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父の貯金は「1000万円」で、実家は築40年です。将来的に「相続税」はかからないと思うのですが、なにか“注意点”はあるのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月26日 5時20分

父の貯金は「1000万円」で、実家は築40年です。将来的に「相続税」はかからないと思うのですが、なにか“注意点”はあるのでしょうか…?

親が高齢になると、心配になるのが「相続税」ではないでしょうか。しかし、親の貯金が1000万円程度で、築40年の実家があるだけなら、相続税はかからないだろうと思う人もいるかもしれません。   本記事では、こうした具体的なケースをもとに、相続税の基礎と見落としがちなポイントを解説します。

基礎控除額までの財産なら課税されない

まず押さえておきたいのが、相続税の基礎控除額です。これは、相続財産のうち、相続税がかからない部分の金額のことで、計算方法は以下の通りです。
 
基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数
 
例えば、父親が亡くなり、母と子ども2人が相続人の場合
 
3000万円+(600万円×3人)=4800万円
 
つまり、相続財産の合計額が4800万円以下なら、相続税はかかりません。
 
本事案のケースでは、貯金が1000万円なので、それ以外の財産が3800万円を越えていなければ非課税です。
 

築40年の実家の評価額を確認しよう

相続で重要となる自宅の価値は、固定資産税評価額と同じ額で計算されます。築40年の木造住宅の建物自体の評価は、ほぼゼロとみなされるケースが一般的です。
 
その主な理由は2点あります。
 

法定耐用年数

木造住宅の法定耐用年数は22年と定められています。築40年を超えると、法定耐用年数を大幅に超えてしまい、建物としての経済的な価値がほぼなくなると考えられるためです。
 

経年劣化

40年の間に、建物はさまざまな部分で劣化が進み、修繕費用が膨大になる可能性があります。また、最近の住宅と比べて、地震に強い構造や断熱性能が劣っていることが多く、住み心地が良くない可能性があります。
 
そのため、評価はゼロとみなされることから、築40年の実家は相続税の対象とならない可能性が高いでしょう。
 
ただし、次の点に注意する必要があります。

・建物がきれいに保たれている
 
・老朽化が少ない
 
・維持管理費用があまりかからない

これらの条件を満たしていれば、家の価値が少し上がるかもしれません。つまり、必ずしも価値がゼロになるわけではないことを頭に入れておくとよいでしょう。
 

見落としがちな相続財産とは?

相続税の計算において、現金預金や不動産だけが対象になるわけではありません。株式や債券、車や美術品など、亡くなった人から受け継いだ財産は全て相続財産です。
 
その中でも特に見落としやすい財産には以下のようなものが考えられます。

・ネット銀行にある預金
 
・暗号資産(仮想通貨)

これらは預金通帳がなく、本人がネット上で管理している場合が多く、関係書類が家にない場合はその存在自体が見つけにくい可能性があります。
 
また、親が子どもの名義でしていた定期預金も相続財産になる場合があります。名義が親ではないため該当しないと思うかもしれませんが、親のお金で預金をしていたなどの事情があると、相続財産としてみなされる可能性があります。
 

早めに財産を確認しておこう

親の財産が、貯金1000万円と築40年の実家だけの場合は、相続税の心配はあまりないかもしれません。しかし、子どもが知らない財産が隠れていることもあります。
 
そのため、親が元気なうちに家族で財産の情報を共有し、正確な情報をもとに相続の準備をしておくことが大切です。
 
相続の話は切り出しにくいものかもしれません。しかし、もしもの時に慌てないためにも、家族で少しずつ話し合ってみるとよいでしょう。
 

出典

国税庁 No.4155 相続税の税率
国税庁 No.4602 土地家屋の評価
国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表
 
執筆者:渡邉志帆
FP2級

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