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65歳で定年後、3ヶ月に1回は「信州」に旅行したいです。退職金「2000万円」と月々の年金があれば、夫婦での旅行は可能ですか? 収入はいくら必要でしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月6日 4時40分

65歳で定年後、3ヶ月に1回は「信州」に旅行したいです。退職金「2000万円」と月々の年金があれば、夫婦での旅行は可能ですか? 収入はいくら必要でしょうか?

フルタイムで仕事をしていると「まとまった休み」を取得するのは難しいことも多く、定年退職をしたら、老後はさまざまな場所へ旅行をしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、老後の生活を考えると「旅行資金は捻出できるのか」不安を感じることもあるかもしれません。   本記事では、65歳で定年を迎えたら85歳まで「3ヶ月に1回、好きな信州へ2泊3日で旅行をしたい」と考えるケースを想定します。夫婦2人で老後を過ごす場合、日常生活に必要な費用と合わせて毎月いくら収入があれば「旅行生活」を実現できるのか解説します。

65歳以降の日常生活で必要な費用はいくら?

老後も、生活するためには当然ですがお金がかかります。旅行や趣味など「余暇」に使える金額を明確にするためには、老後の生活費がどの程度かかるのか把握する必要があります。
 
総務省統計局が公表している家計調査報告(家計収支編)によると2023年の「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の実支出は28万2497円です。もちろん月によって変動はあるものの、特にぜいたくしなくても2人で30万円近くの支出が発生する可能性が高いことが分かります。
 

3ヶ月に1 回、信州へ旅行するといくらかかる?

旅行といっても、ホテルや飛行機など移動手段をすべて自分で手配する個人旅行、旅行会社が手配してくれるツアーなどさまざまなケースがあります。今回は添乗員が同行して大型バスなどで観光地へ連れて行ってくれるツアータイプの旅行をすると仮定しましょう。
 
大手旅行会社のJTBが企画して提供する「関東発中部・北陸・関東3日間添乗員同行ツアー」の中でキーワード「上高地」を追加して検索すると、個人では行きにくい立山黒部アルペンルートや、黒部峡谷トロッコ電車などを巡る旅を味わえるプランなども出てきます。
 
大人1名あたり7万円前後のプランもあれば、50万円以上する高級プランも存在します。
 
ツアーには、往復の新幹線や朝夕の食事代が含まれていることもありますが、それ以外の交通費や食費、土産代などは自分たちで負担しなければなりません。仮にツアー代金を含む旅行費用が1人あたり12万円かかる場合は、2人で24万円です。「3ヶ月に1回、同程度の旅行をする」場合は単純計算で年間96万円かかります。
 

支出を賄うために必要な収入金額

日常生活で必要な費用は月額30万円、旅行費用は年額96万円とすると、平均で毎月38万円の支出が発生します。
 
病気やけが、冠婚葬祭や家電製品の故障など不測の事態が発生すると、想像を超える速さで資金が減少することも考えられます。「家計は黒字だから大丈夫」と安心するのではなく「いつ赤字家計になっても不思議ではない」前提で対策することをおすすめします。
 
老後は年金を受け取り始める人も多いでしょう。具体的な年金額は主に現役時代に加入する年金の種類や加入期間などによって変化しますが、平均月収が約40万円で40年間働いた場合、夫婦2人の老齢基礎年金を含めた標準的な年金額は23万483円(2024年度)とされています。
 
今回は夫婦合わせて月額23万円の年金を受け取り、定年時に2000万円の退職金をもらうと仮定しましょう。年金と退職金以外の収入や資産はないものとすると、先ほど挙げた「毎月の平均支出38万円」に対して、年金だけだと月額15万円の赤字となってしまいます。
 
赤字額は年間で180万円となり、何も対策しなければ2000万円の退職金もわずか11年ほどで底をついてしまう計算です。
 
85歳まで旅行をしたいと考えていても76歳頃には資金繰りが厳しくなるおそれがあるため、65歳以降もパートやアルバイトなどで働いて給料を得ることも積極的に検討してみましょう。
 
ライフスタイルは人それぞれなので一概にはいえませんが、黒字家計を目指すには不測の事態に備える点も含めて、今回であれば一例として年金と合わせて「月額40万円以上」の収入確保を目指すのも良いかもしれません。
 

まとめ

本記事では、年金と数千万円規模の退職金があれば、老後は好きな旅行をたくさんできるのか解説しました。地域やライフスタイルによって生活費は変わってきますが、近年は年金と退職金だけで悠々自適な老後生活を送ることは難しいでしょう。
 
65歳時点で数千万円の資産があっても、収入が少なく赤字家計だと想像以上のスピードで資金がなくなる可能性もあります。余暇を楽しみつつも、不測の事態に備えるために老後も引き続き収入確保を目指していきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
株式会社JTB 国内添乗員同行ツアー
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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