課長から“部長”に昇格した46歳の妻から「家庭に入ってほしい」と言われました。私は10歳年下で“主任”ですが、妻の希望を聞くべきか悩んでいます…
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月29日 1時30分
女性の社会進出が徐々に進んでいる昨今、結婚してからも仕事を続けたいと考える人もいるでしょう。中には妻が部長に昇格して忙しくなったため、夫に専業主婦になってほしいと考えるケースもあるようです。 そこで今回は、働く女性の意識や男性が専業主夫になることに対する意見について調べてみました。専業主夫になる際に考えておきたいポイントもご紹介しますので、参考にしてください。
結婚後の働き方は? 働く女性の本音
特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が実施した「働く女性のくらしとお金に関する調査」によると、働く女性に働くことについての意識に関する2つの内容のうち自身はどちらに近いか質問し、以下の回答がありました。
・外に出て働いていたい:62.2%
・家庭のことに注力していたい:37.8%
働き方については「働くなら、バリバリ働きたい」と回答した人が32.4%と一定数いることが分かります。また未婚女性の70%は結婚後も仕事を続けたいと回答し、結婚後は仕事を減らしたいかどうかについては「そう思わない」人が28.8%いたようです。
近年は性別による役割分担にとらわれないジェンダーフリーの考え方が浸透していて「結婚後に(夫が望むなら)夫が専業主夫になってもいいと思うか」の問いへの回答は以下の通りです。
・そう思う:36.3%
・そう思わない:63.7%
女性の結婚後の働き方にはさまざまな意見がありますが、出世を目指している人や夫に専業主夫になってほしいと考える人も一定数いることが分かります。
夫が専業主夫になることに関する男性の意見は?
男性が専業主夫になってもいいと考える女性が36.3%いることが分かりましたが、男性の意見はどうでしょうか。タメニー株式会社が20~30代の未婚男性に対して実施した「『ジェンダー別役割』に関するアンケート」では、結婚相手から「自分が稼いでくるので専業主夫になってほしい」と言われたらどうするかの回答は以下の通りです。
・専業主夫になる:49.2%
・専業主夫にはならない:19.7%
・分からない:31.2%
専業主夫になる場合の条件については以下の通りです。
・条件なし:41.7%
・相手の年収が500万円以上なら:34.9%
・相手も家事育児に参加してくれるなら:25.1%
・両親や友人など周囲の反対がなければ:20.3%
・それ以外の条件:0.7%
同調査から、妻が望むのであれば専業主夫になってもいいと考える男性は半数近くいることが分かります。
男性が専業主夫になる際に考えておきたいポイント
専業主夫になることを選択する場合には、以下のポイントを考えておくことも大切です。
・妻の収入だけで生活していけるか
夫が仕事を辞めることで世帯収入は大幅に減ることが考えられます。家計収支を見直して、妻の収入だけで生活していけるか確認することは重要です。今後のライフイベントなども考慮に入れながら、世帯収入の目標を決めるといいでしょう。
・家事育児は決して楽ではない
家事育児に協力的な男性も増えているとはいえ、専業主夫になると「思っていたよりもきつい」と感じるかもしれません。仕事を続ける妻がどれくらい家事育児に参加してくれるかを確認しておくことも大切です。
老後に必要な資金も確認しながら専業主夫になるか検討することが重要
専業主夫になる場合には、現在の状況だけでなく老後に必要な資金も踏まえて考えることが重要です。妻が定年退職し再就職や再雇用がなければ、年金収入と貯蓄のみで老後資金を賄う必要があります。
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、消費支出の平均が25万959円、非消費支出は3万1538円であることが分かりました。一方で実収入の平均は24万4580円なっています。そのため、65歳以上で無職の夫婦世帯では毎月3万7917円が不足しているという計算です。
上記の不足額を補うために、老後も働くか、貯金を崩しながら生活していかなくてはならないでしょう。専業主夫になった場合に必要な資金を貯められるかどうか、夫婦で相談をしながら検討することをおすすめします。
男性が専業主夫になることを肯定する意見あり! 妻の収入や自身の家事・育児スキルをよく考えて検討しよう
ジェンダーフリーの考え方が浸透してきている昨今、男性が専業主夫になることを肯定する意見も増えているようです。本記事でご紹介した調査によると、女性の36.3%、男性の49.2%が、専業主夫に肯定的な意見を持っていることが分かりました。
男性が専業主夫になる場合は、妻に十分な収入があるかを確認して、今後のライフイベントも考慮しつつ生活が苦しくならないようにする必要があります。また家事育児は決して楽ではないことも理解して、自身のスキルや妻がどれほど協力できるかもよく話し合ったうえで決定するといいでしょう。
出典
特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 働く女性のくらしとお金に関する調査2020
タメニー株式会社 「ジェンダー別役割」に関するアンケート調査(PR TIMES)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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