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所属部署が「完全在宅勤務」となり、週5日テレワークです。意外と「電気代」がかかるのですが、会社に請求することは可能なのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月28日 5時20分

所属部署が「完全在宅勤務」となり、週5日テレワークです。意外と「電気代」がかかるのですが、会社に請求することは可能なのでしょうか?

在宅勤務では、出社の手間が省ける、自由な時間が増えるなどのメリットがあります。しかしその分、これまでの社内業務を全て自宅で行うことになるため、多くの電力を消費することになります。   入社時点で完全在宅勤務として雇用された場合には、在宅勤務分の電気代が手当に入っている人もいます。では、雇用途中で完全在宅勤務となった場合は電気代を会社に請求できるのでしょうか。   本記事では、在宅勤務でかかる電気代とその種類、出社と比べたときの負担の差、請求可否について解説します。

在宅勤務時に使用する電化製品

まずは、在宅勤務時に使用する電化製品とその消費電力を見ていきましょう。
 

・ノートパソコン:20ワット~30ワット
・デスクトップパソコン:50ワット~150ワット
・モニター:11ワット
・照明(白熱電球):60ワット
・エアコン(冷房):580ワット(立ち上げ時1400ワット)
・エアコン(暖房):660ワット(立ち上げ時2000ワット)

 
会社と同じ環境で働くと、これらの電化製品を使用します。次に、これらの電気代はそれぞれいくらになるのかを計算してみましょう。
 

在宅勤務時にかかる電気代

電気代の計算式に当てはめていきます。
 
電気代=電化製品の消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×電気代単価(円/kWh)
 
電気代の単価は電力会社・料金プランによって異なります。今回は「全国家庭電気製品公正取引協議会」が公表する「新電力料金目安単価」にのっとり、1キロワットアワーあたりの電気代を単価31円にて計算します。
 

電気代算出のための環境設定

・使用電化製品:デスクトップパソコン、モニター、照明(白熱電球)、エアコン(冷房)
・勤務時間:9時~18時(休憩時間を含め9時間)
・月労働日数:20日

 
休憩時間の1時間の間もパソコン・モニターはじめ各電化製品の電源は落とさないものとします。
 
・デスクトップパソコン
150ワット÷1000×9h×31円=約40円
 
・モニター
11ワット÷1000×9h×31円=約3円
 
・照明(白熱電球)
60ワット÷1000×9h×31円=約16円
 
・エアコン(冷房)
立ち上げ時 1400ワット÷1000×1h×31円=約43円
通常運転中 580ワット÷1000×8h×31円=約143円
 
エアコンは立ち上げの際に一番多くの電気を消費します。今回は部屋を冷やすのに一番電力を消費する立ち上げ後の1時間と、その後室内温度が安定し消費電力が落ち着く8時間で分けて計算をしています。
 
勤務日の電気代の合計:約245円
 
1ヶ月間の在宅勤務中にかかる電気代の合計は245円×20日間で、4900円です。週5日間在宅勤務になることで、プラスで5000円近くも電気代が増えることが分かりました。
 

電気代は請求できるのか?

結論としては、電気代の請求は可能です。しかし、電気代に限らず、会社と労働者のどちらが経費を負担すべきかを定めた法律はありません。そのため、在宅勤務にかかった電気代を請求するには、会社と協議の上でルール設定や就業規則、給与規定に定める必要があります。
 
人事院の調査によると、令和4年の職種別民間給与実態調査における在宅勤務手当の支給率は28.2%です。少ない数値ではありますが、在宅勤務を実施している企業の4分の1近くで支給されています。
 
ただし、手当の支給形式によっては、給与の課税対象となるケースがあります。手当が付くもののその分課せられる税金が増えることがあるため、手当が支給される際は前後の税額をチェックしておきましょう。
 

フルリモートで負担が増えるならば、会社との協議が必要

テレワークは普段の暮らしの延長のように感じますが、使用する電力を計算してみるとプラス5000円もの電気代がかかります。季節によっては、電気ストーブや加湿器、サーキュレーターなどを使用する場合もあります。人によっては、Wi-Fiやスマートフォンの契約形態を変更する人もいるのではないでしょうか。
 
会社側からの動きがないようでしたら、労働者側から打診するのも手段の1つです。労使双方の歩み寄りをもって、納得のいく働き方を目指しましょう。
 

出典

東京電力エナジーパートナー 家電製品の消費電力について知りたい
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
人事院 民間給与の実態(令和4年職種別民間給与実態調査の結果)
 
執筆者:田中美有
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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