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吉野家の「牛丼」って、作るより安いですよね? 牛肉1パック「500円」以上するのでお得だと思うのですが、実際どうなのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月30日 2時30分

吉野家の「牛丼」って、作るより安いですよね? 牛肉1パック「500円」以上するのでお得だと思うのですが、実際どうなのでしょうか?

最近はインフレが影響して値上げ傾向が続いていますが、それでも「並盛」1杯が500円以下(吉野家では執筆当時、税込498円)で提供される全国チェーン店の牛丼はまさに庶民の味方と言えます。   外食より自炊の方が経済的だとは言われますが、牛肉1パックで500円を超えることが珍しくない今日において、牛丼は外食と自分で手作りする場合、どちらが安くなるのでしょうか。筆者が最近作った「手作り牛丼」のレシピをもとに、実際に計算してみました。

自宅で牛丼を料理すると、どれくらいの費用・時間がかかる?

筆者は最近、近くのスーパーで「国産牛の切り落とし」が半額セールで安く手に入ったため、牛丼を家庭で自作しました。その際に必要だった食材とその税込み価格、レシピはおよそ以下の通りでした。
 


(材料・10人前)

国産牛切り落とし 800グラム(約1500円)
牛脂 適量 (無料)
玉ねぎ 大1個半 (約120円)
くるま麩 半パック(約80円・油揚げでも可)
だし昆布 1枚 (約20円)
干しシイタケ 30グラム (約100円)
しょうゆ 100cc (約20円)
料理酒 100cc (約20円)
みりん 50cc (約15円)
砂糖 40グラム (約10円)
紅ショウガ 1パック(約100円)

 


(筆者流・牛丼レシピ 製作時間・約30分)

1、だし昆布、干しシイタケは適量のぬるま湯で戻しておく。
2、フライパンに牛脂を熱し、脂が出たら牛肉を加えて軽く炒める。
3、くし切りにした玉ねぎを加え、さらに炒める。
4、水で戻した昆布を細長く切り、フライパンに加える。
5、戻した水ごと干しシイタケを加え、調味料もまとめて加え、煮る。
6、全体がしんなりするまで煮たら、輪切りにしたくるま麩を加えて全体を混ぜる。
7、水分が適当な量になったら火を止めて、「アタマ」のでき上がり。
8、別に炊いておいた白米をどんぶりに盛って「アタマ」を乗せ、お好みで紅ショウガを添えて、いただく。

上記のように作成した場合、牛丼の「アタマ」10人前で材料費合計は1985円、1人前あたり198.5円です。それに1人前の白米1合分(精米で150グラム・約30円)の価格を加えると、材料費のみで1人前228.5円(税込み)という結果でした。これに加えて若干の光熱費がかかりますが、およそ250円あれば1人前の牛丼が作れそうです。
 
筆者は料理が趣味であるため、自分が料理をする時間を「人件費」として考えることはためらわれますが、実際は料理人が牛丼の作成に費やした時間分の人件費も考慮すべきです。
 
この原価に筆者の人件費(やや多めに「時給3000円」と設定すると、調理時間30分・片付け時間を10分として、10人前作って2000円。1人前あたりだと200円。)を加えていくと、手作り牛丼1杯あたりの価格は「約450円」となります。
 
それでも、現在のチェーン店で提供される「牛丼並盛」と比べ、1人前あたり50円ほど安くなるという結果になりました。
 
また、今回ご紹介したレシピでは国産牛を使用し、具材もチェーン店のものより豊富に使用していますので、「チェーン店どおり」のレシピに添い、安価な牛肉を購入できれば、さらに原材料費が削減できそうです。
 

外食を利用する理由は「安いから」だけではない

ただ、筆者としては「節約のために、安く外食で食べられる牛丼などでも必ず自炊をするべきだ」とは思いませんし、ファイナンシャル・プランナーとしても積極的にはおすすめしません。
 
安価な外食を活用するメリットは「安いから」だけではなく、出先で即座に食事ができること、家事の時間を節約できることなどもあるからです。仮に、仕事で一刻を惜しむような状況であれば、節約家の私であっても気軽に外食を利用するでしょう。
 
仕事以外の面でも、家庭の用事などで疲れ切ってしまった場合、体調がすぐれない場合、睡眠時間を多めに確保したい場合など、外食やできあいの総菜などはためらわずに利用するべきだと筆者は思います。
 
実際には栄養バランスなども考慮したいところですが、自分の今の状態における優先順位を誤らず、最も満足ができる選択をしたいものです。
 

まとめ

牛丼を実際に家庭で作ってみると、人件費を含めても1人前450円程度あれば作成できるため、「牛丼並盛」1杯が500円程度するチェーン店で外食するよりは、若干安く済むと言えます。
 
ただし、いくら節約のためだとは言え、家事に取られる時間が貴重である場合や、仕事が忙しい場合などにおいても必ず自宅で料理をする・弁当を持っていくという選択をすることは、決しておすすめできません。
 
考え方を変えれば、外食をすることで「1食あたり、ほんの数十~数百円」で、食事に関する一連の家事を1回パスできるとも言えます。料理が不得意な方、片付けにストレスを感じる方であればなおさら、これは大きなメリットになることでしょう。
 
外食をするときは、それが今の自分にとってどのようなメリットになるのかを頭に置いておきたいものです。
 

出典

吉野家ホームページ 牛丼
 
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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