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共働きで世帯年収1400万円です。「夫婦別財布」にしているのですが、最近パートナーの貯金がゼロであることが判明しました。将来が不安になったのですが、どのような話し合いをしたらよいでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月6日 23時40分

共働きで世帯年収1400万円です。「夫婦別財布」にしているのですが、最近パートナーの貯金がゼロであることが判明しました。将来が不安になったのですが、どのような話し合いをしたらよいでしょうか?

Aさん夫婦はそれぞれ年収700万円、子どもは3歳で保育園に通っています。財布は別々で、毎月生活費の口座にそれぞれお金を振り込み、それ以外のお金は自由に使っています。   貯金額などは話し合ったことがなく、ある事柄をきっかけに相手に貯金がないことが分かったそうです。自分と同等に貯金していると思い込んでいたため、あてにしていたお金がなく不安になり、将来に備えるべく相談に来られました。

どこで折り合いをつけるか

結婚してひとつの家族を作ると決めたとき、少なからず決め手になったのは、同じ趣味、同じ価値観ということだったと思われます。しかし、それと生活における費用が「まったく考え方が同じ」というのは違います。
 
共働きであれば、結婚後もそれぞれの職場環境や同僚、先輩、上司や取引先など、時間的には夫婦2人よりも仕事で接する人たちと過ごす時間のほうが長いのではないでしょうか。そうなれば当然、そういった周りの人たちからの影響もより大きく受けることになります。
 
「夫婦になったからといって、同じ考え方ではない」ということを知ったうえで、そうはいっても家計運営という同じ目標に向かって二人三脚で進んでいかなければならないことを確認しましょう。
 

目標などを具体的な数字で設定する

ただ、漠然と「老後の資金を確保する」や「子どもの教育費を準備する」というゴールでは、「お金を貯めなければならない」というぼんやりした取り組みになって、なし崩し的に終わってしまいます。
 
お子さんも交えて3人で出掛ける道中などに、具体的な数字の設定を提案してみましょう。最近ではいろいろなところで、子育てにかかる費用や老後にはどのくらい資金が必要かなどといった数字が明記されていますので、覚えやすい目立った数字を提案してみるといいかもしれません。
 
いざ電卓やパソコンなどを用意したり、文書を目にしたりすると、その場では危機感を覚えるでしょうが、意外と終わってしまえば気が抜けて長続きしないものです。
 
家計運営は、生きているかぎり続く長距離マラソンのようなものですから、ストレスなく長くうまくお金とつきあっていくためには、「時間を味方につける」すなわち、「少しずつ継続する」ことが非常に大切になります。
 
そのことからもリラックスした雰囲気のなかで、子どもの教育費を早いうちから用意する必要性を少しずつ理解してもらえるような話し合いの場を工夫しましょう。
 

目先の分かりやすい「子どもの学校外教育活動費」でシミュレーション

「関係ない」「先のことだから」という言い訳が最も通用しない、「子どもの学校外教育活動費」を例に話してみるのもよいでしょう。
 
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によれば、公立学校に通わせたとしても、小学校では24万7582円、中学校では36万8780円、高等学校では20万3710円、それぞれ年間に学校外教育費としてかかっていることが分かっています。これらを合計すると、ざっと小中高で320万2962円です。
 
最近は、義務教育無償化、あるいは高等学校でも教育費無償化という流れが一般的になっていますが、学校外教育費は塾や習い事にかかる費用ですから、これらは補助金・助成金の対象外でそれぞれの家庭の裁量で負担します。
 
このような家庭が100%負担する教育費の3分の1、つまり110万円を1年間に2人で貯めていくというような具体的目標を設定すれば、モチベーションの熱量も上がってくるでしょう。
 

譲れない趣味や価値観は尊重しつつ、具体的な目標設定で無理のない二人三脚マラソンを

数年前に世間を騒がせた老後必要資金2000万円問題のように、子育ても始まったばかりの若年層にはピンとこないトピックについて、キャッシュフロー表を作成しても納得してもらえないケースは多いです。それどころか、「こんなにあれもこれも考えなければいけないなんて無理」と、話が前に進まないかもしれません。
 
結局は、家計を運営する夫婦当事者が自発的に「選択肢を広げるために、お金を貯めよう」という気持ちになることが大切です。コミュニケーションをとることはもちろん大切ですが、腹落ちするような状況作りの工夫も大切かもしれません。
 

出典

文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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