一人暮らしの高齢の母は足が悪いため、買い出しに行けません。送料が割高でも「ネットスーパー」の利用をすすめるべきでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月26日 3時50分
日々の暮らしに必要な毎日の買い物は、足腰が弱くなったり重いものが持てなくなったりなど、身体の機能が衰えてきた高齢者にとって、負担が大きいかもしれません。 近年、ネット環境が整備されたことでネットスーパーの利用が増えている傾向にありますが、まだ生活に浸透しているとは言えない現状があるようです。そこで本記事では、高齢者のネットスーパーの利用の現状やメリット・デメリットなど解説します。
ネットスーパーの利用の現状
一般社団法人全国スーパーマーケット協会の「2024年版スーパーマーケット白書」において、ネットスーパーを利用したことがあると回答した60代と70代男女の割合を表1にまとめました。
表1
ネットスーパーを利用している割合 | ネットスーパーを評価している割合 | |
---|---|---|
60代の男性 | 20.1% | 28.0% |
60代の女性 | 14.9% | 37.4% |
70歳以上の男性 | 18.6% | 19.9% |
70歳以上の女性 | 15.5% | 30.9% |
※一般社団法人全国スーパーマーケット協会「2024年版スーパーマーケット白書」を基に筆者作成
上記の結果から、60代以上の男女がネットスーパーのサービスを評価する一方で、実際に利用している割合は少ないことが分かります。
ちなみに同調査における30代女性の利用率は28.2%です。これは共働きで子育て世帯の主婦が多く、自宅で手軽に利用できるネットスーパーの利便性を理解し活用している結果だと考えられます。
ネットスーパーを利用するメリット
ネットスーパーを利用するメリットを5つご紹介します。
・天候を気にせずいつでも買い物ができる
・遠く離れた家族の分も注文できる
・最短で当日中に届けてくれる
・重い荷物を持ち運ぶ必要がない
・計画的に買い物ができる
ネットスーパーのもっとも便利な特徴は、購入したものを自宅の玄関先まで届けてもらえることです。天候や体調などに左右されたり、お米や飲料水などの重いものを持ち運んだりする必要もありません。
身内に高齢者がいる家庭で本人による注文が難しい場合は、遠くに離れた家族が代わりに注文することもできます。
また自宅から注文ができることで、24時間365日気がついたときに買い物ができます。足りないものを確認しながら買い足すなど計画的に買えるため、無駄な買い物を減らせる可能性があります。
ネットスーパーを利用するデメリット
一方、ネットスーパーを利用する際に考えられるデメリットは以下の通りです。
・パソコンやスマホの操作が必要になる
・実物を見て選べない
・実店舗で購入するより割高な場合がある
・配送料がかかる場合がある
・最低購入金額が設定されている場合がある
高齢者がネットスーパーの利用をする上でもっとも大きなネックとなるのは、スマホやパソコンの操作だと考えられます。そのため、本人に代わって注文してくれる人や、分からないことを教えてくれる人が周りにいれば、利用してみようと思うかもしれません。
自分の目で確かめて購入したいと考える人にとって、スタッフが選んだものを届けてくれるネットスーパーのサービスは、積極的に活用したいものではない可能性もあります。
また、ネットスーパーを利用する際は、最低注文価格が設定されていたり、送料がかかったりする場合もあります。
体が不自由な高齢者にとってネットスーパーの利用はおすすめ! しかし使用方法を教えるなどのサポートも必要
年齢を重ね、身体の機能が衰えてきた高齢者にとって、わざわざ店舗に行く必要がないネットスーパーはとても便利なサービスのひとつです。
しかしスマホやパソコンの操作が必要なことから実際の利用率はまだまだ低く、ネットスーパーを評価する一方で敬遠している高齢者が多い実態がうかがえます。
これらのデメリットをカバーするためには、周りの人が代理で注文したり、使い方を教えたりしてサポートするとよいでしょう。
お米や飲料水などのような重たいものでも玄関先まで持ってきてくれたり、体調や天気に関係なく必要なものが買いそろえられたりするなどのメリットを体感することで、ネットスーパーの利用を前向きに検討する可能性が高くなると考えられます。
出典
一般社団法人全国スーパーマーケット協会 2024年版スーパーマーケット白書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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