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私のために「300万円を貯めた」と言う父。まとめて受け取ると税金はかかりますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月19日 2時20分

私のために「300万円を貯めた」と言う父。まとめて受け取ると税金はかかりますか?

親が子どものためにとお金を貯め、将来まとめて渡されるケースがあります。まとまったお金を受け取るときは、自分がそのお金を贈与と認識しているか、また、親が亡くなるまでに受け取ったタイミングなどによって、課税対象かどうかが変わるため注意が必要です。   今回は、300万円を受け取った場合に課税対象となる条件や計算方法、また贈与税の課税対象となったときの納付方法などについてご紹介します。

受け取った300万円は課税対象?

贈与された財産に対してかかる税金が贈与税です。民法第549条では「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」とされています。つまり、お互いにその財産が贈与である認識をしたうえでお金のやり取りをしていれば、贈与税の課税対象です。
 
一方、父親にはゆずる意思があっても、子どもがそのお金の認識をしておらず、かつ父親が渡す前に亡くなれば、そのお金は相続財産の一つとして扱われます。子どもが贈与されたと知らず、贈与の条件を満たさなくなるためです。相続財産として扱われた場合は、ほかの財産と合計して相続税の計算をすることになります。
 

贈与税の計算方法

贈与税は、基礎控除である110万円を超えた金額に対して課税されます。もし、300万円を受け取ったなら、190万円に対して税金が課されます。
 
国税庁によると、課税金額が190万円のときの税率は10%のため、贈与税額は19万円です。なお、贈与税の課税金額は、1年を通して受け取った財産の合計金額を基に計算します。1年間で複数人から受け取っているときは、その総額です。
 
例えば、父親から300万円、叔父から100万円、祖父から100万円を受け取ったときの場合、その年の贈与額は合計500万円です。
 
なお、課税金額が300万円を超えると、誰から財産を受け取っているかで税率が変わります。成人を迎えた方が、祖父母や両親などの直系尊属から贈与されたときは「特例税率」、それ以外は「一般税率」で計算するためです。
 
もし、課税価格が310万円だったとすると、特例税率では税率が15%、控除額が10万円ですが、一般税率になると税率が20%、控除額は25万円になります。
 

亡くなる直前に受け取った贈与は相続財産として計算される

国税庁によると、贈与をした方が亡くなった場合、亡くなる7年前までの贈与は相続財産に加えられます。ただし、相続開始3年前までは全額が加算されますが、3年より前の4年間は合計で100万円までは加算対象外のようです。
 
もし、父親が亡くなる3年前までの間に300万円を受け取っていた場合、全額が相続財産として扱われます。しかし、3年前から7年前の間に300万円を受け取っていた場合は、100万円を控除した200万円が相続財産の対象です。
 

300万円は課税対象になる可能性がある

300万円は贈与税の基礎控除額を超えているため、受け取ると贈与税の課税対象になる可能性があります。ただし、自分が父親からの贈与を認識していない状態で父親が亡くなったり、父親が亡くなる7年前までの間に受け取ったりしていた場合は、相続財産として扱われるため、相続税の課税対象です。
 
もし、贈与税の課税対象になったら、贈与された金額によっては税率が特例税率か一般税率かで変わるため、注意しましょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百四十九条
国税庁 令和5年分贈与税の申告のしかた(44ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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