1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「子どもは2人ほしい」は、“お金持ち”でないとかなわない夢?! 児童手当の増額や大学無償化は3人目から…子どもが2人いると教育費はいくら?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月29日 2時0分

「子どもは2人ほしい」は、“お金持ち”でないとかなわない夢?! 児童手当の増額や大学無償化は3人目から…子どもが2人いると教育費はいくら?

現在、2歳の子がいるAさんご夫婦から「2人目をほしいけれど、教育費や生活費が不安です。うちの家庭では1人しか無理な気がします」との質問をいただきました。たしかに、児童手当の増額や大学の無償化など少子化対策は拡充されていますが、いずれも“子どもが3人以上”という条件があります。   そこで、子ども2人いる家庭の教育費についてお答えしました。

子ども1人あたりの教育費は

まずは、文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」より各年代において、どれだけの教育費がかかっているのかをお伝えします。調査では年間額で発表されていますが、分かりやすいように月額に換算しました。(1)の表の金額は、通学費、制服代や修学旅行代、クラブ活動費等含む学校費用のみの金額です。公立の小学校と中学校は給食費も含まれています。
 
一方、(2)の金額は、(1)の学校費用と塾や習い事、キャンプなどの体験活動、水族館などの入園料など学校以外の費用の合計です。
 

 

 
大学費用も考えるなら、学費は国公立なら約250万円、私立大学なら約450〜600万円です。進学先はまだ不明でしょうから、目安として500万円を見ておくとよいでしょう。
 
しかし、児童手当が総額で200万円支給されますから、それを大学資金に充てるなら、実質の自己負担は300万円です。0歳から準備するなら、児童手当に加えて300万÷18年÷12ヶ月=1.4万円を毎月積み立てれば良いという計算です。この積立額も考えて、毎月いくら子ども費用がかかるのか考えると良いでしょう。
 

支出と収入をコントロールするのは自分自身

ここまで、教育費の概要をお伝えしてきましたが、おそらく(1)の金額に大学の積み立てを加算して考えたとしても、子どもが1人増えたからといって負担が大きすぎるというほどの金額にはならないと思います。一方、(2)の金額で考えると、子どもが1人増えると、家計への影響は大きいかもしれません。
 
しかし、そもそも支出の配分は自然と変わります。夫婦それぞれの趣味代、美容院代、洋服代、それらに伴う交通費など、毎月いくらくらい使っているでしょうか。意識している人は少ないものですが、子ども1人分の教育費程度は支出しているのではないでしょうか。
 
しかし、子どもが増えるとこれらにかける時間がなくなるので、支出もできなくなります。したがって、親のこれまでの支出は子どもに向けられるのが一般的です。
 
とはいえ、親の支出が減るからOKという単純な話でもありません。表を見ていただきたいのですが、(1)の金額と(2)の金額の差額は、親がコントロールできる金額です。必ずかかる費用ではありません。よそはよそ、うちはうちです。周囲に流されると、無駄な支出が本当に多くなります。
 
また、子どもにお金をかけてあげたいと思うなら、収入を増やすという方法を考える必要があるでしょう。多くの家計を見てきた経験からいうと、当然ですが、夫婦とも正社員の家庭より夫婦の一方が扶養内で働いている家庭の方が、生活がカツカツという状況が多いです。
 

何を優先して支出するか

さて、質問において気になったのが「お金持ち」という言葉です。お金持ちとは、高所得者を指すのか、貯蓄が多い人を指すのか、あるいはその両方なのかは不明ですが、「お金持ち」でないとかなわないということは、絶対にありません。
 
子どもが2人の家庭はたくさんありますが、では、その家庭はすべて「お金持ち」なのか、というと違うでしょう。
 
最も大切なのは、ご相談者自身が「何を優先するのか」です。先ほど、収入を増やす必要性をお伝えしましたが、収入を増やしてまで子どもはいらないと思うなら、1人で良いのではないでしょうか。
 
また、極端な例ですが、子どもは小学校から私立に行かせたいけれど、2人になると行かせるお金がない、私立に行かせられないなら子どもは1人で良いという考えもあるでしょう。一方で、私立に行かせたかったけど、2人ほしいから公立でも良しという考えもあるでしょう。
 
つまり、ご自身が子どもにかけてあげたいお金と子どもが2人いる家庭、どちらを優先するかが重要であって、お金持ちであることは重要ではありません。余談ですが、高所得者は生活水準が高いため、貯蓄ができないと悩んでいる家庭は珍しくありません。
 

家計の基本を守ることが大切

家計の基本は、収入範囲内で支出をすることです。したがって、収入の範囲内でおさまるように子どもを育てれば良いわけです。とはいえ、大学費用はその時の収入では支出できないほど金額です。そのため、子どもが生まれたら準備する必要があるのです。
 
子育ての途中では、予想外の支出が発生するかもしれません。その時は、その都度計画を練り直す必要があります。計画を練り直す際に、さらに厳しい状況に陥らないために、早めに適切な金額を準備することが大切なのです。子どもが2人いて良かった、幸せと思える家計運営はお金持ちでなくても可能です。
 

出典

文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 調査結果の概要
 
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください