「道の駅」のトイレが以前よりきれいになっているように感じます。「無料」なのにどうしてこんなにサービスが優れているのでしょうか？

公共トイレはあまりきれいでないイメージを持つ方もいるようですが、一昔前の「道の駅」も例外ではありません。しかし、最近の道の駅はトイレがきれいで快適に利用できると感じる方が増えているようです。無料で使えて便利な道の駅のトイレには、どのような取り組みが行われているのでしょうか。   今回は、道の駅のトイレ事情について調べてみました。トイレが快適に使えることで得られる効果についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。

「道の駅」のトイレがきれいになっている!?

24時間利用できて便利な道の駅のトイレですが、一昔前は「暗い」「異臭がする」「汚い」など思わしくないイメージがありました。しかし、公共トイレに関してはこれらの悪いイメージを改善するだけでなく、バリアフリー対応、子どもや女性に配慮した作り、訪日外国人観光客への案内誘導の多言語化対応など、設備の整備が進められているようです。
 
道路局 国道・防災課の資料によると、道の駅のトイレを快適にするためのチェックポイントとして、以下の点を挙げています。

・適切な規模について：適切な規模で十分な便器数を確保しているか
 
・利用時間帯について：24時間利用可能となっているか
 
・必要な設備について：十分な明るさや換気対策・緊急事態対策ができているか
 
・動線の確保について：誰もが利用しやすい動線上に設置されているか
 
・快適で利用しやすい設備について：多機能トイレや大型ブース、バリアフリーなど利用者の快適性に配慮した設備が整っているか
 
・案内について：トイレまでの行き方などが、外国人観光客も含めて誰でも分かるように案内されているか
 
・配慮事項について：ベビーカーがすれ違えるなど、子ども連れの方や車いす使用者に配慮した道路幅を確保しているか
 
・災害対策について：災害時に必要な電源・水の確保ができるか
 
・一工夫について：花を飾ったり音楽を流したりするなど、快適に利用できる一工夫が可能か

これらのチェックポイントを実践している道の駅では「以前よりきれいになっている」と感じられるでしょう。道の駅のトイレの中には「日本トイレ大賞」を受賞して話題になったところもあるようです。
 

「道の駅」のトイレが快適だと売り上げに影響する!?

道の駅のトイレは無料で使えますが、どうしてこんなにサービスが優れているのか気になる方もいるでしょう。道路局 国道・防災課の資料によると、トイレの清掃回数が多い道の駅や、トイレの洋式化率が高い道の駅は、売上高が高くなっているとのことです。
 
TOTO株式会社でも、独自に行ったアンケート調査から、快適さが購入意欲やリピート率に影響していることを指摘しており、詳細は以下の通りです。

【快適なトイレが交通施設にあった場合、その施設で買い物をしようと思いますか？】

・思う：57％
 
・やや思う：18％
 
・どちらともいえない：13％
 
・やや思わない：1％
 
・思わない：11％

【快適なトイレが交通施設にあった場合、その施設をまた利用しようと思いますか？】

・思う：75％
 
・やや思う：12％
 
・どちらともいえない：4％
 
・やや思わない：1％
 
・思わない：8％

同調査から、7割以上の利用者が快適なトイレだと買い物をしようと思い、8割以上の利用者が快適なトイレだとまた利用しようと思う傾向にあることが分かります。
 

トイレの快適さは「道の駅」の購買意欲やリピート率に効果的！

ほかの公共施設と同様に、「道の駅」でもトイレの清潔さや快適さは大切なポイントです。道路局 国道・防災課でもトイレを改善するためのチェックポイントを挙げていて、これらを実践している道の駅では「明るい」「臭わない」「きれい」だけでなく、バリアフリー対応など快適で利用しやすい設備やデザイン性に優れたトイレを提供しています。
 
24時間無料で利用できて便利な道の駅のトイレですが、快適で利用しやすくすることで、利用者の購買意欲やリピート率に効果があるとのことです。道の駅を利用する際は、トイレが快適に利用できるかにも注目してみましょう。
 

出典

道路局 国道・防災課 「道の駅」のトイレの改善に関する チェックポイント＜第2版＞
TOTO株式会社 交通施設のトイレに関するアンケート
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー