夫が退職し月収が「40万円」から年金「14万円」のみに。住宅ローンを完済しているので、夫婦2人なら生活できますよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月15日 9時30分
「定年退職後、年金だけで生活できるのか?」と悩む人は多いでしょう。住宅ローンを完済したとしても、老後には思わぬ出費が待ち受けている可能性があります。そのため、年金だけでの生活は難しいケースもあるかもしれません。 本記事では、夫婦が老後を過ごすためにかかる費用や老後に懸念すべき費用について解説します。
老後に夫婦で暮らすときにかかる費用
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、無職の65歳以上の夫婦が生活するためには、非消費支出が3万1538円、消費支出が25万959円の合計28万2497円が毎月かかるようです。
なお、このうち住居費の平均額1万6827円に住宅ローンの返済額は含まれていませんが、賃貸住宅の場合の家賃などが含まれているため、仮に差し引いた場合でも毎月26万5670円が必要となります。この状態で年金14万円のみで生活をすると、毎月12万5670円の赤字となるため、老後に夫婦で生活するのは厳しいと考えられるでしょう。
老後に懸念される費用
住宅ローンを完済していても、老後に懸念される費用は複数あります。多くの人がイメージするものは医療費や介護費でしょう。高齢者は基本的に自己負担額が低いのに加え、高額療養費制度も活用できるため、定年後に医療費や介護費がそれほど高額になることは少ないといえます。
前述した総務省統計局の調査によると、無職の65歳以上の夫婦にかかる保健医療費は月平均1万6879円でした。
ただし、医療費や介護費以外に懸念される費用もあります。代表的なものは以下の3つです。
●教育資金
●子どもの結婚と孫にかかる費用
●リフォーム費用
それぞれ詳しく解説します。
教育資金
20代で子どもが生まれた場合は、定年後は子どもが自立しているケースが多く、教育資金はかからないでしょう。しかし、30代後半以降に子どもが生まれた場合は、定年後でも教育資金が必要となる可能性があります。
入学金や授業料など教育費用がかさむため、老後までに貯めておく必要があります。
子どもの結婚と孫にかかる費用
子どもが結婚する際は、お祝い金を送る可能性があります。株式会社リクルートが実施した「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、結婚費用に対する親や親族からの援助金は全国平均181万1000円でした(ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ)。
両家からの総額を181万1000円だとすると、それぞれ90万5500円ずつ必要だと考えられます。子どもが結婚した際のお祝い金を老後の資金だけで準備するのは難しい可能性もあるため、定年までに準備しておくと安心でしょう。
また、結婚後に孫が生まれた場合には孫にかかる費用も発生する可能性があります。孫にかかる費用として、ランドセル代や入学祝い、お年玉、帰省代、プレゼント代などが挙げられます。会うたびに食事代やお小遣いをあげていると、その費用もプラスされるでしょう。
孫にかかる費用は、数年~数十年と続く可能性があります。長期的に見ると大きな出費となるため、働いているうちに貯めておくことをおすすめします。
リフォーム費用
老後に懸念される費用として、リフォーム費用も挙げられます。30歳で新築の家を建てたと想定すると、定年時の65歳には築35年です。築35年となると、古くなっている部分も多くなりリフォームを検討するケースが多い傾向にあります。
どの程度リフォームするかによってリフォーム費用は大きく変動します。家全体をリフォームするとなると高額になりますが、浴室やリビングなど一部分だけであればある程度賄えるかもしれません。リフォームにあてられる予算を決め、予算内でできるリフォームを検討しましょう。
年金14万円のみでは夫婦で暮らすのは難しい可能性がある
無職の夫婦が老後を過ごす場合、非消費支出が3万1538円、消費支出が25万959円の合計28万2497円かかります。住宅ローンを完済していても、年金14万円のみでは夫婦で暮らしていくのは難しい可能性があるでしょう。
また、住宅ローンを完済していたとしても教育資金や子どもの結婚祝い金、孫にかかる費用、リフォーム費用などが老後にかかるケースがあります。万が一の出費に備えてお金を貯めておきましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
株式会社リクルート ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏 序章 結婚費用 2)結婚費用に対する親・親族からの援助 結婚費用(結納、挙式、披露宴・ウエディングパーティー、二次会、新婚旅行)に対する親・親族からの援助総額(ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ)(36ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
定年後は月12万円の「年金のみ」で暮らす予定です。90歳まで生きるとしたら「貯蓄」はいくら必要でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月23日 6時0分
-
定年後も働く予定ですが「週3日」程度に減らしたいです。年金は夫婦で「月18万円」もらえるのですが、あといくら稼げばよいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月21日 4時40分
-
来年定年退職ですが貯金は「500万円」で年金は夫婦で「15万円」ほどしかもらえません…再雇用で働こうと思っていますが月にいくら稼げば生活していけますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月12日 5時20分
-
離れて暮らす母の「年金」を管理することになった50代夫婦ですが、家計が赤字で困っています…子世代はどのようにサポートしたらよいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月3日 4時40分
-
「老後は2000万円必要」とよく聞きますが、この中には退職金も含まれますよね?自分でいくら貯金しておけば、25歳から定年までに老後資金を貯められるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月1日 4時10分
ランキング
-
1【新NISA】50~60代から投資を始めるのは遅い?…メガバンク出身YouTuberが月1,000円ずつ投資した3つの銘柄「たった2年」で驚きの結果
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月26日 9時15分
-
2「牛丼500円時代」の幕開け なぜ吉野家は減速し、すき家が独走したのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月26日 8時10分
-
3「オレンジの吉野家」より「黒い吉野家」のほうが従業員の歩数が30%少ない…儲かる店舗の意外な秘密
プレジデントオンライン / 2024年11月26日 7時15分
-
4なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
くるまのニュース / 2024年11月25日 23時10分
-
52025年の日本経済を左右する「103万円の壁」対策 恒久減税の実現こそ日本経済再生の第一歩だ
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください