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年金生活世帯が利用できる「給付金」があるって本当?70代夫婦の生活はどう変わる?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月22日 2時0分

年金生活世帯が利用できる「給付金」があるって本当?70代夫婦の生活はどう変わる?

70代になると、仕事を辞め年金と貯金のみで生活するようになる方もいるでしょう。しかし、年金額や貯金額によっては、今後の生活に不安を覚える方もいます。   年金と貯金だけの生活に困難を覚えるときは、年金生活者向けの給付金制度を利用できる可能性があるため、チェックしておきましょう。今回は、70代の平均生活費や貯蓄額、年金生活者向けの給付金制度などについてご紹介します。

70代の生活費はいくら必要?

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」では、世帯主が70~74歳で2人以上の世帯における収入と支出のデータが掲載されています。資料によると、70~74歳の平均支出は食費や水道光熱費などの消費支出が月26万8095円、税金や保険料といった非消費支出が月3万4959円の合計30万3054円でした。
 
対して、年金などの実収入は平均で月26万7508円なので、毎月3万5546円、年間42万6552円が足りません。もし70歳から90歳までの20年間で同じ金額が必要だとすると、合計853万1040円を貯金から補う必要があります。
 
なお、75歳以上になると、非消費支出は平均で月2万9846円、消費支出は平均で月23万4521円の合計26万4367円です。実収入は23万9727円のため、毎月2万4640円不足することになります。
 

70代の平均貯蓄額はいくら?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70代の貯蓄額で最も多い割合は3000万円以上の19.7%、全体平均は1757万円です。最も多い割合や平均値を見ると、貯蓄額は多いように見えます。
 
しかし、2番目に多い割合は19.2%で「金融資産非保有」です。つまり、少なくない世帯が金融資産がない状態で老後を過ごしていることになります。
 
世帯によっては、貯蓄もなく年金だけでの生活が難しいケースも少なくありません。年金生活に困難が生じている場合は、年金生活者向けの給付金の利用も検討しましょう。
 

年金生活者向けの給付金とは?

日本では、年金生活者向けの給付金として「年金生活者支援給付金制度」を利用できます。65歳になると受け取れる老齢年金の受給者の場合、条件に合致すれば「老齢年金生活者支援給付金」の受給が可能です。
 
厚生労働省によると、老齢年金生活者支援給付金では、以下2つの式で求めた金額の合計を毎月受け取れます(給付金額等は令和6年10月時点の金額)。
 

・5310円×保険料納付済期間/480ヶ月
・1万1333円×保険料免除期間/480ヶ月

 
例えば、被保険者月数480ヶ月のうち300ヶ月を納付し、180ヶ月を納付免除してもらっていたとしましょう。この場合の老齢年金生活者支援給付金は「(5310円×300ヶ月/480ヶ月)+(1万1333円×180ヶ月/480ヶ月)」となるため、月に約7569円が支給されます。
 
給付金を支給されるのは、以下の条件を全て満たしている方です。
 

・65歳以上で老齢基礎年金の受給者
・同じ世帯全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金などの収入とほかの所得との合計金額が昭和31年4月2日以降生まれなら88万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれなら88万7700円以下

 
なお、厚生労働省によれば、令和6年度に所得額が前年よりも低下したことなどにより、新たに支給対象となった場合には令和6年9月2日から順次給付金の請求はがきが送付されます。申請をしないと給付金は受け取れないため、はがきが届いたら忘れずに請求しましょう。
 

年金だけで生活が苦しいときは年金生活者支援給付金制度を利用できる可能性がある

70代の平均生活費と収入を比較すると、約2~3万円が不足しています。不足分は貯金から補う必要がありますが、70代は19.2%の方が金融資産非保有との調査結果が出ています。
 
もし貯金もなく、年金生活が苦しいときは年金生活者支援給付金制度を利用できる可能性があります。受給額は保険料の納付期間と免除期間によって変わる点が特徴です。また、所得条件などを満たしていないと利用できません。
 
令和6年から新たに条件を満たし、対象となる方は9月2日から順次請求はがきが送付されるため、自身が該当する可能性のある方は郵便物を確認しておきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表1 二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯の家計収支 -2023年-(17ページ)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
厚生労働省 「年金生活者支援給付金制度」について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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