塾講師のアルバイトは「コスパ最強」ですか？ 息子が東京の大学に進学しますが、生活費は自分で稼いでもらう予定です。無理なく学業と“両立”できるでしょうか…？

大学進学を機に、1人暮らしをする学生も少なくないでしょう。勉強に家事にと忙しい生活が待っていますが、さらにアルバイトをして社会経験を積んだり、生活費や交際費の足しにしたりする学生も多いはずです。   東京はアルバイトの種類も豊富ですが、中でも塾講師のアルバイトは短時間で高収入のイメージがあります。大学生になったら、これまでの勉強で得た知識を生かして収入を得ようと考えている受験生もいるでしょう。   では実際に塾講師のアルバイトはイメージどおりの好条件なのでしょうか。本記事で解説します。

塾講師の時給はかなり高いほう

厚生労働省によると、2024年9月時点での東京都の最低賃金は時給1113円です（2024年10月1日からは時給1163円）。またリクルート社が2024年3月に公開したアルバイト・パートの時給調査での首都圏の平均時給は1229円です。
 
では、塾講師の時給はこれらの金額よりも高いのでしょうか。
 
リクルート社の同調査を見てみると、首都圏の塾講師の平均時給は1496円です。この金額は平均の1229円よりも200円以上高く、職種別で見ても看護師に次いで2番目に高い水準です。
 
ちなみに同調査によると、学生でも働きやすいアルバイトであるホールスタッフ（飲食店）の首都圏の平均時給は1195円、ファストフードは1204円となっています。塾講師の時給は他のアルバイト・パートよりも高いことが多いといえるでしょう。
 

塾講師のアルバイトの注意点

時給が高い傾向にある塾講師のアルバイトですが、注意点もあります。
 
例えば、塾講師は生徒に対してテキストや問題集などを用いて解説をします。テキストや問題集は塾が準備するため、問題をイチから自分が解くということは基本的にはないでしょう。
 
しかし、人に教えるには自分が内容を理解しておかなくてはなりません。苦手な分野や、忘れている項目については、時給の発生しない「準備」に意外と時間がかかってコスパ（タイパ）が悪化する可能性もあります。
 
また塾のアルバイトでは毎週決まった生徒を担当することが一般的であるため、固定シフトが基本です。大学のテスト前やサークルの集まりがあるからなど、自分の都合だけでは簡単に休めないこともあります。
 
塾講師は生徒や保護者と接するため、身だしなみにも気をつける必要があります。服装や髪色などについては、一定のルールに従わなければならない場合も多いでしょう。
 

塾講師のアルバイトのメリット

注意点もある塾講師のアルバイトですが、メリットも少なくありません。
 
前記したとおり、塾講師の時給は一般的には他のアルバイトよりも高く設定されています。準備に時間がかかる可能性はありますが、基本的には効率的にお金を稼げるでしょう。
 
また、人に教えているうちに、「伝える力」や「傾聴力」の向上が期待できます。保護者や塾の社員と接する中で、ビジネスマナーを身につけることも可能です。大学生の内にこれらの技能を身につけられれば、就活でもアピールできますし、将来の役にも立ちます。
 
塾講師の仕事自体にやりがいを見出しやすいことも魅力の一つです。生徒から頼られたり、成績が上がったりした場合、モチベーションが上がり、アルバイトが楽しく感じることもあるでしょう。
 

大学生におすすめのアルバイト

塾講師は大学生にとって魅力的な仕事の一つですが、他に大学生におすすめのアルバイトにはどのようなものがあるのでしょうか。
 
まずは、塾講師と同じように生徒に勉強を教える家庭教師もおすすめとして挙げられます。家庭教師はリクルートの調査でも関東の平均時給が1482円と高い水準ですし、塾講師と同じような達成感も味わえる可能性があります。
 
大学生のアルバイトといえば、カフェや喫茶店での接客も人気です。おしゃれな店内で楽しく仕事をしつつ、接客スキルの向上も期待できます。
 
コンビニやスーパーなどでも多くの大学生が働いています。店舗数が多いため自宅から近い場所で働けることが多く、深夜に働くと時給が上がる点も魅力の一つです。
 

まとめ

塾講師のアルバイトは他の職種と比べると時給としては稼げる仕事です。とはいえ、準備に時間がかかり、思った以上にコスパ（タイパ）が良くないことも考えられます。
 
アルバイトはお金を稼ぐことが大きな目的ですが、社会に出る準備ができたり、友達ができたりといったメリットもあります。時給はもちろん、それ以外の効果も考慮しながら選ぶと良いことを、保護者からも助言してはいかがでしょうか。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
株式会社リクルート 2024年2月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー