「定年後も働き続ける人」はどのくらいいるのでしょうか? また「手取り額」はどの程度下がりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月8日 2時30分
年金以外の収入を確保するために、定年後も働き続ける人が増えているようです。しかし、実際にどのくらいの人が働き続けているのか気になるものです。 本記事では、定年後に働き続ける人の割合や働き続けたいと考えている人の割合を紹介し、定年後の手取り額がどの程度下がるのかを解説します。
定年後に働き続ける人の割合
内閣府が公開している「令和4年版高齢社会白書」によると、65歳以上の就業率は表1の通りです。
表1
男性 | 女性 | |
---|---|---|
65~69歳 | 60.4% | 40.9% |
70~74歳 | 41.1% | 25.1% |
75歳以上 | 16.1% | 7.0% |
※内閣府「令和4年版高齢社会白書」より筆者作成
また、ディップ株式会社の「定年後の就業意向・就業実態調査」によると、対象となっている55~64歳の方で、定年後も働き続けたいと回答した人の割合は約6割でした。65~69歳の男性の就業率と、定年後に働き続けたい55~64歳の割合がほぼ一致しています。
定年後は職場を退職して年金で生活するイメージを持つ人も多いかもしれませんが、定年後も働き続ける人が増えていると考えられるでしょう。
定年後の再雇用では手取りが下がる?
厚生労働省が公表している「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、定年後の「再就職」での給与水準は、定年前よりも減少するケースが多いようです。
理由として、正規雇用が少ないことや、労働時間が短くなることなどが挙げられます。前職と比べて給与が1割以上減ったと感じている人の割合は、60~64歳で56.6%、65歳以上で45.5%です。再雇用で働く半数ほどの人が、給与が減っていると感じています。
定年後も働き続けるメリット
ここでは、定年後も働き続けるメリットを紹介します。
年金以外の収入が得られる
定年後も働き続けることで、年金以外の収入を得られ、老後の生活が安定する可能性があります。年金制度改正法により、2022年4月からは年金の受給開始時期の繰り上げ上限年齢が75歳となりました。これにより、年金受給を開始するタイミングは60歳から75歳まで自由に選択できます。
ただし、老後に安心して暮らすためには、年金と貯金では心もとないと感じる人も多くいるでしょう。定年後も働き続けて年金以外の収入を継続して得られれば、生活にゆとりが生まれやすくなると考えられます。
趣味にお金をかけられる
株式会社日本総合研究所が行った「高齢者の生きがい等意識調査2024」によると、楽しみや喜びを感じることとして、国内旅行や家族・友人との団らん、読書、音楽鑑賞、ガーデニング、日帰り観光などが多く挙げられています。お金を必要とする趣味に楽しみや喜びを感じる高齢者も多いといえるでしょう。
家族や友人との団らんで喫茶店やファミレスを利用すれば費用がかかります。また、旅行に出かけるとなるとさらに大きな費用が発生するでしょう。定年後も働き続けていれば、年金にプラスして収入が得られるため、趣味にもお金をかけやすくなる可能性があります。
社会保険に加入できる
定年後に働き続けている方でも、要件を満たせば社会保険に加入できます。
例えば多くの場合、健康保険は75歳以上になると後期高齢医療制度に切り替わりますが、それまでは健康保険に加入して健康診断や人間ドックを安い費用で受けられます。
また、厚生年金は満70歳まで加入が可能だとされています。厚生年金への加入歴がある人は、年金受給時に老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受給できます。
なお、老齢厚生年金の受給額は、厚生年金の被保険者として加入していた期間と給与収入額によって算出されます。定年後も厚生年金に加入し続け、加入期間が長くなれば、将来受け取れる老齢厚生年金が増加するのです。
定年後も働き続ける人のほうが多い
定年後は年金を受け取りながら暮らすイメージを持つ人もいますが、6割ほどの方が定年後も再雇用を利用して働き続けているようです。年金だけでは収入が心もとなく、趣味や楽しみにお金をかけられないと感じている人も多くいるでしょう。
定年後に働き続けると収入が増えるだけではなく、社会保険に加入できることもメリットだと考えられます。定年後の暮らし方は、資産や受け取れる年金額などを考慮して決めるとよいでしょう。
出典
内閣府 令和4年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況(第2節 1)
ディップ株式会社【ミドル・シニア 8,000人調査】55〜64歳正社員の約6割が「定年後も働きたい」と回答
厚生労働省 令和5年雇用動向調査結果の概況
株式会社日本総合研究所 「高齢者の生きがい等意識調査2024」を発表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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