「株主優待」目的の投資ってアリですか? とりあえず「損」しなければいいと思うのですが、何を意識すべきでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月30日 4時40分
新NISA制度が始まり投資も普及してきていますが、株主優待制度に魅力を感じている人も多いのではないでしょうか。 本記事では株主優待制度の概要、株主優待制度を受けるためにはどうすればよいのか? 有名な株主優待銘柄や株主優待をメインにした投資ってアリ? だけど損はしたくないと考える人が注意するべきことについて解説します。
株主優待制度とは?
株主優待制度とは、株式会社が株主に対して品物やサービスを提供したりする制度です。優待内容は自社製品やお米、食事券、ギフト券、割引券、図書カードなどさまざまです。
ただし、企業によっては優待制度がない場合もあります。楽天証券で株主優待制度を実施している企業数を検索したところ、東証プライム企業(1643社)で688社ありました。
また、株主優待は保有株式数や保有年数によって優待内容が変わる場合もあります。基本的には長期保有または大量保有したほうがお得な優待が受けられる仕組みとなっています。
株主優待を受けるためにはどうすればよい?
株主優待は、権利確定日にその企業の株式を一定数保有することで受けることができます。
ただし、権利確定日に株式を買うのではなく、権利付き最終日(権利確定日の2営業日前)までに株を買って、翌営業日(権利落ち日)まで株式を保有している必要があります。
権利確定日は優待や配当を取得する権利を保有する株主として登録される日のことで、主にその企業の決算日などが該当します。権利確定日は企業ごとに異なるので、株主優待を受けるためには自分で各企業の権利確定日を調べる必要があります。
有名な株主優待銘柄とは?
有名な株主優待銘柄としては以下のような銘柄が挙げられます。
・イオン(株主優待カード買い物3~7%還元など)
・全国保証(クオカードまたはカタログギフト)
・日本ハムホールディングス(自社グループ製品)
・すかいらーくホールディングス(自社グループレストラン株主優待カード)
・日本マクドナルドホールディングス(食事優待券)
・KDDI(カタログギフト、2025年度からは自社関連サービスに変更)
このように株主優待の内容は企業ごとに多種多様となっていますので、自分に合った株主優待を探すのも優待株投資の楽しみ方の1つといえます。
「もうけるよりも株主優待をメインに」はアリ? 何に気を付けたらよい?
株式投資は一般的にお金を増やすこと目的に実施している人がほとんどだと思いますが、もうけよりも株主優待でお得感を得るほうが幸福だと感じるなら、株主優待をメインにするのもアリですし、その企業のサービスや商品の使用頻度が高ければ、通常の投資よりもお得になる可能性はあります。
しかし、株主優待制度は自社製品や金券などを株主へ発送するための梱包(こんぽう)作業や配送料がかかり、企業にとってはお金も手間もかかる制度です。
そのお金と手間を配当金の増額や自社株買いに使用したほうが効率的であること、外国に住む投資家は株主優待を受けることができないので、株主還元の公平性を保つため、また、東証再編による上場維持要件の緩和により、株主優待制度で個人株主を増やす必要性が薄れたことなどから株主優待を廃止する企業も増えています。
ある日突然、優待内容の変更や廃止が発表されると、株価下落と優待改悪(または廃止)のダブルパンチをくらう可能性がありますので、注意が必要です。
まとめ
株主優待制度は多くの企業で採用されている制度です。
よく使用する商品やサービスを優待でお得にゲットできるのがメリットと言えますが、前記のような背景から株主優待制度の改悪や廃止が発表されるケースも増えています。
その場合は優待廃止だけでなく株価も下がり、結果的に損をしやすいという性質もあります。
「自分が何のためにこの企業の株を買うのか?」を明確にし、企業業績を注視することで優待廃止や改悪の前触れに気づく努力ができるのなら、優待目的投資でも損をする可能性を小さくすることができると考えます。
出典
日本取引所グループ 上場会社数・上場株式数
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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