ドル建て保険に加入していますが、「円安」でどんどん保険料が上がっています。毎月の支払いが厳しいのですが、今解約するのは損ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月6日 22時30分
ドル建て保険に加入していると、為替の影響で円安になるたびに保険料が増えてしまい、家計への負担が大きくなります。現在、毎月の支払いが厳しくなっていると感じている方も多いのではないでしょうか。保険を解約すれば支払いの負担は軽減されますが、解約に伴う損失が発生する可能性もあります。 本記事では、円安の今、どのような選択が最善なのか悩む方に向けて、ドル建て保険の特性や解約のタイミングについて詳しく解説していきます。
ドル建て保険とは
ドル建て保険は、保険料の支払いと保険金の受け取りがすべてドルで行われる外貨建ての保険商品です。円での支払いが可能な商品や、豪ドルやユーロなどの異なる外貨で運用されるものもあります。
日本で注目された背景には、2016年の日銀のマイナス金利政策があり、外貨建て商品のほうが高利回りを期待できる点が人気を集めましたが、為替リスクには注意が必要です。
円安時のドル建て保険の影響
ドル建て保険は、為替レートの変動によって、保険料の負担や受け取れる保険金の金額が大きく変わる可能性があるという特徴があります。現在の円安状態では、保険料の負担が増える一方、受取時には保険金が増える可能性もあります。これについて、詳しく見ていきましょう。
保険料の払込時
ドル建て保険では、保険料がドルで支払われます。円安が進むと、ドルの価値が相対的に高くなるため、円で支払う保険料が増加します。
例えば、保険料を契約時に一括で支払う、保険金5万米ドルの「ドル建て一時払い終身保険」に加入する場合、契約時に1ドル=110円であれば、保険料は550万円ですが、1ドル=130円の場合は650万円となります。
保険金を受け取るとき
円安の際は、受け取る保険金が円換算で増えることがあります。
例えば、死亡保険金が10万米ドルのドル建て保険に加入している場合、契約時に1ドル=110円なら受取額は1100万円ですが、受取時に1ドル=130円となっていれば、受取額は1300万円に増加します。
円安時に解約するメリット・デメリット
ドル建て保険を解約する際に円安が有利かどうかは、個々の状況によります。円安時に解約することには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
円安時に解約するメリットは、以下の2つです。
●解約返戻金の増加
●為替差益が得られる
円安の際にドル建て保険を解約すると、解約返戻金が円換算で増加する可能性があります。これは、円安によってドルの価値が上昇し、保険金や解約返戻金が相対的に高くなるためです。また、為替差益を享受できるため、ドル建て資産の価値が上がることがあります。
デメリット
円安時の解約のデメリットは、以下の4つです。
●手数料などの追加費用
●運用利回りの低下
●将来的な為替リスク
●税金
解約時は、為替手数料や解約手数料などが追加で発生する可能性があります。また、解約時点での運用期間が短い場合、期待していた利益が得られないこともあるでしょう。
今後さらに円安が進む場合、解約によって将来的な為替リスクを回避できないこともあります。加えて、解約によって得た資産には税金がかかるため、最終的な手取り額が減少する恐れもあります。
ドル建て保険を解約する際の注意点
ドル建て保険の解約に適したタイミングは、次の通りです。
解約返戻金が元本を上回り、なおかつ十分な為替差益が得られていることが理想です。次に、保険契約の際に設定した目的や目標が達成されていることも解約の重要な条件となります。
解約を考える際は単に円安の影響だけでなく、実際に受け取れる解約返戻金の額や、そこから差し引かれる税金や手数料の額も慎重に考慮することが重要です。これらのポイントを踏まえて、最適な解約のタイミングを判断しましょう。
外貨で受け取りが可能な保険もある
ドル建て保険のなかには、外貨での受け取りが可能なものもありますが、相場に応じた受け取り方法を選ぶ必要があります。解約時に円高が進んでいる場合、円に替えて保険金を受け取ると、払込金額を下回る可能性があります。
例えば、1万ドルを1ドル90円のときに換金すると90万円ですが、1ドル110円なら110万円となり20万円の差が生じます。急いで使う予定がない場合、外貨で受け取り、円安時に円に替えるといった選択肢を検討することが有効です。
ドル建て保険の解約で損をする可能性はある
ドル建て保険の解約を考える際には、円安の影響だけでなく、さまざまな要因を総合的に考慮する必要があります。保険料の値上がりによる家計の状況や将来のリスクを踏まえて、最適なタイミングを見極めることが重要です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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