の表1のとおりです。少しでも電気代を節約したい場合は、IHよりもマイコン式の炊飯器を使うのがおすすめです。
表1
IH | マイコン | |||
---|---|---|---|---|
サイズ | 年間消費電力量(kWh/年) | 年間の目安電気料金(円) | 年間消費電力量(kWh/年) | 年間の目安電気料金(円) |
3合以上5.5合未満 | 51.15 | 1382 | 39.58 | 1069 |
5.5合以上8合未満 | 83.86 | 2264 | 78.01 | 2108 |
10合以上 | 129.6 | 3499 | 129.1 | 3488 |
※経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2023年度版」より筆者作成
炊飯時間は同じでも消費電力が低い「エコ炊飯モード」を搭載している炊飯器もあります。電力料金の目安単価を31円/kWhとした場合、炊飯3合を1回の消費電力が普通炊きは180Whで約5.58円、エコ炊飯は165Whで約5.12円となり、1年間で約168円の節約につながる可能性があります。
また、炊飯器で節約するには、保温時間を少しでも短くすることがポイントです。タイマー予約などをうまく活用しましょう。
早炊きでおいしく炊くためには
まず、お米を洗うときはお米を割らないように丁寧にとぎましょう。お米が割れるとでんぷん質が溶け出してしまうため、炊き上がりのご飯が水っぽい食感になる原因につながるとされています。
そして、ご飯が硬めに炊き上がるのを防ぐために効果的な方法は、炊飯前にお米を15分前後浸水する時間をつくることです。せっかくの早炊きですが炊き上がりまでの時間は余分に必要です。
そして炊き上がったら、すぐに水分をとばすためにご飯の粒をつぶさないように切るようにほぐしましょう。余分な水分がとぶため、食感もよくなり、粒に艶も出るといわれています。
早炊きモードでは「お米が硬い」「水っぽい」といったデメリットもありますが、少しの工夫でおいしいご飯になります。
早炊きと普通炊きでは電気代に大きな差はない
早炊きは短い時間で炊けるため、電気代が節約できるように感じられますが、実際にはほとんど差はないようです。また、機種によっては強火力を活用して短時間で炊き上げるため、普通炊きよりも電力消費が多いケースもあります。
電気代の節約だけならエコ炊きなど別の方法を検討してみてください。
出典
タイガー魔法瓶株式会社 炊飯器の早炊き機能はどれくらい早い?早炊きと普通炊きの違い
象印マホービン株式会社 炎舞炊き
経済産業省資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2023年度版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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