祖父が相続対策として毎年「100万円」を渡してくれるようです。基礎控除以内だし、毎年受け取っても「税金」はかかりませんよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月2日 2時30分
生前に配偶者や子、孫などに財産を贈与するのが生前贈与で、相続税対策の1つとしてよく利用されます。「相続税」は亡くなった時点での財産から支払う金額が決まるので、生前贈与することで税金を減らすことができます。 しかし、贈与をする場合は「贈与税」がかかる可能性があるので注意も必要です。そこで本記事では、生前に贈与をする場合の注意点について解説していきます。特に毎年一定額を渡すような贈与について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
贈与税は税率が高い!
個人から財産を受け取った場合に支払う必要があるのが贈与税です。贈与税は税率が高く、最も低い税率でも10%、最大で55%もかかるので、贈与によって財産を受け取る場合は気をつける必要があります。
もっとも、贈与税には基礎控除があるので一定額までは納税の対象となりません。贈与税の基礎控除は1年間で110万円です。この1年間とは、対象となる年の1月1日から12月31日までの期間です。
これらのことから、事例のように年間100万円の財産を受け取る場合は、基礎控除以内なので税金がかからないように思えます。しかし、「毎年一定額を受け取る」場合は税金がかかる可能性があるので注意が必要です。
定期贈与に注意
1年間に110万円以内の贈与を受ける場合は、税金がかからず、申告する必要がありません。しかし、毎年一定額を渡すように契約している場合は「定期贈与」とみなされて税金がかかる可能性があります。
「数年間に毎年一定額を渡す」といった契約をしている定期贈与は、契約した年に合計額の贈与税がかかってしまいます。例えば、10年間にわたって100万円を贈与する場合や500万円を10年間に分割して贈与するといった契約の場合です。
1年間でみると基礎控除内で収まっているため税金がかからないように見えますが、定期贈与となるとまとめて贈与をしたとみなされてしまいます。
つまり、事例のように毎年100万円を渡すような契約の場合は、100万円に対してではなく合計額の贈与税がかかるのです。10年間受け取るように契約した場合は1000万円の贈与を受けたことになり、多くの税金を支払う必要があります。
相続税対策にならない場合もある
定期贈与とみなされないためには、各年に贈与をしていると証明できるように「贈与契約書を毎年作成する」といったことが有効です。1年ごとに贈与をしていると証明できれば、定期贈与とならないので税金を抑えられます。
しかし、事例のような場合で贈与契約書を毎年作成していたとしても相続税対策にならないこともあるので注意が必要です。令和6年1月から施行された「相続税及び贈与税の税制改正」によって、生前贈与によって受け取った財産が相続財産に加算されてしまう期間が延長されました。
具体的には、「相続開始前から3年以内」となっていたものが「相続開始前から7年」に改正されています。もっとも、延長された4年間については100万円までは相続財産に加算されないことになっています。
事例の場合で祖父が亡くなってしまうと、その日から3年以内に贈与された財産については相続財産に加算されてしまうでしょう。それ以前の4年間から7年間については100万円であれば相続財産に加算されません。
贈与税と相続税について理解しておきましょう
生前贈与は相続税対策として有効な手段の1つですが、少し間違えてしまうだけで贈与税や相続税がかかってしまう可能性があります。まずはそれぞれの税金のことを理解し、余分な支払いがないように注意してください。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合 毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合
国税庁 令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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