夫の入院費用が「20万円」かかったのに高額療養費が対象外だったのはなぜ?支払い対象外になる条件などがあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月11日 2時20分
医療費が高額になった際に利用できる制度として「高額療養費制度」があります。しかし、医療費が高額になったからといって、必ず利用できる制度ではないようです。 そこで本記事では、高額療養費制度について詳しく解説します。高額療養費制度の対象外となるケースや、注意すべき点もご紹介しますので、医療費の支払いが多くなりそうな方はぜひ参考にしてください。
高額療養費制度とは
「高額療養費制度」とは、1ヶ月の中でかかった医療費が高額になった際、一定の金額を超えた分が払い戻される仕組みです。一定の金額は「自己負担限度額」といい、年齢や所得区分によって異なります。
厚生労働省保険局が公表する資料を基に、自己負担限度額(69歳以下)を表1にまとめました。
表1
適用区分 | 1ヶ月の上限額(世帯ごと) |
---|---|
年収約1160万円~ | 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1% |
年収約770万円~約1160万円 | 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1% |
年収約370万円~約770万円 | 8万100円+(医療費-26万7000円)×1% |
~年収約370万円 | 5万7600円 |
住民税非課税者 | 3万5400円 |
出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」を基に筆者作成
上記の表は、69歳以下が対象となるものです。70歳以上の場合は、適用区分が異なりますので注意が必要です。
「高額療養費制度」は1ヶ月ごとの計算が必要なため、月をまたいだ場合は月ごとに計算しなければなりません。
また、1回分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、複数回受診した際の医療費を合算することが可能です。同じ世帯で同じ医療保険に加入している方の受診についても1ヶ月単位で合算でき、その合計が一定額を超えたときは、高額療養費として支給されます。
ただし、69歳以下の方の受診は2万1000円以上の自己負担額のみ合算されます。
なお、事前に高額になることが分かっている場合は「限度額適用認定証」を病院窓口に提示すれば、会計時に上限額以上の支払いをしなくてもいいようです。「限度額適用認定証」の申請は、加入している健康保険組合や自治体などに問い合わせましょう。
高額療養費制度の対象にならないケース
高額療養費制度は「保険適用される診療」に対して、患者が支払った自己負担額が対象です。
入院した場合などに発生する「食事代」や「差額ベッド代」は対象外です。また「先進医療にかかる費用」も対象からは外れます。
対象外の費用を差し引いた後の医療費が、自己負担限度額以下であれば支給の対象にはなりません。
支給申請をしないと利用できない可能性が高い
高額療養費制度は、自身で申請しないと支給されない可能性があります。申請方法は、加入する健康保険組合や全国健康保険協会、市町村国民健康保険などに支給申請書を提出、または郵送します。
なお、病院などの領収書の提出を求められる場合があるので、捨てずに保管しておきましょう。
加入している医療保険によっては、支給対象となることを教えてくれたり、自動的に口座に振り込んでくれたりすることもあるようです。
医療費が高額になる予定があれば、一度加入する健康保険組合などに問い合わせてみてもいいかもしれません。
高額療養費制度の対象は「保険適用される診療」のみ。対象外の費用があるため注意が必要
高額療養費制度は「保険適用される診療」のみです。入院中の「食事代」や「差額ベッド代」、「先進医療にかかる費用」も対象外となるため、たとえ入院費で20万円支払っても、支給されないこともあるでしょう。所得によって自己負担限度額が異なる点にも注意が必要です。
また、支給には申請が必要です。加入する健康保険組合などから申請を勧められたり、自動で口座に振り込まれたりするケースもあるようですが、「医療費が高額になったら申請する制度」と覚えておくといいかもしれません。
入院が決まったときなど、医療費が高額になることが予測される場合は、事前に「限度額適用認定証」を交付してもらうと窓口での支払額が軽減されます。医療費が高額になりそうなときは、支給対象になるのかを確認してぜひ申請しましょう。
出典
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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