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「育児休業給付金」の申請が厳格化! 年収400万円の人は、最大「約200万円」の給付金がもらえなくなるって本当? 今秋からの保育園申し込みで“気を付けるべきこと”を解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月24日 5時0分

「育児休業給付金」の申請が厳格化! 年収400万円の人は、最大「約200万円」の給付金がもらえなくなるって本当? 今秋からの保育園申し込みで“気を付けるべきこと”を解説

2025年4月から、育児休業給付金の支給延長審査が厳格化されることが決まりました。保育園をわざと落選して育休期間を長くし、その分給付金を長く受け取るというケースに対応するためです。   これまでの手続きに加えて、保育所などの利用申し込みが「速やかな職場復帰のために行われた」と認められることが必要になり、明らかに育児休業の延長を狙った保育所の利用申し込みの場合は育児休業給付金の支給が延長されなくなります。   本記事では、育児休業給付金の申請の厳格化に伴い、今秋から保育園申し込みで気を付けるべきこと、育児休業給付金の支給を延長できない場合の損失について解説します。

育児休業給付金はどれくらいもらえる?

育児休業給付金は、要件を満たせば、子どもの1歳の誕生日の前々日まで支給されますが、保育所等に入れなかったなどの理由があれば、最長2歳まで期間を延ばし、受給することが可能です。
 
育児休業給付金の支給額は休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)となっています。休業開始時賃金日額とは、育児休業開始前直近6ヶ月(180日)の間に支払われた賃金総額を180で除したものです。
 
例として、年収400万円(月給33万円)の人が育児休業を取得した場合の育児休業給付金を計算してみます。育児休業開始時賃金日額は、1万1000円(33万円×6ヶ月÷180日)となります。
 
育休開始から180日目までの1ヶ月の支給額:
1万1000円×67%×30日=22万1000円
 
育休開始から181日目以降の1ヶ月の支給額:
1万1000円×50%×30日=16万5000円
 
これらを基に、育休を6ヶ月、1年、1年6ヶ月、2年取得した場合の金額をそれぞれ算出します。
 
6ヶ月取得:
22万1000円×6ヶ月=132万6000円
 
1年取得:
(22万1000円×6ヶ月)+(16万5000円×6ヶ月)=231万6000円
 
1年6ヶ月取得:
(22万1000円×6ヶ月)+(16万5000円×12ヶ月)=330万6000円
 
2年取得:
(22万1000円×6ヶ月)+(16万5000円×18ヶ月)=429万6000円
 
なお、給付金の月の上限額は給付率67%で31万5369円、給付率50%で23万5350円となっており、高年収の人でも上限額までしか支給されませんので注意が必要です。
 

2025年4月から1歳以上の育児休業給付金の支給延長申請の際に気を付けるべきこと

前述の通り、2025年4月から、現在の手続きに加えて、保育所などの利用申し込みが「速やかな職場復帰のために行われた」と認められることが必要になりました。「速やかな職場復帰のために行われた」とはどういうことでしょうか?特に注意する点は以下の2つです。

1. 申し込んだ保育所が、合理的な理由なく自宅から通うのに片道30分以上要する施設のみになっていないこと
2. 市区町村に対する保育理由の申し込みに当たり、入所保留となることを希望する旨の意思表示をしていないこと

1の「合理的な理由」とは、保育所が通勤経路の途中にある場合、自宅から30分以内に通える保育所がない、自宅から30分以内の保育所では復帰後の働き方に対応できない、子に疾病や障害があり申し込み不可と言われた(別途医師の診断書や障害手帳の写しが必要)、きょうだいが在籍している保育所と同じ保育所を希望する場合などが該当します。
 
自宅から遠距離にある人気の保育園だけ申請して「わざと」落選するようなケースを防ぐために設けられたものです。
 
また2については、一部の市区町村では入所保留となることを希望する欄がありますが、チェックをすると延長審査に通らなくなりますので、注意が必要です。
 
これらの証明をするために、保育所などの利用申込書の写しが必要になりますので、延長申請するまで保管しておかなければなりません。また本記事の執筆時点では、利用申し込みする保育所数に関する記載はありません。
 

年収400万円の場合、最大で200万円を受給できないケースも

年収400万円の場合、厳格化された上記の審査によって1歳以降の育児休業給付金が延長されなかった場合、1歳1ヶ月目から6ヶ月目まで受給できるはずの月16万5000円(給付率50%)×6ヶ月=99万円が受給できなくなります。また2歳まで延長できたはずの場合は、月16万5000円×12ヶ月=198万円が受給できなくなります。
 
このように、育児休業給付の延長審査に通らないと、年収400万円の人は最大で約200万円の給付金を受けられなくなるケースも考えられます。
 

まとめ

2025年4月からの保育所などの利用申し込みは2024年秋から始まります。
 
現在育児休業中の人や、2025年4月以降の保育所の入所を考えている人は、申し込み時に注意が必要です。育児休業給付金の支給延長を希望する場合は、提出書類や新しい制度についてよく確認するようにしましょう。また、申し込み用紙の写しや電子申請の画面を保管しておくことも忘れないでください。
 

出典

厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続
厚生労働省 育児休業給付金の支給対象期間延長手続き
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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