年金月額「10万円」では足りないと判断し、再就職しました。年金を満額もらいながら働くなら「いくらまで」稼げますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月16日 5時0分
原則として65歳、繰り上げれば60歳から年金を受け取れますが、年金だけでは生活費を賄えない方もいるでしょう。受け取れる年金額は加入期間などによって、人それぞれであるからです。 生活費を得るためには再就職などによる労働が選択肢の一つになりますが、懸念するのは働くことによって年金の受給額が下がる可能性です。受給額に影響を与えることなく稼ぐには、ボーダーラインがどれくらいになるのかを知っておく必要があります。 そこで、本記事では年金月額が10万円の場合に、年金を満額受け取るなら「いくらまで」稼げるのか解説します。
年金を満額受け取れるライン
日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」内にある在職老齢年金の計算方法のフローチャートによると、年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円以下の場合、年金は満額もらえることが分かります。なお、この場合の年収には賞与、いわゆるボーナスも含まれる点に注意してください。
例えば、毎月の年金額が10万円で給与が30万円の場合は月の収入が40万円になるため、年金を満額受け取れます。しかし、賞与を年間で240万円だったとき、月単位で計算した場合に20万円支給されていることになるため月の収入が60万円に増えることになり、ボーダーラインである50万円を超えるため、年金は満額支給されません。
つまり、年金月額が10万円で年金を満額もらいながら働くなら、賞与を含めて年収480万円までは稼げることになります。
年金世代が収入を増やす方法
年金を受け取っていても、それだけでは足りないと考える方もいるでしょう。趣味や嗜好(しこう)品に充てるお金が少ないのならまだしも、生活費が足りないのであれば深刻な状況にあるといえます。その場合、何らかの方法で収入を増やさなければなりません。
年金世代が収入を増やす方法は以下の通りです。
・就労による給与
・投資による不労所得
・個人年金保険
・確定拠出年金
個人年金保険や確定拠出年金はある程度の積み立てが必要なため、老後を迎える前から計画的に行っていくことが大切です。運用結果次第では、安定した収入源になります。
手っ取り早く、単純に収入を増やす方法は就労です。昨今ではシルバー人材という言葉も普及しているように、再就職の支援も充実しています。いわゆる労働世代よりもハードルが高いことは否めませんが、より高い給与を目指して再就職や転職をすることも選択肢の一つになるでしょう。
ただし、年齢的にも身体的負担は大きくなることが予想されます。働いた分だけ収入を得られるため、つい頑張りたくなってしまうものですが、無理は禁物です。体調を崩せば医療費に大きなお金がかかってしまうだけでなく、労働できなければ収入も減ってしまいます。精神面も含めて、自身の体調に注意しながら働くことが大切です。
若いときに比べて身体的に働くことが難しくなりやすい年金世代だからこそ、投資などによる不労所得に憧れを抱く方もいることでしょう。投資商品には不動産や株、投資信託などいくつかの種類がありますが、どれも一定の知識や情報収集のための手間が必要になります。しかし、働くよりは少ない手間で収入を得られるため、勉強しながら挑戦してみてもいいかもしれません。
支出を抑えるために
労働は精神的、身体的共に負担が大きい行為です。高齢者は若いときに比べて、活力・体力が不足しがちなことから、想定以上に負担が重くなるかもしれません。年金などの収入が少なく、家計が安定しない場合は支出を抑えるための節約に目を向けると効果的です。
有効的な家計の見直し方法と、節約術を以下にまとめました。
・月単位だけでなく、週単位など細かに家計の予算を立てる
・無駄に買い物しない
・固定費の見直し
・自動車の処分
・交際費を抑える
通信費やサブスク料金など、見直してみると節約できる固定費は意外とあるものです。退会や乗り換えなどの一時的な手続きは面倒ですが、一度行えば節約効果は半永久的に続きます。
維持費がかかる自動車を思い切って手放してみると、家計的には大きなゆとりが生まれます。また、高齢者であれば公共の交通機関をお得に利用できる可能性が高いため、より節約になるでしょう。ただし、居住環境によっては自動車が必要な場合もあるため、手放した場合のコストや利便性などを比較しながら検討してみてください。
年金を満額もらえるのは月の収入が50万円まで
賞与を含めた年収を月単位で割った金額と、月の年金額の合計が50万円以下であれば、年金を満額で受け取れます。つまり、年金月額が10万円であれば、賞与を含めた年収480万円までは稼げるといえます。
出典
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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