大学生の娘は「シーシャ」にハマっているそうです。料金や健康への影響が心配なのですが…。

近年、紙のタバコに代わる嗜好品として、電子タバコやシーシャ（水タバコ）といったカジュアルな商品で喫煙する方が増えています。とくに若者の間で人気が高まっており、都市部では「シーシャバー」と呼ばれる専門店も多数存在します。   しかし、料金や健康に与える影響が心配な方もいるでしょう。今回は、シーシャの概要や料金、健康リスクについて解説します。

シーシャ（水タバコ）ってなに？

シーシャとは、水タバコと呼ばれる喫煙アイテムの1種です。専用の器具を使って、フレーバー付きの煙を水にくぐらせながら喫煙します。従来の紙タバコと違いフルーティーな香りや甘いフレーバーのついたものも多く「カジュアルに楽しめるタバコ」というイメージを持たれているようです。
 
有害物質であるニコチンやタールは紙のタバコより少ないといわれていますが、隠されたリスクも存在します。とくに初めてシーシャに触れる人や若い世代にとっては、その危険性を軽視しがちです。シーシャは一見すると紙タバコより害が少ないと思えるかもしれませんが、実際には健康に対する多くのリスクが潜んでいます。
 

シーシャの形態と料金

シーシャには大きく分けて「携帯シーシャ」と「シーシャバー」の2つのタイプがあります。それぞれの料金や特徴について見ていきましょう。
 

携帯シーシャ

携帯シーシャは、ポータブルデバイスを使って自宅や屋外で手軽にシーシャを楽しむ電子タバコの1種です。電池式の本体と液体フレーバーを加熱し、その蒸気を吸引します。価格は液体を詰め替えるタイプで数千円〜1万円程度、使い捨てタイプなら1000円程度が目安です。
 

シーシャバー

シーシャバーは、本格的な機械を使ってシーシャを体験できる専門店です。さまざまなフレーバーを選べるほか、スタッフがシーシャの準備をしてくれるため、居酒屋やバーに行く感覚でシーシャを利用できます。
 
料金はシーシャ1台あたり約1000円〜3000円が一般的とされており、店舗によってはチャージ料金がかかるようです。追加のフレーバーや時間延長によって、さらに費用がかかる場合もあります。
 

シーシャの健康リスク

シーシャは、見た目や香り、そしてそのリラックスした雰囲気から「害が少ない」と誤解されがちです。しかし、実際には紙のタバコと遜色ない健康リスクが存在します。ここからは、シーシャに潜む健康リスクを解説します。
 

一酸化炭素中毒

まず挙げられるリスクが一酸化炭素中毒です。これはタバコにより発生する一酸化炭素を大量または長時間吸引することでかかるといわれており、めまいや頭痛、意識障害を引き起こす可能性があります。
 
シーシャは、タバコの葉を炭で加熱して煙を発生させて煙を吸引しますが、紙のタバコよりも燃焼時間が長めです。1回あたりで1時間前後燃焼するものも多く、長時間吸い続けることで大量の一酸化炭素を吸引してしまいます。
 

肺がん

シーシャの煙にはニコチンやタールなどの有害物質が含まれており、肺がんのリスクを高めます。一般的にシーシャは紙のタバコよりニコチンやタールが少ないといわれますが、種類や使用時間次第では、紙のタバコ以上に摂取してしまう恐れがあるでしょう。ニコチンには中毒性や依存性があるため、吸い続けるほど器官系の病気を引き起こす可能性があります。
 

動脈硬化

シーシャに含まれるニコチンは、血管の収縮により血圧を上昇させる作用がある物質です。そのため健康な人よりも動脈硬化が進行しやすく、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。また、血中コレステロールが変性して血管内にコレステロールのコブを形成し、動脈硬化の要因となり得ます。
 

まとめ

シーシャは豊かな香りやリラックスできる雰囲気から、多くの若者に支持されています。しかしその裏には、健康に対する重大なリスクが隠れている点に注意しなければなりません。一酸化炭素中毒や肺がん、動脈硬化など起こり得るリスクはどれも重大なものです。継続的な費用もかかるため、経済的な負担も大きいでしょう。
 
親としては、子どもがシーシャに夢中になる前に、そのリスクを理解して適切な情報提供を行うことが大切です。健康と経済の両面で慎重に考えるよう促してあげてください。
 

出典

消費者庁 コラムVol.1 最近のたばこ関連事故 – この機会に喫煙習慣について考えてみませんか
医療法人治久会もみのき病院 プラークとは
みなみ野循環器病院 タバコは百害あって一利なし。タバコと動脈硬化の関係
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー