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将来、年金を「月25万円」はもらいたい。現役時代の年収はいくら必要?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月21日 4時30分

将来、年金を「月25万円」はもらいたい。現役時代の年収はいくら必要?

老後にもらえる厚生年金の金額は、加入期間や現役時代の収入によって決まります。では、年金を「月25万円」はもらいたいと考える場合、どれくらい稼げばよいのでしょうか?   今回は、年金を月25万円受給するために必要な年収について解説します。

令和6年度の年金の支給額はどれくらい?

表1は、日本年金機構で公表されている令和6年度の年金額の例です。国民年金(老齢基礎年金)は満額支給される場合の金額、厚生年金は平均的な収入(賞与含む月額換算で43万9000円)で40年間就業した場合に受け取れる老齢厚生年金と夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準です。
 
表1

令和6年度の年金額の例(月額)
国民年金(老齢基礎年金・満額) 6万8000円
厚生年金
(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
23万483円

出典:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」を基に筆者作成
 
厚生年金の標準的な支給額は2人分の国民年金をプラスしても25万円に届かないことが分かります。
 

月25万円の年金を受給するには現役時代にいくら稼げばよいのか?

年金を月25万円受給する場合、年間で300万円の受給額になります。令和6年度の時点での老齢基礎年金支給額を満額受給すると年間で81万6000円となるため、残りの218万4000円を老齢厚生年金でもらう必要があります。
 
老齢基礎年金を満額受給するには、20歳~60歳までの40年間(480ヶ月)継続して保険料を納付する必要があります。ただし支給額は毎年見直されるため、必ずしも前述した金額が支給されるとは限らない点に注意しましょう。
 
一方で老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた期間やその間の報酬額などに応じて計算され、年金額は、特別支給の老齢厚生年金が支給されていなければ、基本的に報酬比例部分と加給年金額の合計となります。日本年金機構によると、報酬比例部分は、厚生年金の加入期間と加入期間中における収入によって支給額が決まります。
 
加給年金とは、厚生年金に20年以上加入している方が、65歳に到達した時点で、生計を維持している一定条件の配偶者や子どもなどがいる場合に、加算される年金のことです。
 
今回は、老齢厚生年金の年金額を報酬比例部分のみの支給とし、厚生年金に加入したのが平成15年4月以降と仮定すると、日本年金機構より、報酬比例部分は「平均標準報酬額×0.005481×加入月数」で計算することが可能です。平均標準報酬額とは各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入月数で割ったものであり、0.005481は、給付乗率の数値です。
 
22歳から60歳まで働いたとして加入月数を456ヶ月とし、報酬比例部分を218万4000円とした場合、上記の計算式に当てはめて計算すると、平均標準報酬額は約87万3832円となります。
 
そのため、国民年金保険料が40年間継続して納付されていることに加え、毎月の収入と賞与を合わせた現役時代の平均年収が1048万6000円程度あれば年金を月25万円もらえる可能性があるでしょう。
 
ただし、通常の月収が高ければ高いほど年金の受給額が上がるわけではないため、注意が必要です。日本年金機構によると保険料や年金額を決定する際に用いる標準報酬月額は現在32等級に分かれており、最も高い32等級は65万円となっています。
 
また、標準賞与額にも上限が定められており、支給1回(同月に2回以上支給された場合は合算)につき、150万円が上限となります。
 

月25万円の年金を受給するには、現役時代に賞与と合わせて平均年収1050万円ほど稼ぐ必要がある

国民年金は支給額の上限が決められているため、月25万円の年金をもらいたい場合、残りは厚生年金で受給しなければなりません。
 
今回の試算結果によれば、月25万円の年金を受給するには、国民年金保険料が40年間継続して納付されていることに加えて、現役時代に毎月の収入と賞与を合わせて、平均年収1048万6000円程度稼ぐ必要があると分かりました。これらの試算結果を参考に、計画的に老後資産の準備を進めましょう。ただし月収も賞与も高ければ高いほど年金の受給額が上がるわけではなく、それぞれ上限がある点に注意が必要です。
 
また、今回の試算は2024年9月時点の内容になりますので、あくまで目安として参考にしてください。
 

出典

日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 加給年金額と振替加算
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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