いま通っている幼稚園が合わず保育園に入りたいのですが、なかなか空きが出ません。仕事を再開したいけど「一時預かり」はやはり高いですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月3日 5時20分
Aさんの娘は幼稚園の年少さんですが、幼稚園の指導方針が合わず、保育園へ入ることを望んでいます。しかし、時期が時期なだけに保育園に空きが出ず、仕事の再開も先延ばしになっています。「一時預かりを利用しようと思ったけれど、預かり料金が高額になるので利用できません」と言うAさん。はたしてそうなのでしょうか?
行政が運営していれば1時間あたり500円~800円。認可外であれば、1時間あたり1000円~2500円
運営主体が行政かプライベートかで大きく違います。
自治体で提供している一時保育・一時預かりは、おおむね1時間あたり500円~800円程度でリーゾナブルです。また、きょうだいで利用する場合は割引が適用になるなどの措置もとられているケースが多いです。
「枠」が限られているうえに、「空き」がある場合にのみ利用できるので、実際には1ヶ月前から予約が必要で、利用は1ヶ月10回までという制限も設定されているケースが多く、緊急時に柔軟に対応してもらえるという可能性はかなり低いでしょう。
認可外保育施設などでは、料金設定は施設に委ねられています。目安は1時間あたり1000円~2500円と負担額は大きく上がります。ただし、プライベートで運営している施設では土日や24時間の受け入れも可能であったり、体操や英語などのプログラムを提供したりしているところもありますので、料金だけで判断するのは難しいでしょう。
行政主体の対象施設で、年収要件を満たせば最大3万7000円の無償化が適用
自治体のホームページで無償化対象施設かどうかを確認し、子どもの年齢や年収要件を満たせば、最大で3万7000円の無償化枠が適用になります。
仮に無償化枠の対象外であっても、自治体認可の保育園での一時保育の場合、チケット発行という形で負担のいくらかを助成してもらえる仕組みを利用できる場合もあります。
無償化については、認可保育園の中でも対象となる施設数は限られているうえ、年収要件を満たす必要があるので、必ず行政の窓口で確認しましょう。
価格を優先するか、柔軟性を優先するか
ざっと、公的施設と民間施設の利用料金を確認しましたが、当然、料金を重視すれば、柔軟な対応は期待しづらく、いつでも利用できる場合は柔軟性が料金に反映されるため大きな負担になります。
経済的負担か柔軟性のどちらを優先させるか、判断に悩むところではありますね。
「指導方針が合わないから保育園?」
その前に、Aさんのご相談として「指導方針が合わないから保育園」という主訴を確認しましょう。
保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省の管轄です。趣旨がまったく違います。もし「指導方針が合わないから」という理由であれば、今の幼稚園から別の幼稚園への転園を検討すればいいでしょう。
ただし、子どもにも人間関係が生まれつつある時期です。また、通園や行事など環境の変化に子どもがスムーズに対応できるかを見守っていかなければなりません。新しく人間関係をゼロから作っていくことも、子どもにとっては大きな負担となるでしょう。
転園先の幼稚園の指導方針が「親ではなく」子どもに合っているかどうかも見極めなければなりません。これらをふまえて「転園してよかった」と確認できるまでは、かなりの時間がかかると覚悟しておいたほうがよいでしょう。
一方、「指導方針が合わない」という理由で「今まで仕事の再開を先延ばしにしていたが、(まず)家計の基盤をしっかり固めよう」と保育園への転園を考える場合、幼稚園という「限られた時間の教育を主体とした施設」から「家庭での保育が十分に確保できないため、福祉施設である保育園」に転園となります。
大人であれば理解できますが、子どもにとって「長時間滞在する、幼稚園であればおうちで遊んでいた夏休みや冬休みといった長期休暇もなくなる」という事情をすんなり理解できるかは疑問です。そういった環境の変化については幼稚園の転園以上に見守っていく必要があります。
幼稚園から保育園に転園した結果、さまざまな環境の変化もあり、体調を崩すようになったということも想定しなければなりません。その場合には、おそらく事前予約などではなく緊急的な対応が必要になるプライベートの一時保育施設にお願いせざるを得なくなることも想定しておきましょう。
まとめ「子育てに大人の事情は通用しない」
家計運営には、プランニングが必要ですが、子育てに関していえば、「想定外のハプニングが起こるのが当たり前」という気持ちで臨むべきでしょう。
幼稚園にかかる費用、保育園ならばこのくらい、と金額のめどを立てますが、それ以外に病気やケガでの家庭保育、病後保育などがかかってきます。大きめの「のりしろ」を緊急必要資金として確保し、想定外の費用がかかっても「今はやむを得ない」と構えることが求められそうです。
出典
こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化制度でよくあるご質問はこちら(2)
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
モンテッソーリ教育を軸とした認可外保育園「しろくまRoom」見学会
PR TIMES / 2024年9月28日 11時45分
-
ママ友の3歳の子どもは「無料」で幼稚園に通っているのに、わが家は「月2万円」保育料を払っています。どちらも同じ月生まれですが、幼稚園は時間が短いから“無料”なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月27日 2時30分
-
みんなが笑顔になる施設運営が学べる保育・療育事業者向け「元気キッズ施設見学ツアー」を10月7日に開催
@Press / 2024年9月20日 10時30分
-
〈0歳児を段ボール箱で隔離〉手足口病の園児への対応に「虐待が疑われる不適切保育」と指導…仕事と家庭の両立に追われる共働き世帯と保育園との間に対立はあるのか?
集英社オンライン / 2024年9月17日 18時30分
-
「保育園」に通う3歳の娘は保育料を払っていますが、「幼稚園」に通う3歳の友人の子どもは無償化になっているそうです。同じ3歳なのになぜですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月14日 10時0分
ランキング
-
1「リチウムイオン充電池」どう捨てるのが正解か 充電器、加熱式たばこ、ワイヤレスイヤホン…
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 11時0分
-
2EUのエンジン車販売禁止計画、伊提案の見直し前倒しにドイツ反対
ロイター / 2024年10月3日 9時51分
-
3国慶節休暇前夜のテコ入れで中国株が急騰。「今度こそ」景気回復はあるか?
トウシル / 2024年10月3日 7時30分
-
4今年も「100円おでん」が登場 物価高が続くのに、なぜこの価格で?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月3日 13時31分
-
5「買えていたら、勝ち組だったのかなあ」…もはや「タワマンから出られない」賃貸組の実態
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月3日 14時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください