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「NISA」vs「iDeCo」老後資金を用意するならどちらがおすすめ?「月1万円」しか積み立てられない場合に選ぶべきは? メリットや節税効果を解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月27日 4時30分

「NISA」vs「iDeCo」老後資金を用意するならどちらがおすすめ?「月1万円」しか積み立てられない場合に選ぶべきは? メリットや節税効果を解説

2024年からNISA(少額投資非課税制度)が大きく改正され、使いやすくなりました。これを機に資産運用を始めたという人も多いのではないでしょうか。一方でiDeCo(個人型確定拠出年金)という名前を聞いたことがある人もいるでしょう。   老後の資金を準備するのに「NISA」と「iDeCo」のどちらを利用すべきか、悩む人もいると思います。特に資産運用に回せる金額が限られている場合、その選択は重要です。本記事では毎月1万円しか積立てられない場合に、どちらの選択がより効果的なのかを考えてみます。

NISAとiDeCoの特徴

NISAは少額投資非課税制度の名前通り、運用益が非課税になる制度です。主に投資信託へ投資するための「つみたて投資枠」と、個別株などに投資できる「成長投資枠」があります。現在のNISA制度では、両方の枠を併用することができ、合計で1800万円(成長投資枠の上限は1200万円)まで非課税枠として利用できます(図表1参照)。
 
iDeCoと比較した際のメリットは、運用資金の引き出しが容易であることや、投資可能な商品が豊富であることが挙げられます。
 
図表1

図表1

金融庁 NISA特設ウェブサイト
 
一方、iDeCoは個人型確定拠出年金という性質上、資産運用よりも年金制度としての側面が強くなっていますが、NISAと同様に運用益が非課税になるメリットもあります。
 
NISAにはないメリットとして、拠出金額が全額所得控除になる点が挙げられます。ただし、iDeCoは購入商品の配分を変更したり、保有商品の売買(スイッチング)したりすることは可能ですが、積み立てた資金は原則として60歳まで引き出すことができません。
 

毎月1万円なら、おすすめしたいのはNISA

NISAとiDeCoのどちらを利用するのが良いかに正解はありませんが、毎月1万円しか拠出できない状況を考えると、まずはNISAを利用するのが良いと思います。
 
NISAとiDeCoどちらを利用すべきか選ぶときに考えるポイントは以下の3つです。

●将来的に運用資産が急に必要になることはないか?
●節税効果がどれだけ発生するのか?
●iDeCoに運用したい商品があるか?

まず、運用資金が急に必要になる可能性があるかどうかが重要です。例えば、病気になって入院費が必要になったり、子どもが増えて教育費が増えたりなど、様々な理由が考えられます。預貯金が少なく、運用していた資金を使う可能性があるなら、NISAを選ぶのが無難です。
 
毎月1万円しか積立できないという場合、生活に余裕がない人が多いかもしれません。そのような場合、引き出しができないiDeCoを利用するのはリスクとなります。
 
次に、節税効果について考えてみます。毎月1万円で年間12万円拠出し、所得税率と住民税率がどちらも10%の場合、iDeCoなら1万2000円×2で2万4000円の節税効果があります。拠出金額が多い・所得税率が大きいと節税効果も高くなりますが、節税効果が小さい場合はiDeCoのメリットも大きくありません。
 
また、iDeCoは口座管理料などの手数料が必要になるので、実際の節税効果は若干低くなります。手数料は金融機関によって異なりますが、毎月数百円、年間で数千円程のコストがかかります。金融機関ごとの特徴を知りたい方はiDeCoナビなどで調べてみてください。
 
最後に、そもそもiDeCoを利用する金融機関で自分が投資したい商品が取り扱われていない可能性もあります。iDeCoは金融機関によって取扱商品にかなり差があるため、事前によくチェックしてから利用する金融機関を選びましょう。
 
これらの理由から、NISAよりもiDeCoを利用するほうが良いと考えられるのは以下の条件をすべて満たす人です。

●NISAであれば、つみたて投資枠を利用したい
●NISAで投資したい商品がiDeCoの金融機関でも取り扱っている
●途中で売却などを考えずに、60歳もしくはそれ以降まで保有し続ける
●途中で運用資金が必要になることはない
●iDeCoの上限まで拠出可能(拠出上限が大きい自営業の人などは除く)

 

少額の併用はおすすめしない。まずは運用目的を考えましょう

NISAとiDeCoのメリットが異なるため、どちらも併用しようと考える人もいるかもしれませんが、資金が少額の場合、併用はあまりおすすめできません。前述した通り、2つの制度はそれぞれ特徴が違うからです。
 
特に、iDeCoとNISAのつみたて投資枠を併用するのはメリットが小さくなります。iDeCoは拠出金の上限があるので、iDeCoで投資できない分をNISAに回すという使い方は問題ありませんが、少額のiDeCo利用はメリットがほとんどありません。
 
まずは、なぜ資産運用をするのか、どのような投資戦略にするのかを考えてから、利用する制度を決めるのが良いでしょう。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト
iDeCo公式サイト
 
執筆者:御手洗康之
CFP、行政書士

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