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住宅の省エネ性能が分かる「省エネ性能ラベル」って知ってる?2024年4月から「建築物の省エネ性能表示制度」が開始されています。

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月30日 7時0分

住宅の省エネ性能が分かる「省エネ性能ラベル」って知ってる?2024年4月から「建築物の省エネ性能表示制度」が開始されています。

2050年までの「カーボンニュートラル」に向けたさまざまな取り組みが、すでに開始されています。   環境省によると、2021年度における住宅などの建築物を利用することによる二酸化炭素(CO2)の排出量は、日本国内の排出量全体の約3分の1を占めるとのことです。建築された住宅などの建築物は、基本的には長期間利用されるため、その環境に対する影響も長期に及ぶことになります。   そのような状況のなか、2024年4月より「建築物の省エネ性能表示制度」が開始され、広告等で「省エネ性能ラベル」の表示を見かけることも増えています。本記事では、当制度の概要などについて確認します。

制度の対象となる建築物

建築物の省エネ性能表示制度は、2024年4月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」が施行され、開始されました。
 
対象となる建築物は、大別すると「住宅(住戸・住棟)」「非住宅建築物」「複合建築物」の3つであり、一戸建て住宅、分譲マンション、賃貸住宅、貸事務所ビルなどのうち、販売や賃貸目的の建築物が対象となります。
 
また、基本的には2024年4月以降に建築確認申請を行う建築物を対象としており、2024年3月以前に建築確認申請を行った建築物は対象外とされていますが、省エネ性能を評価している場合には表示することが望ましいとされています。
 

表示する努力義務を課される事業者

表示に関しては、現状は「努力義務」とされています。その対象は、建築物の販売や賃貸を行う事業者です。例えば、アパートやマンションを所有するオーナーが反復継続して賃貸している場合には、オーナーが個人であっても「事業者」となるため、努力義務の対象となります。
 

表示する発行物や内容

表示する発行物は、「省エネ性能ラベル」と「エネルギー消費性能の評価書」の2種類です。
 
広告等の媒体でよく見かけるのは、図表1のような「省エネ性能ラベル」です。ラベルの表示内容は、建築物の種類や発行方法(自己評価と登録BELS機関による第三者評価)などの違いにより異なっています。
 
図表1


(国土交通省「新しい「建築物の省エネ性能表示制度」が始まります!」より)
 
事例として、図表1のような「住宅(住戸)」の場合、「第三者評価」に基づく表示内容は以下のとおりです。
 

(1)再エネ設備あり/なし

再エネ設備(太陽光発電・太陽熱利用・バイオマス発電等)が設置されている場合に「再エネ設備あり」と表示できます。
 

(2)エネルギー消費性能(必須項目)

国が定める省エネ基準からどの程度消費エネルギーを削減できているかを見る指標(BEI)を、星の数で示しています。ZEH水準には、星3つ以上を達成することが必要です(太陽光発電を考慮しない)。
 

(3)断熱性能(必須項目)

「建物からの熱の逃げにくさ」と「建物への日射熱の入りやすさ」の2つの点から、建物の断熱性能を見る指標を7段階で表します。ZEH水準には5以上の評価が必要となります。
 

(4)ZEH水準

エネルギー消費性能が星3つ、かつ断熱性能が5以上で、「達成」のチェックマークが付きます。
 

(5)目安光熱費

国が定める計算方法で算出された電気・ガス等の年間消費量に、全国統一の燃料等の単価を掛け合わせて算出した1年間の光熱費を、目安として表示します。
 

(6)ネット・ゼロ・エネルギー(ZEH)

ZEH水準の達成に加え、太陽光発電の売電分も含めて、年間のエネルギー収支がゼロ以下で「達成」のチェックマークが付きます(第三者評価の場合のみ表示)。
 

(7)自己評価・第三者評価

省エネ性能の評価が、販売・賃貸事業者による自己評価か、第三者評価であるかを表示するものです。なお、エネルギー消費性能の評価書は、ラベルの表示内容を詳細に解説したもので、実際の契約の際には評価書による説明が望ましいとされています。
 

まとめ

表示制度のメリットは、購入または賃貸しようとしている物件において、省エネ性能の概要が一目で分かる点にあります。
 
実際には、省エネ性能が高い物件は高断熱性・高気密性のある場合が多く、光熱費の節約やメンテナンスの負担が軽減されるなどのメリットが得られるでしょう。今後、住戸などの購入や賃貸の際には、「省エネ性能ラベル」の表示の有無に注目してみましょう。
 

出典

国土交通省 新しい「建築物の省エネ性能表示制度」が始まります!
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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