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両親の年金は2人合わせて毎月「8万円」です。わが家のように「低年金」のシニアはどのくらいいるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月9日 2時20分

両親の年金は2人合わせて毎月「8万円」です。わが家のように「低年金」のシニアはどのくらいいるのでしょうか?

年金は、老後の生活を支える収入源のひとつです。年金だけを頼りに生活したい、と考えている方もいるでしょう。しかし中には、夫婦合わせて毎月8万円しか年金をもらえないといったケースもあります。   そこで今回は、公的年金の平均支給額のデータを基に、低年金のシニアはどれくらいいるかについて調べました。低年金になる理由や、生活が厳しい場合の対策もご紹介しますので、参考にしてください。

低年金のシニアはどのくらいいる? 低年金になる理由とは?

両親の年金を合わせて「毎月8万円」ということは、年間で96万円を受け取っている計算になります。
 
厚生労働省の「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」によると、65歳以上で配偶者ありの場合、年間平均受給額は142万9000円(男性:203万9000円/女性:96万4000円)です。
 
夫婦合わせて300万円前後を受け取っている家庭が平均のため、年間96万円のケースは低年金であることが分かります。本人の公的年金受給額別に、65歳以上(配偶者あり)の人数をまとめた結果は、表1の通りです。
 
表1

年金受給額(年間) 全体 男性 女性
50万円未満 50万2000人 7万人 43万2000人
50万~75万円 169万1000人 17万6000人 151万4000円
75万~100万円 278万9000人 34万2000人 244万7000人
100万~150万円 186万7000人 44万9000人 141万8000人
150万~200万円 131万7000人 102万2000人 29万5000人
200万~250万円 188万4000人 168万7000人 19万7000人
250万~300万円 92万7000人 85万6000人 7万2000人
300万~350万円 20万5000人 19万6000人 9000人
350万円以上 9万8000人 8万6000人 1万2000人
不詳 6000人 6000人

出典:厚生労働省「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」を基に筆者作成
 
本人の公的年金受給額が50万円未満の割合は、男女計で約4.45%(50万2000人/1128万7000人)です。「両親の年金が2人合わせて毎月8万円」というケースのように、低年金のシニアは一定数いることが分かりました。
 
低年金になる理由としては、現役時代の働き方が挙げられます。夫婦ともに自営業中心で働いていた世帯は、一方のみまたは夫婦ともに正社員中心で働いていた世帯と比較して、年金額が低くなる傾向にあります。
 
日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建て構造になっていますが、自営業の場合は1階部分にあたる国民年金のみを受給することになり、2階部分である厚生年金の上乗せがないためです。
 
また国民年金も、未納・未加入期間があったり免除を受けた期間があったりすると、満額を受給するために必要な「保険料納付済期間」が不足するため、低年金や無年金となる可能性があります。65歳前に繰上げ受給の手続きを行ったために、減額された老齢年金を受給しているケースもあるでしょう。
 

低年金で生活が苦しい場合の対策

両親の年金が2人合わせて月8万円の場合、貯金があれば生活費に充てられますが、貯金がない場合、年金だけでは生活が苦しくなるかもしれません。低年金で生活が苦しい場合の対策として、以下のような方法があります。
 

体力と気力が続く限り働く

生活費を賄うために、定年後も仕事を続けることを検討してみましょう。今まで働いていた会社に再雇用で勤務したり、再就職先として新しい職場を探したりする方法があります。
 
老後も仕事を続けることで、生活費を賄えるだけでなく、健康維持や社会とのつながりを保てるなどのメリットもあります。年金と合わせてある程度の収入が得られれば、旅行や外食など趣味を楽しむ余裕が生まれるかもしれません。
 

家族からの仕送りに頼る

家族で話し合い、子どもから両親に仕送りをする方法もあります。両親の経済状況や支出から、必要な生活費を算出して、仕送り額を決めるとよいでしょう。
 
仕送りの負担を軽減するために、両親分の通信費・車の維持費・サブスクリプションサービスなどで節約できる部分がないか確認することも大切です。
 

生活保護制度の活用を検討する

両親の年金が2人合わせて8万円の場合、厚生労働大臣が定める基準で計算される「最低生活費」に満たない可能性が考えられます。
 
他に活用できる資産や手当制度がなく、高齢のため働くことが困難で、親族からの援助も難しい場合は、生活保護制度を利用できるかもしれません。生活保護を申請して認められれば、定められた最低生活費から年金収入を差し引いた金額が保護費として支給されます。
 

本人の公的年金受給額が50万円未満の割合は約4.45%|生活が厳しい場合は何らかの対策が必要

本人の公的年金受給額が50万円未満だという人の割合は、約4.45%であることが分かりました。国民年金のみを受給する自営業の方などは年金額が低くなる傾向にあることから、現役時代の働き方が低年金につながる理由のひとつとして考えられます。
 
また、満額の年金を受給するために必要な「保険料納付済期間」が不足していたり、65歳前の繰上げ受給手続きにより、減額した老齢年金を受給していたりするケースもあるでしょう。
 
低年金で生活が厳しい場合は、体力と気力が続く限り働くことで収入を増やせるかもしれません。高齢で働くことが困難な場合は、家族からの仕送りや、生活保護制度の活用も検討するとよいでしょう。
 

出典

政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年 第5表 配偶者の有無別・性別・本人の年齢階級別・本人の公的年金年金額階級別 本人の収入が公的年金のみの受給者数
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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