老後資金「2000万円」を20代で貯めた人はどれくらいいる？貯蓄に成功するポイントとは

「老後資金をなるべく若いうちから貯めたい」と考えている人もいるでしょう。   安心して老後を迎えるために必要なお金は、これからの働き方や将来もらえる年金の額などによっても変わってくると思います。   例えば、老後に必要な資金の目安を「2000万円」と考えた場合、若い世代では何割くらいの人が目標を達成できているのかを知っておくことで今後の指標になるでしょう。   本記事では、20代で2000万円貯めた人の割合について、また、貯蓄2000万円を目指すためのポイントも含めてご紹介します。

20代で貯蓄2000万円ある人の割合は？

金融広報中央委員会 知るぽるとの「家計の金融行動に関する世論調査（令和5年）」によると、20代で貯蓄が2000万円以上ある人の割合は、単身世帯の場合で0％、二人以上世帯の場合で2.9％ということです。二人以上世帯のうち「2000万～3000万円未満」の割合が2.3％、「3000万円以上」の割合が0.6％となっています。
 
また、20代単身世帯の平均貯蓄額は121万円、中央値は9万円、二人以上世帯の平均貯蓄額は249万円、中央値は30万円です。
 
平均値はすべての数値をその個数で割ったものなので、貯蓄額が極端に高い人がいると全体的に引き上げられてしまいます。中央値は数値を小さい順に並べてちょうど真ん中にくる数値のことなので、平均値よりも中央値を参考にした方が分かりやすいかもしれません。
 
特に、単身世帯では20代の貯蓄額はまだ少なく、一番多くても「1000万～1500万円未満」の1.6％です。二人以上世帯でも2000万円以上貯めている人の割合はほかの年代よりも少なくなっています。
 

貯蓄2000万円以上ある世帯の世代ごとの割合は？

同調査を基に、貯蓄が「2000万円～3000万円未満」と「3000万円以上」の世帯の割合を、世代別に表1にまとめました。
 
表1

年齢層	単身世帯	二人以上世帯
20歳代	0％	2.9％
30歳代	7.1％	6.6％
40歳代	8.6％	11.8％
50歳代	13.7％	16.6％
60歳代	23.1％	30％
70歳代	25.5％	27.1％

出典：金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査（令和5年）単身世帯調査／二人以上世帯調査」を基に筆者作成
 
貯蓄が2000万円以上ある人の割合が多いのは、単身世帯では「70歳代」、二人以上世帯では「60歳代」ということが分かります。年代が高くなるにつれて、貯蓄額も多くなる傾向にあるといえるでしょう。
 

貯蓄2000万円を目指すためのポイント

「老後のために2000万円貯めたい」と考えているのであれば、まずは「何年かけていくらずつ貯めるのか」などの計画を立てましょう。
 
今回は「20代で貯蓄2000万円を貯めた人はどれくらいいるのか」がテーマですが、10年間で貯蓄を0円から2000万円まで貯めるには、単純計算で月に16万円以上貯蓄する必要があります。そのため、あまり現実的ではないでしょう。
 
長期的な計画を立てて貯蓄していくとして、20代であれば定年退職を迎えるまであと40年ほどあると考えられるため、40年後までに2000万円貯めるには月々4万2000円ほど貯める必要があります。
 
月々の貯蓄目標額を決めることはモチベーションの維持にもつながるため、しっかりと家計簿をつけるなどして管理するといいでしょう。
 
また、40年もあればお金を貯めやすい時期とそうでない時期が訪れることも考えられます。例えば、出産や子どもの進学、マイホームの購入、子どもの独立、家族の介護などの時期は出費がかさむことが予想されます。そのような時期は貯蓄が難しくなるかもしれないので、それ以外の時期に多めに貯蓄することを考えた方がいいでしょう。
 

20代で貯蓄2000万円ある人は二人以上世帯で2.9％

若いうちから老後資金を貯め始めている人もいるでしょう。実際のところ20代で2000万円以上の貯蓄がある人の割合は、単身世帯だと0％ですが二人以上世帯だと2.9％いることが分かっています。
 
世代別にみてみると、2000万円以上の貯蓄がある人の割合は、単身世帯では70代、二人以上世帯だと60代が最も多く、いずれも20代は最も少なくなっています。
 
若いうちから何十年も先の老後のことを考えて貯蓄するのは簡単ではないかもしれませんが、月々の収支をしっかり管理したり、お金を貯めやすい時期を見極めて多めに貯蓄しておいたりして、目標に近づけるようにするといいでしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると
　家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和5年）表番号4
　家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］（令和5年）表番号4
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー