旅行の予定なのに「台風」で新幹線が運休! ホテルにたどり着けそうにないのですが、予約の「キャンセル料」は発生しますか? 規約では「当日の場合は3万円」と書いてあります…
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月22日 4時20分
2024年8月16日には台風7号の影響で東京~名古屋間の東海道新幹線が全線運休となるなど、夏から秋にかけての旅行は台風による交通機関の遅延や運休のリスクが伴います。 運休となった新幹線の料金は返金されますが、問題はホテルなどの宿泊施設です。もし規約通りキャンセル料の支払いを求められた場合、その負担は決して軽くないでしょう。 本記事では、台風など自然災害の影響で宿泊施設へ辿り着けない場合、キャンセル料の支払いの要・不要、キャンセル料支払いのリスクを減らす方法について解説します。
キャンセル料は規約通り払う必要がある
新幹線が運休し、宿泊施設に辿り着けないケースであっても、原則、規約通りのキャンセル料の支払いが必要です。実際に8月16日の新幹線で大阪から首都圏に遊びに来る予定だった筆者の友人も、8月16日に予約していた宿泊施設からキャンセル料の支払いを求められました。
なお、国民生活センターは「自身で交通機関や宿泊施設をそれぞれ予約した場合、現地までの運送契約と宿泊契約は別々の契約であるため、結果的に消費者の都合で宿泊予約をキャンセルしたことになる」という見解を示しており、宿泊施設からキャンセル料を求められた場合は支払うしかないのです。
キャンセル料を免除してくれる場合も
とはいえ、宿泊施設によっては事情を考慮し、キャンセル料を免除してくれる場合もあります。
筆者は急な雪予報で旅行の中止を決断し、キャンセル料の支払いを覚悟の上でホテルにその旨を伝えたところ、「今回はキャンセル料を支払わなくて結構です」と免除してもらった経験があります。
自然災害で交通機関に乱れが生じたとき、宿泊施設側も「帰りたくても帰れず宿泊したい」と考える人たちのために、無償キャンセルを受け入れ、部屋を空けておきたいという思惑もあるようです。
ただし、あくまでも宿泊施設側の善意に基づく対応であり、必ずしも免除されるわけではありません。
キャンセル料の支払いのリスクを減らすためには
宿泊施設側の厚意によってキャンセル料金が不要となるケースはあるものの、そのリスクは少しでも減らしておきたいところです。台風などの自然災害が心配される季節でも安心して旅行ができるように、宿泊施設の予約で気をつけるべきことを解説します。
キャンセル料金がギリギリまでかからないホテルを選ぶ
キャンセル料金がいつから発生するかは宿泊施設によって違うので、予約時に必ず確認し、できる限りギリギリまでキャンセル料金がかからないホテルを選ぶと良いでしょう。
実は筆者は以前旅行当日にインフルエンザにかかり、旅行を中止した経験があるのですが、予約したホテルが「当日15時までキャンセル料無料」であったため、キャンセル料を支払わずに済みました。
さすがに当日15時までキャンセル料不要の宿泊施設は珍しいとは思いますが、最近の交通機関は、前日、早い場合は前々日から計画運休を発表するケースが多いので、「前日までに連絡すればキャンセル料無料」の宿を選ぶと安心です。
キャンセル保険という選択肢も
どうしても泊まりたい宿が早い時期からキャンセル料が発生する宿泊施設の場合、キャンセル保険を検討するのも一つです。とある旅行キャンセル保険では、交通機関の2時間以上の遅延または運休により宿泊をキャンセルした場合のキャンセル費用を補償します。
他にも参加予定のイベント(コンサートなど)の急な中止、本人や同行者の体調不良・けがなどにも対応しているものもあるので、キャンセル料が高額となりそうな場合は加入することで、安心して旅行を計画できるでしょう。
宿泊キャンセル料のリスクをできるだけ減らし、安心・安全な旅行を
交通機関と宿泊施設の予約を別々にとった場合は契約が異なるので、自然災害で交通機関が止まっても宿泊施設のキャンセル料の支払いのリスクが伴います。しかし、キャンセル料が惜しいからと旅行を強行し、災害に巻き込まれることは避けなければなりません。
台風で交通機関が乱れるリスクがある季節は、ギリギリまで無料でキャンセルできるホテルを選ぶ、キャンセル保険を検討するといった対策を検討するというのも手です。直前にキャンセルしても経済的な負担が少ないように準備することで、もしものときに安全を第一に考え、旅行の中止という決断をしやすくしておくことが大切です。
出典
独立行政法人国民生活センター 自然災害が原因で行けなくなったホテルのキャンセル料
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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