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6月には「200円」で買えていた卵が、スーパーで「250円」に! 原因は“ニワトリの夏バテ”だと聞きましたが、涼しくなれば価格は落ち着きますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月21日 5時0分

6月には「200円」で買えていた卵が、スーパーで「250円」に! 原因は“ニワトリの夏バテ”だと聞きましたが、涼しくなれば価格は落ち着きますか?

スーパーの卵コーナーで、「また値上がりしてる」と感じた人もいるのではないでしょうか。物価の優等生とも呼ばれる卵ですが、JA全農たまごによると、東京地区で2024年6月に200円だった価格が、9月の今は248円に値上がりしています。   例年であれば、1年の中で卵の需要が少ない6月~8月は価格が安くなる時期ですが、なぜ高くなっているのでしょうか。本記事では、卵の価格が上がっている理由を検証し、値下がりが期待できる時期について考察します。

卵価格が上がっているのはなぜ?

卵の価格が上がっている主な要因として、季節的要因と経済的要因が考えられます。まず、季節的要因としては、夏の暑さによるニワトリへの影響です。
 
一般的に、ニワトリは暑さに弱く、夏場は食欲が落ちる傾向があります。2024年は全国各地で猛暑日が続き、卵の大きさや産卵数の減少、暑さによる健康被害が見られました。
 
次に、経済的要因には、飼料価格の変動が影響していると考えられます。農林水産省によると、日本は飼料の自給率が低く、その多くを輸入に頼っています。そのため、海外の飼料価格が上がると、国内の生産コストも上がってしまうのです。
 
これらの要因が複合的に作用し、卵価格の上昇につながっていると考えられます。
 

過去にもあったニワトリの夏バテ

JA全農たまごのデータを見ると、過去にも夏場に卵価格が上昇した年がありました。
 
例えば2015年は、7月初旬に東京地区でMサイズ1キロあたり220円だった卸売り価格が、同年11月には最高値の273円にまで達しました。価格が落ち着いたのは翌年の2016年1月以降です。
 
この年の価格上昇の主な原因は、猛暑による産卵量の減少です。暑さで鶏が食欲を失い、特に大玉卵の生産が難しくなりました。生産者は扇風機の増設や餌エサの工夫など対策を講じましたが、影響を完全に防ぐことはできませんでした。
 
この状況は2015年だけでなく、夏場の高温が続く年に見られる現象で、卵価格の季節変動の一因となっています。
 

卵価格が落ち着くのはいつになる?

卵の価格が安定する時期を予測するには、3つの主要なポイントを考慮する必要があります。
 
まず、1つ目は飼料価格です。2020年から上昇を続けており、2024年も高水準で推移しています。農林水産省によると、配合飼料価格は9万円/トンを超えており、生産コストに大きく影響しています。
 
2つ目は、年末に向けて卵の需要が増加することです。これにより、価格のさらなる上昇が見込まれます。2015年の事例では、最高値273円を記録したのは11月で、その後12月末まで高値を維持していました。
 
3つ目は、秋から春にかけて発生する可能性のある高病原性鳥インフルエンザです。これが発生すると供給量が減少し、価格の上昇に拍車をかける恐れがあります。
 
これら3つの要因を踏まえると、2024年内に価格が大幅に下がることは難しく、卵価格が落ち着くのは早くても2025年以降になると予測されます。
 

まとめ

ニワトリの夏バテは、卵の価格上昇の一因となっていますが、涼しくなっても値段が戻るとは限りません。卵価格は、飼料価格の高騰、年末にかけての需要増加、そして鳥インフルエンザのリスクという3つの要因によって影響を受けています。
 
これらの要因を勘案すると、年内の大幅な値下がりは難しく、むしろさらなる値上がりの可能性が高いと考えられます。消費者としては、これらの状況を意識しつつ、卵を賢く活用する工夫をしていきましょう。
 

出典

農林水産省 食肉鶏卵をめぐる情勢
農林水産省 飼料をめぐる情勢
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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